シリウス室内管弦楽団長岡演奏会
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2007年8月5日(日) 14:00  長岡リリックホール・コンサートホール
 
コンサートマスター/ソロヴァイオリン:三溝健一
ソロヴィオラ:大庫るい
 

  
ロッシーニ:歌劇「アルジェのイタリア女」序曲

モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.365(320d)

(休憩20分)

(中越沖地震追悼演奏)バーバー:弦楽のためのアダージョ

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92

(アンコール)
グリーグ:すぎにし春

 
 

 指揮者を置かない室内管弦楽団の旗揚げ公演とういうことで、長岡まで繰り出しました。長岡というと新潟市内からは遠く感じるかもしれませんが、実は海岸部では接していて、隣町なのです。
 新潟市西部の私の家からだと、国道116号線寺泊から信濃川沿いに与板に抜け、高域農道1号線を進むとあっという間にリリックホール近くの交差点に出ます。北陸道で行くより安いし、時間的にもたいして違いません。11時半に家を出て、途中でラーメンを食べたというのに1時に着いてしまいました。情報ラウンジで音楽雑誌を読んで時間をつぶし、開場を待ちました。

 さて、開演時間になりましたが、残念ながら客席は空席が目立ち、700人のホールに100〜200人程度の入りでしょうか。おかげでゆったりと聴くことができました。

 最初はロッシーニの序曲。軽快な演奏で、アンサンブルもなかなかで、指揮者なしを感じさせませんでした。オーボエの音がどうも変に感じましたが、私の気のせいでしょうか。これはいい演奏だったと思います。

 2曲目はモーツァルトの協奏交響曲。コンマスを努める三溝さんとドレス姿が初々しい大庫さんが登場です。ヴァイオリンとヴィオラの熱演を楽しく聴きました、と書きたいところですが、睡魔に襲われて途中ウトウトしてしまいました。それだけ優しいいい演奏だったということでしょう。

 後半最初は、三溝さんの挨拶があり、先日の中越沖地震の被災者に捧げてバーバーのアダージョが演奏されました。弦のガサツキが気になりましたが、曲が曲だけに心に響きました。

 拍手なしで静寂の時間が過ぎた後、チューニングが行われ、いよいよベト7です。何だかんだで最近よく聴きます。(のだめのためかなあ・・) 先日もスペイン国立放送交響楽団で聴いたばかりですし、今朝の「題名のない音楽会」でもやってました。でも指揮者なしでのベト7は当然初めての体験です。
 さて、演奏ですが、指揮者なしの問題点が浮き出たように思います。出だしはコンマスが合図を送りますが、微妙にずれが出てしまいます。管楽器群、弦楽器群がバラバラ。音量もバラバラ。楽器のバランスは大変悪いように感じました。
 各楽器が思い思いに熱演しているのは分かりますが、総体としてのまとまりに欠けました。室内オケといっても30数人いるわけですから、これがひとつにまとまるのは大変だと思います。プロなら別ですが、アマチュアにはまとめ役がやはり必要じゃないかと思いました。これは、単に音を合わせるということだけでなく、曲の解釈も含めての話です。
 このように、まとまり、音のバランスの悪さはありましたが、大変な熱演だったと思いました。第3楽章、第4楽章の躍動感はすばらしかったです。指揮者なしであれほどの演奏ができるのは驚きでしたが、指揮者がいたらもっともっと良かったんじゃないかという思いも感じました。

 アンコールは弦楽だけでグリーグを演奏して終了しました。指揮者がいないことの問題点を感じましたが、いないからこそ熱演ができたのかも知れません。
 これにはそれぞれの好みもありましょう。もっとも今回が初めてのコンサートだったわけですから、これからどのように発展していくのか楽しみにしたいと思います。
 新潟に新しいオーケストラができたことは大きな喜びです。オーケストラは地域の宝。みんなで応援しましょう。
 

(客席:11-19、全席自由:500円)