東京交響楽団 第42回新潟定期演奏会
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2007年7月15日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館コンサートホール
 
指揮:ユベール・スダーン
ピアノ:伊藤 恵
コンサートマスター:グレブ・ニキティン
 
 
ハイドン:交響曲第1番 ニ長調

シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54  

(休憩20分)

ベートーヴェン:交響曲第4番 変ロ長調 作品60

(アンコール)
シューベルト:「ロザムンデ」間奏曲

 
 

 半月振りのコンサートですが、随分久しぶりのような気がします。実は今月初めに葉加瀬太郎のコンサートに行くはずだったのですが、仕事で行けませんでした。すぐに完売になる人気コンサートでしたが、チケットを無駄にして残念でした。こういうことはたまにありますが、仕方ないですね。

 さて、今日は連休の日曜日。大型台風が襲来して沖縄・九州を中心に甚大な被害をもたらし、ちょうど午後に新潟最接近の予報が出ていたのでどうなるか心配していたのですが、直接の影響を受けなくて良かったです。4時過ぎにりゅーとぴあに向かったら、駐車場は満車。いろいろ催し物があって混雑していたようです。仕方なく某所に駐車し、りゅーとぴあに赴きました。天候も回復し、雨にも当たらず、ちょっと湿度は高かったですが暑すぎることもなく過ごしやすい天候になりました。
 本日の客の入りは先回ほどではありませんが良いようでした。9割方は埋まっていました。私の隣の席は空いていて、ゆったりと鑑賞できて幸運でした。

 1曲目はハイドンの1番。初めて聴く曲です。オケの編成は小さく、弦5部は6-6-5-3-1の編成です。中央にはチェンバロが置かれ、指揮台なしでした。今日のコンマスは久しぶりのニキティンさんです。
 演奏は颯爽としたリズミカルな演奏で、大変良かったです。ハイドンの初期の交響曲は聴いたこともなく、聴きたいと思うこともなかったのですが、こんなにいい曲とはビックリでした。スダーンは順次定期演奏会でハイドンを取り上げていくようであり、さらに聴きたいところですが、新潟定期では取り上げられないのが残念です。

 ステージが網様替えされ、2曲目はシューマンです。伊藤さんの演奏は初めて聴きますが、たいへん立派な演奏でした。個性的な面白みはありませんが、女性らしい優しさを感じる演奏でした。欲をいえば、もっと力強さ、ダイナミックさが欲しかったように思いますが、これはこれですばらしかったと思います。もっと良かったのは東響の演奏。スダーンのサポートがすばらしく、名演を演出してくれました。

 休憩ののち、後半はベートーヴェンの4番です。「英雄」と「運命」に挟まれて目立たず、地味な印象があり、演奏される機会も少ないですが、すばらしい演奏でした。堂々として大曲の風格を感じさせ、この曲の良さを再認識させてくれました。踊るような颯爽とした演奏で、精神的高揚を与えてくれました。
 この曲がこんなにも興奮をもたらしてくれるなんて驚きです。まるで7番でも聴くような感じです。キビキビしたスダーンの指揮ぶり。これに一糸乱れずに呼応する東響のアンサンブルのすばらしさ。集中力は大したもの。スダーンと東響の関係も円熟してきたようです。これまでの東響定期のなかでも屈指の名演だったと思います。ブラボーの声が掛かり、ホールの盛り上がりもすばらしかったです。

 アンコールは「ロザムンデ」間奏曲。これがまたいい演奏。ニキティンさんのソロも光っていました。大曲はなく、曲目的には地味な演目でしたが、こんなにも満足感を与えてくれるなんて、大きな誤算でした。ますます東響が好きになり、新潟定期の有り難みを実感しました。次は9月。大友のブルックナーが楽しみです。
 

(客席:2階C5-35、S席:定期会員 5000円)