東京交響楽団 第29回新潟定期演奏会
  ←前  次→
2004年12月5日 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:秋山和慶
ヴァイオリン:五明佳廉
 
〜年忘れお楽しみシリーズ〜  星条旗からのメッセージ

バーンスタイン:「キャンディード」序曲

コルンコルド:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35

(休憩20分)

ジョン・ウィリアムズの世界
   コール・オブ・ザ・チャンピオンズ(ソルトレイクシティ冬季オリンピックテーマ)
   7月4日に生まれて(トランペット:アントニオ・マルティ)
   「ハリー・ポッターと秘密の部屋」組曲
   シンドラーのリスト(ヴァイオリン:グレブ・ニキティン)
   スター・ウォーズ「帝国の逆襲」交響組曲

(アンコール)
ETのテーマ
インディ・ジョーンズのテーマ

 
 
 

 今度家を引っ越すことになって、引っ越し準備であわただしい中、今回はキャンセルしようかと思ったのですが、何とか行くことができました。白山公園の駐車場は満車。市役所の駐車場に駐めてりゅーとぴあへ猛ダッシュ。運動不足がたたって息も絶え絶え、何とか開演に間に合いました。

 さて、今回はアメリカ関連の音楽。年末恒例のお楽しみコンサートです。昨年はスウィングル・シンガーズとの共演で大いに楽しませてもらいました。今回は後半のジョン・ウィリアムズが楽しみです。

 こういう企画の最初の曲として「キャンディード」はうってつけです。ブロードウェイの華やかな雰囲気を醸し出し、気分を盛り上げました。
 続いてはコルンコルド。全く初めての曲で、前衛的で聴きにくい曲かと心配しましたが、哀愁漂うロマンチックな旋律は心を癒しました。コルンコルドはオーストリアの生まれですが、ハリウッドで映画音楽の作曲で活躍した人とのこと。なかなかいい曲で好きになってしまいました。独奏の五明さんは全くの予備知識なしです。東京生まれではありますが2歳でモントリオールに渡り、その後カナダやアメリカで活躍しているらしいです。まだ22歳といいますが、ピンクの模様が鮮やかな黒いドレス姿が艶めかしく、風格漂う堂々たる体格、いや演奏でした。このところ若い日本人バイオリニストの活躍が目立ちますが、その中でいかに個性を発揮していくか、今後の活躍に期待したいです。

 後半はいよいよジョン・ウィリアムズ。こういうポップスコンサートを是非やってほしいとアンケートがある度に記載してきましたが、堅苦しくないこういう曲も時にはいいものです。パイプオルガンがライトアップされて雰囲気を盛り上げます。大いに遊び、大いに楽しませてほしかったですが、さすがに定期演奏会。選曲も渋く、節度を保った演奏でした。逆に遊び心が中途半端で、楽しさに乏しく、もの足りなさを感じないでもなかったですが、こういう企画は大いに歓迎します。私にとって音楽は第一に娯楽ですので。

 ということで、それなりに楽しいコンサートでした。定期演奏会以外に、ポップスコンサートやファミリーコンサートをどんどんやってほしいなあ・・・。定期は家族連れじゃ来にくいですしね。
 

(客席:2階Cブロック*−*)
 

 さて、来年度の新潟定期の曲目が発表されました。5月は秋山さんの指揮でバルトーク特集(ヴァイオリン協奏曲第1番、ヴィオラ協奏曲、管弦楽のための協奏曲)。7月は飯森さんでマーラー9番とバッハのチェンバロ協奏曲第3番(ピアノ版、Pf:小山実稚恵)。10月はミッコ・フランクでシベリウスのヴァイオリン協奏曲(Vn:スクライド)とストラヴィンスキー「火の鳥」ほか。12月は、大友さんで何とヘンデルの「メサイア」。そして、2006年2月はスダーンでモーツァルトの交響曲29番、39番とヴァイオリン協奏曲5番(Vn:グリンゴルツ)。
 サントリー定期から、桂冠指揮者、音楽監督、常任指揮者、正指揮者のそれぞれ1公演と客演指揮者1公演を選んだ形になっています。
 個人的には、サントリー11月定期のスダーンによるブルックナー8番、12月定期の秋山さんとファジル・サイの共演を聴いてみたいのですが。東響の2005年度のプログラムを眺めてみますと、東響コーラスの活用も考えると新潟定期の選曲はああなってしまうのも仕方ないように思えます。
 それにしましても、東響は、サントリー定期、川崎定期、東京芸術劇場シリーズ、オペラシティーシリーズとお忙しいですね。10月、2月は、川崎、サントリー、新潟と3日間連続公演になります。川崎がフランチャイズになって、新潟との関係が希薄にならないよう期待したいです。