東京交響楽団 第9回新潟定期演奏会
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2000年11月12日 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
フルート:エマニュエル・パユ
 
ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容

モーツァルト:フルート協奏曲第1番ト長調 K.313 (フルート:エマニュエル・パユ)

(アンコール) ド
ビュッシー:シリンクス
アンダーセン:練習曲 作品15-3

(休憩20分)

ショスタコーヴィチ:交響曲第6番 ロ短調 作品54

(アンコール)
ステンハンマル:カンタータ「歌」間奏曲

 
 
 
 先回の定期演奏会(ベートーヴェン:ミサ・ソレムニス)は仕事で聴けませんでしたたので、東響定期は久し振りになります。夕方5時の開演ですので、日は短くなったものの外はまだ明るいです。白山公園の木々の紅葉が美しいです。七五三の家族もチラホラ。

 今日は、パユが目玉でしょうか。新潟は小出に来たことがあったはずですが、新潟市は初めての来演だろうと思います。13日は公開レッスンも予定されています。
 今回の定期は、社会主義リアリズムとの葛藤という副題が付けられていますが、モーツァルトはどういう関係なんでしょうか。曲を聴くのに能書きをたれて難しく考えることもあるまいと思います。

 1曲目はヒンデミット。ヒンデミットとしてはポピュラーな作品だそうですが、私は初めて聴く曲。4楽章からなるシンフォニーみたいな曲。第3楽章が美しいです。意外に聴きやすい曲でした

 2曲目はいよいよパユによるモーツァルトです。さすが現代屈指のフルート吹き。流麗に音楽が流れます。大したもんだとは思いましたが、それ以上の感慨はなし。会場は盛り上がり、カーテンコールが収まらず、アンコールを2曲サービス。最後はコンマスの大谷の手を引いて退場し休憩に入りました。

 後半はショスタコーヴィチ。6月の定期は5番でしたので、連続してシンフォニーを聴くことになります。6番はあらたまって聴いたことがありません。3楽章からなるのですが、いきなり緩徐楽章から始まり、暗く重苦しい曲です。弦の調べは、切なさと苦悩に満ちたショスタコ節。最後はウァーと盛り上がってスカッと終了。こういう機会でもなければ聴くような曲じゃないですが、なかなか楽しめました。

 アンコールは抒情的な美しい曲です。東響の弦が美しいです。どこかで聴いたような、心に迫るメロディー。ヒーリング音楽としてもいいような曲です。名前を聞いても知らない曲なのですが、うっとり聴き入ってしまいました。

 日頃聴くことが少ない曲を聴けるのが定期公演の良さです。いわゆる名曲以外のいろんな曲を体験できてありがたいです。次回はあの最年少指揮者ミッコ・フランク登場。また、来年の定期には、マーラーの大地の歌や千人の交響曲が予定されています。楽しみは続きます。