東京交響楽団 第10回新潟定期演奏会
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2001年2月18日 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:アントニオ・ピロッリ
ヴァイオリン:エリザベス・バティアシュヴィリ
 

ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲

プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 作品19 (Vn:エリザベス・バティアシュヴィリ)

(休憩20分)

チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 作品64

(アンコール)
プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」間奏曲

 

 
 

 楽しみにしていたミッコ・フランクは急病で来日中止。急遽指揮者交代となり、曲目も変更されてしまいました。フィンランド出身のミッコ・フランクが指揮する同じフィンランドの大作曲家シベリウスの交響詩「エンサガ」、そして若さの爆発を期待したチャイコフスキーの4番・・。急病とあらば仕方ありません。またの機会を待つことにしましょう。 代役のピロッリは、イタリアの指揮者で、オペラの指揮で活躍しているらしいです。東響とは新国立劇場で指揮しています。その縁で急遽代役を頼まれたのでしょうか。かなり急な話ですので、曲目変更も仕方ないでしょう。

 さて、日曜日の午後、5時の開演ですが、早めに会場に赴き、コンサートのチラシなど眺めていました。いつも開演ギリギリで気づかなかったのかも知れないですが、開場の時に、ファンファーレの生演奏があり雰囲気を盛り上げてくれて感激。なお、午後にはロビーで無料の室内楽演奏もあるのですが、これは聴いたことがありません。客席は8分程度の入りでしょうか。でもS席は満席の盛況。東響定期は3ヶ月ぶりです。

 1曲目は、曲目変更されて「運命の力」。ピロッリはイタリア・オペラは得意のはずで、手慣れた指揮ぶりです。そして、2曲目はプロコフィエフ。ヴァイオリンのバティアシュヴィリはグルジア出身の21歳。ミッコ・フランクとは同い年。共演できていたらいいのになあ・・、と改めて残念に思いました。でも、ピロッリの指揮もなかなかのもので、ヴァイオリンの音色もしっとりと柔らかです。プロコフィエフは嫌いで、何度聴いてもなじめないのですが、抒情的な雰囲気を楽しむことができました。

 後半はチャイコフスキーの5番。個人的には4番の方が好きなので、曲目変更して欲しくなかったです。出だしはかなりゆっくりした演奏。ありゃまあ・・、緊張の糸が切れそう。感情のうねりは感じられません。ゲルギエフのCDを聴きすぎたためか、魂を揺さぶられるような精神の高揚は得られなかったですが、終楽章は盛り上げてくれて、感動を与えてくれました。会場は熱狂的な拍手。
 アンコールは、プッチーニ。情感あふれるきれいなサウンド。この曲は、ついこの間、オペラガラで新潟交響楽団の演奏を聴いたばかり。さすが東響の音は違いますが、潟響もいい演奏をしていたんだと改めて実感しました。

 突然の指揮者、演目の変更であったが、それなりに楽しめたので、良しとしましょう。
 

(2階Cブロック右)