映画「ピアノの森」を見てきました。一色まことの人気マンガの映画化です。「のだめ」に代表されるように、最近音楽マンガがブームになっています。「のだめ」はTVでの実写版ドラマが良いできでしたが、アニメ版はイマイチ。今春「神童」が実写版で映画化されましたが、原作の良さが失われていてガッカリでした。今回の「ピアノの森」はいかにと期待しました。
物語は、ピアニストを父に持ち、自分もピアニストをめざして練習に励む雨宮修平と森の中に捨てられたピアノを弾いて育った一ノ瀬海(カイ)との出会いから話が展開します。原作はヤングマガジンアッパーズ(現在はモーニング)に連載されていて、子供向きじゃない表現も出てくるのですが、映画化ではその辺がソフトに描かれています。しかし、原作の良さが十分に表現されていて、大人の鑑賞に堪える良くできたアニメと言えます。音楽アドバイザー、ピアノ演奏は何とアシュケナージ。オーケストラ演奏はチェコフィルです。アニメの音楽にこれだけ力を入れているとは驚きです。ただし、声優に芸能人を起用したのは疑問に感じ、特に主人公「カイ」を演じる上戸彩はしっくりこないように思いました。とは言え、十分満足できる映画であり、原作のすばらしさを実感させました。登場人物では「カイ」の母・玲子が何とも魅力的でゾクッとしてしまいました。
映画では学生ピアノコンクール出場までですが、原作はまだまだ続いており、現在はショパンコンクールに挑戦中です。続編が早くも楽しみです。制作に日本テレビが関わっているようですので、いずれテレビ放映されるでしょう。
なお、ピアノコンクールの課題曲が原作ではモーツァルトのK280(ピアノソナタ第2番)ですが、映画ではK310(第8番)になってました。アシュケナージの意見なんでしょうか。
さて、音楽マンガはいろいろありますが、次はさそうあきらの「マエストロ」の映画化に期待したいと思います。
2007/8/5 |