狩野泰一、ジャン・シャオチン デュオコンサート 大和篠笛と中国古箏の出会い
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2002年10月24日 長岡リリックホール シアター
 
篠笛:狩野泰一
古箏:姜小青
 

 1.津軽山唄(民謡):狩野泰一(篠笛)
 2.朱鷺(作曲:狩野泰一):狩野泰一(篠笛)
 3.太湖船(中国民謡)〜ゆりかごの歌(作曲:草川信作):姜小青(
古箏)、狩野泰一(篠笛)
 4.ラストエンペラー(作曲:坂本龍一):姜小青(
古箏)、狩野泰一(篠笛)
 5.豊収鑼鼓(作曲:李祖基):姜小青(
古箏)、狩野泰一(パーカッション)
 6.ティアーズ・オブ・ザ・ムーン / 月の涙(作曲:城之内ミサ):姜小青(
古箏)、狩野泰一(パーカッション)

(休憩10分)

 7.戦台風(作曲:王昌元):姜小青(古箏
 8.風のように(作曲:姜小青):姜小青(
古箏
 9.草原情歌(中国青海民謡):姜小青(
古箏)、狩野泰一(篠笛)
10.浜辺の歌(作曲:成田為三):姜小青(
古箏)、狩野泰一(篠笛)
11.可憐(作曲:狩野泰一):姜小青(
古箏)、狩野泰一(篠笛、パーカッション)
12.ムカム散序与舞曲(作曲:周吉・邵光深・李攻):姜小青(
古箏)、狩野泰一(パーカッション)

(アンコ−ル)
佐渡おけさ:姜小青(
古箏)、狩野泰一(篠笛、唄)

 

 
 

 本業多忙で慌ただしい日々が続いていました。こんなにいろんな事が、予期せぬ事が起こることも珍しいです。予定は全てチャラ。トヨタ・マスタープレイヤーズ・ウイーンも行けずじまい。マイスキーには行く気力はなかったです。今週末の東響定期も仕事で行けないことが確定。と、精神的におかしくなりそうです。
 自分を見失いそうな日々でしたが、ふと音楽を聴きたくなりました。自分のホームページで確かめてみましたら、長岡でこのコンサートがあります。ホールに電話してみたら、当日券もあるとのこと。
 ということで、長岡への峠道を車を進めました。途中、例の北朝鮮拉致事件で有名になった人の家の近くを通り、マスコミの中継車などがあって渋滞気味でしたが、ちょうどいい時間に会場に着きました。

 今日の公演はコンサートホールではなくてシアターです。自由席であり、いい場所は人で埋まっていましたので、やや後ろの席でガマン。会場はさすがに若い人はおらず、中年以降の人達でほぼ満員の盛況です。

 会場の照明が落とされ、客席の中を紋付き袴の狩野さんが篠笛を吹きながら登場。静寂の中に響く篠笛の音が心を洗います。これからのコンサートがすばらしいものになる予感を抱かせました。
 2曲目も狩野さんの篠笛独奏で技巧的なすばらしい演奏に驚きました。3曲目に姜小青(ジャン・シャオチン)登場。白いチャイナドレスが愛らしく、そのチャーミングな容姿にまず驚きました。以後、狩野さんと姜小青の共演が続きました。

 当初の予想に反し、狩野さんのくだけたトークが会場を沸かせましたが、ちょっとふざけすぎの感もあります。しかし、演奏そのものはすばらしかったです。狩野さんは篠笛だけでなくパーカッションでも活躍。

 さて、狩野さんは長く鼓童のメンバーとして活躍していましたが独立し、佐渡を拠点に国際的な活動をしているとのことです。一方、姜小青は北京出身で、映画「ラストエンペラー」のサウンドトラックに参加したり、サントリーの烏龍茶のCMなどで知られた人。演奏がすばらしいのは言うまでもないですが、絶世の美女です。

 後半は、姜小青は真っ赤な生地に牡丹が描かれたチャイナドレスで登場し妖艶さに目がくらみました。姜小青の独奏2曲の後は狩野さんとのトークを交えながら演奏が進み、あっという間にコンサートは終了しました。アンコールの佐渡おけさで賑やかに閉会。
 演奏はすばらしいので、下らないトークは不要に思えましたが、気楽に音楽を楽しむにはよかったです。小さいホールなので、アンプは使わないで生の音で勝負してもらいたかったようにも思いました。

 振り返って、姜小青の演奏と即興の狩野さんのパーカッションが噛み合わない場面も多々あり、若干のもの足りなさを感じましたが、容姿端麗な姜小青を見ているだけで幸せ気分でした。
 そして、集まった客の質の高さにも驚きました。手拍子などで盛り上がるときは盛り上がりますが、曲を聴くべきときの集中は、東響定期に集まる人より上ではないかと感じました。

 CDを買った人にはサイン会が催されましたが、帰宅を急ぐため、後ろ髪を引かれながら柏崎への峠道を急ぎました。姜小青と握手でもすれば良かったと今さらながら悔やんでいます。
 

(客席:13−21)