山本真希 オルガンリサイタルシリーズ
グレツィングオルガンの魅力 No.3  オルガン・ソナタ
             
「バッハのトリオ・ソナタから珍しいオルガンとピアノのソナタまで」
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2007年9月22日(土) 17:00 新潟市芸術文化会館 コンサートホール
 
パイプオルガン:山本真希
 
 
C.P.E.バッハ:オルガン・ソナタ ト短調 Wq.70/6
J.S.バッハ:トリオ・ソナタ 第1番 変ホ長調 BWV 525
メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op.65/1

(休憩20分)

ラウクヴィック:オルガンとピアノのためのソナタ (ピアノ:園田文子)
ロイプケ:オルガン・ソナタ ハ短調 詩篇94番

(アンコール)
ヒンデミット:オルガン・ソナタ 第3番より第3楽章 (ピアノ:園田文子)

 
 

 土曜日の夕方、仕事を終えて駆けつけたら開演間近。急いで当日券を買い求めて入場しました。実は今日はどうしようかと迷っていました。先週末は連日の「りゅーとぴあ」詣で。さすがに疲れてしまいましたし、ほかの活動ができませんでした。明日もコンサート予定があり、チケットを買っていなかった今日はパスしようかと考えていました。しかし、心身のストレスがたまって、解消しないと破綻しそうです。こんな時は温泉に行くのが常なのですが、さすがに芸術の秋。音楽で気分転換を図ることにしました。我ながら文化的ですね。実は山本さんファンなのですけど。
 この山本真希さんのリサイタルシリーズは今回が3回目になります。「りゅーとぴあ」が誇るスペイン製のグレンツィングオルガンの魅力を伝えようというもので、前回は6月に「フランスのオルガン音楽」と題して公演され、感動を与えてくれました。今回も期待が持てます。この土曜の5時というのも行きやすくていいですね。

 さて、トイレに行く間もなく入場すると会場はほどほどの入り。中央は混み合っていますが、サイド側は余裕があり、ゆったりと鑑賞できるのはありがたいです。
 本日の公演のタイトルは「オルガン・ソナタ」です。バロック、古典派、ロマン派、そして20世紀の4つの時代の作品が紹介されました。前半はおなじみの作曲家ですが、後半は初めて聞く名前です。いずれの曲も初めてです。したがって演奏の良否は判断できませんが、飽きることなく興味深く聴くことができました。特に、後半に演奏された現代曲の「オルガンとピアノのためのソナタ」は珍しい組み合わせで、大変興味深く思われました。オルガンの演奏席とステージ上のピアノとは距離がある上に背中合わせなので、合わせるのが大変だろうなあと思います。ピアノにはマイクが設置されていて、ピアノの横にスピーカーが設置されていたので、この辺に工夫があるのだろうと思います。ピアノは山本さんの友人という園田さんでした。黒い衣装の山本さんと対称的に、水色のドレスが目に鮮やかでした。山本さんの意欲が伝わるすばらしい選曲、演奏だったと思います。最後のロイプケの曲も聴き応えがありました。聞いたことがない名前なので現代の作曲家と思ったのですが、19世紀の作曲家なんですね。

 カーテンコールに応えて、山本さんの挨拶がありました。生の声が聞けて、好感度はますますアップします。歴代の(と言っても3人目ですが)専属オルガニストにない親近感を感じます。
 アンコールは再び園田さんも登場してヒンデミットのソナタが演奏されました。これもまたすばらしい演奏で、もっと聴きたい気がしましたが、お開きになってしまいました。あっという間の2時間。何かまだまだ聴き足りないような感慨すら覚えました。

 外に出るとさすがにお彼岸です。昼間の暑さをよそに、過ごしやすい気温になっていました。残暑もこれでおしまいかなあ・・・。
 

(客席:2階C5-3、会員割引¥1350)