サンタナの思い出


 中学を卒業し、私は新潟高校に入学した。毎年6月に「青陵祭」という体育祭が開かれていた。長い伝統のある行事であり、力の入れ様は並大抵ではなかった。各学年10クラスあったが、各学年の同じクラスがひとつになって(1連合ー10連合)、競技、応援に順位を競った。優勝すると一人10個のアンパンがもらえるというのが売り物だった。
 さて、この青陵祭の応援は、声を振り絞る「5分応援」とテーマを決めて仮装し、音楽に合わせて踊り、演技する「10分応援」とがあった。このときどこかの連合の応援に、何ともファンキーな音楽が流れ、魂を踊らせるようなリズムが耳から離れなかった。いったい何という曲なのかと気にかけていたのだが、後になってそれはサンタナの「僕のリズムを聞いとくれ」であった。
 その後レコードを買うことになったのだが、たまたまレコード店の福引で当たって、サンタナのコンサートのチケットを貰うことになったのである。田舎者の私はコンサートは始めて。どきどきしながら会場の新潟県民会館に足を運んだ。
 当時のサンタナは宗教に傾倒しており、香がたかれ、黙祷からコンサートが開始された。しかし熱気はすさまじく、ラテンのリズムが燃え上がっていた。観客は立ち上がり声援を送っていた。(コンサートの概要はロータスの伝説というライブ・アルバムで聞くことができる)
 以後サンタナファンとしてその後何度かコンサートを聞きにいっている。ステージ前で騒ぎ踊っていたなどと、すっかりジイイになった私から誰も想像してくれまい。


おすすめCD

1.ロータスの伝説
  日本でのライブ録音。スタジオ録音にはない熱気がある。
  その後もライブ盤はあるが、これがベスト。
  LPの時代3枚組で横尾忠則の幻想的イラストで話題になった。
  CDでは2枚組となっている。

2.キャラバンサライ
  アルバムとしては一番できがよい。