横浜バロック室内合奏団 第46回定期演奏会
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2008年5月16日(金) 19:00  横浜みなとみらいホール 小ホール
 
 
 

 
テレマン:「ガリバー組曲」 弦楽合奏版
     1.序曲  
     2.小人のシャコンヌ  
     3.巨人のジーク  
     4.空飛ぶ島ラピュータの人々とお供のたたき役の夢想曲 
     5.賢いフィヌム人のムーレと野蛮なヤフーの乱舞

C.P.E.バッハ:チェロ協奏曲イ短調 Wq.170 (Vc:村中俊之)

(休憩15分)

J.S.バッハ:チェンバロ協奏曲第2番ホ長調 BWV1053 
                            (Chem:平野智美)

J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV1049
             (Fl:高野成之、重見佳奈、Vn:小笠原伸子)

(アンコール)
グリエルムス:バッサカスティーリア

 
 

 仕事で横浜に行ってきました。出張先はみなとみらいのパシフィコ横浜。真向かいに、みなとみらいホールがあります。せっかくなので、夜の公演がないかと調べたら、このコンサートがあったので聴いてきました。横浜バロック室内合奏団は今回まで全く知りませんでした。かつて神奈川フィルのコンサートミストレスを務められた小笠原伸子さんが中心となって、1991年に結成されたんだそうです。年4回の定期演奏家のほか、年間50回以上のコンサートをされているそうです。

 小ホールは5階にあります。440席のシューボックス型のホールで、木の色が美しく、落ち着きがあり、見上げるとシャンデリアが豪華さを醸し出しています。椅子は座面が前にスライドするのが面白いですが、だからといって座り心地がいいわけでもありませんが。客席は若干の空席がありますが、かなりの盛況です。

 開演の合図が銅鑼の音というのはいかにも横浜らしいです。奏者が入場して開演です。編成は左からヴァイオリンが2+2人、中央にチェロ2人、右にヴィオラ2人、右端にコントラバス、中央奥にチェンバロと、全部で10人の編成で、男性2人(CbとVc)、女性8人でした。女性方はそれぞれ別色のドレスで、大変カラフルです。
 1曲目はテレマンの「ガリバー組曲」。全く知らない曲です。「ガリバー旅行記」を題材として、ヴァイオリン二重奏のために書かれた曲ですが、今回はチェロの村中さんの編曲による弦楽合奏版です。短い曲で、あっけなく終わってしまいましたが、楽しめました。
 2曲目は村中さんの独奏によるチェロ協奏曲です。なかなかの大曲ですが、村中さんがすばらしい演奏をしてくれました。一見するとイケメンの若い青年ですが、イタリア留学もした俊英で、演奏技術はたいしたものです。カデンツアも彼自身のものだそうです。聴き応えのある曲であり、演奏でした。

 休憩後の後半はおなじみのJ.S.バッハの曲です。最初は平野さんの独奏によるチェンバロ協奏曲です。容姿さながらのチャーミングで明るく、爽やかな演奏でした。
 続いて私もよく聴くブランデンブルク協奏曲第4番。フルートの2人が加わり、小笠原さんも中央に出ての演奏です。これがまた明るく爽やか。フルートの音色が柔らかにからみ合い、弦楽合奏がそれを支えます。演奏技術もすばらしく、耳に心地よく響きます。いい演奏を聴かせてもらいました。
 アンコールは名前も聞いたことのない曲ですが、踊りたくなるようなワクワクするような曲で、ここでもチェロの村中さんが超絶的な独奏を入れてくれて、大変な盛り上がりでした。

 正直言えば、あまり期待しないで臨んだコンサートでしたが、うれしい誤算であり、すばらしい演奏に心もウキウキでした。それぞれ十分なキャリアを積まれた方々ですが、若さを感じる軽快な明るいサウンドが印象的でした。特に村中さんには驚きでした。また、女性方の美しさにも感動しました。容姿端麗、ヴィジュアル的にも高水準です。もっともっとメジャーに活躍できる高水準な団体だと思います。バロックの作曲家の作品の発掘と紹介に力を入れており、地域に根ざした活動をして、地元横浜では知られた存在のようです。また機会があったら是非聴いてみたいと感じました。

 さらに驚きは終演後のワインパーティー。無料ですが、ステージ衣装のままの出演者とワインを飲みながら歓談できるのです。美しいステージ姿の奏者と直に接して、美しさを再認識しました。肩を大きく出したドレス姿の美女を前に、純情な私は胸がドキドキ。こういう趣向はいいですね。

  

(客席:13-1、\3000)