プロジェクト・リュリ 第3回演奏会
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2009年11月15日(日) 14:00  だいしホール
 
ヴァイオリン:佐野正俊、チェンバロ:師岡雪子、ヴィオラ・ダ・ガンバ:中山 徹
(友情出演)ソプラノ:風間左智、リコーダー:柴田雄康、ヴァイオリン:庄司 愛
 
 
フランソワ・クープランを巡って

 
クープラン:王宮のコンセール 第1番

モンテクレール:カンタータ「オイローパ」

モンテクレール:フルート(リコーダー)と通奏低音のためのコンセール 第2番

(休憩15分)

クープラン:組曲「諸国民」より 「スペイン人」


(アンコール)
ラモー:優雅なインド人(優雅なインドの国々) より
 
 

 青空が見えたりしますが、朝から強風が吹き荒れ、落ち葉が舞い踊っています。冬の季節風を思わせ、気分はふさぎます。そんな日曜日ではありますが、コンサートに出かけました。
 このコンサートは主催者である友人から毎年案内をいただいておりましたが、たまたま所用と重なったりして、なかなか聴きに行くことができませんでした。不義理続きで申し訳なく感じており、今回こそはと駆けつけました。

 ヴァイオリン、チェンバロ、ヴィオラ・ダ・ガンバの3重奏による「王宮のコンセール」で開演となりました。古楽に疎く聴く機会が乏しい私は、古楽器奏法による優雅な調べに始めは戸惑いましたが、やがて古き良き時代にタイムスリップし、王宮にいるが如くに音楽に浸り、心地よい音楽に身をゆだねました。ネーベル室内合奏協会のコンサートマスターを務める佐野さんの落ち着いた演奏、いろんなコンサートで何度か聴いたことのある師岡さんのチェンバロも素晴らしかったですが、中山さんの弾くガンバの落ちついた音の響きにうっとりしました。
 2曲目は、ソプラノの風間さんとリコーダーの柴田さんが加わってのモンテクレールのカンタータが演奏されました。特徴あるソフトなソプラノの歌声とリコーダーの素朴な調べが心地よかったです。
 3曲目は、リコーダーとチェンバロ、ガンバによる演奏でした。ガンバの美しい通奏低音に支えられたリコーダーの音色がからみ合い、溶け合って良かったです。

 休憩時間に通路を挟んだ席にいる旧友を発見。久しぶりの再開をすることができてしばしの談笑。ロビーに出てこられた主催者の友人とも言葉を交わすことができました。

 後半は、リコーダーとヴァイオリンの庄司さんが加わって、クープランの組曲集「諸国民」から組曲「スペイン人」が演奏されました。個人的には、これが今日のプログラムでは一番楽しめたように思いました。各奏者ともに、音が美しく、絶妙なアンサンブルを聴かせてくれました。ここでもガンバが美しい響きで音楽を支えていたように感じました。庄司さんはいろんなコンサートでお目にかかりますが、その活発な活躍ぶりには敬意を表したいと思います。
 アンコールは、ソプラノの風間さんも加わって、全員によりラモーの曲が演奏されました。最後を飾るにふさわしい熱演に、会場を沸かせました。

 古楽・バロック音楽に親しみのない私ではありましたが、楽しく聴くことができ、視野が広がったように思います。新潟は古楽の活動が盛んであり、様々な活動が行われていますが、プロジェクト・リュリの皆さんの活動も素晴らしいと思います。佐野さん、中山さんとも音楽が専門というわけでもないのに、プロ奏者といって良いほどの実力と実績があり、驚くばかりです。
 プロジェクト・リュリは、クープランの「王宮のコンセール」の第1番から第4番、組曲集「諸国民」の4曲、ラモーの「クラブサンコンセール」5曲の全曲演奏を数年かけて挑んでいるそうです。今後の益々の活躍を祈念したいと思います。

 賑やかなオーケストラ作品が好きな私でありますが、今後は古楽・バロック音楽にも守備範囲を広げなければなりません。もう少しましな感想を書けるよう勉強せねば・・・。

 実は、最近 BAROQUE MASTERWORKS なるボックスセットを買っていたので調べてみたら、ちゃんとクープランの王宮のコンセール(CONCERTS ROYAUX)のCDが入っていました。今日のコンサートとは楽器の編成が違っていて、印象がちょっと違いましたが、なかなかいい曲ですね。
 

(客席:I−8、全席自由:1000円)