2000年 片貝まつりを振り返って

下端しか見えない3尺玉(2000.9.9)


 今年も片貝まつりが終わってしまいました。これが終わると、いよいよ収穫の秋を迎えます。今年は、9月9日、10日がちょうど土曜、日曜に当たって、良くもあり、悪くもあり。行きやすい分、混雑も相当でした。天候には恵まれず、せっかくの花火を十分鑑賞することはできませんでした。毎年この時期は不順なことが多く、雨降りも度々です。雲の中の4尺玉も何度か見ました。大雨でも延期されることのない片貝町民の心意気には感銘します。

 さて、今年は9日の土曜日だけ見に行きました。さすが土曜日、7時半過ぎに片貝に行ったら大渋滞で、車は先に進めません。夕食をのんびり食べ過ぎて、到着が遅れてしまったのです。混むことは承知していたのですが、予想以上の混み方でした。先へ進むのは困難であるし、雲行きも怪しげなので、関越道手前でUターンし、車を国道方面に向け路肩に駐車して鑑賞です。今日は子連れであり、帰りも心配なので、ちょっと離れているけど、ここで我慢することにしました。神社まで行くのは困難ですが仕方ありません。奉納のアナウンスは聞こえないので、番付表を見て心の準備です。


 初めはどうにか花火がきれいに見えていましたが、次第に低く雲がたれ込めて、やがて尺玉は上半分が雲の中というありさまです。せっかくの花火が全部見えないのは何とも残念です。3尺玉も雲の中。音だけは楽しめましたが、全貌を確かめることはできませんでした。遠くから聞こえていた稲妻、雷鳴もだんだん近づいてきます。この分じゃ、4尺玉まで持ちそうにありません。せめて還暦の花火までなんとか天候が持ちこたえてくれと天に祈りました。しかし、雷鳴は賑やか。稲妻の光と花火の競演です。打ち上げ続ける2尺、3尺は雲の中。尺玉、スターマインもほとんど雲隠れです。もったいないなあと思わず溜息が出ます。

 ところが、9時半の還暦の花火の時は、何故か雲が薄くなり、花火が見えるようになりました。天も還暦を祝ってくれたのでしょう。還暦の花火は、お決まりの金色一色の花火です。これぞ片貝、還暦の華。これでもかという位に上がる金冠尺玉の光の洪水です。個人の尺玉同時打ち上げが多数あるので、今年はすごいらしいという噂を聞いていたのですが、少しあっけなかったようにも感じました。しかし、これを見ないことには片貝に来た甲斐がありません。個人的意見ですが、片貝花火の神髄は、4尺玉ではなく、還暦の花火、そして同期会の旅立ちを飾る成人の花火でないかと常々考えています。カラフルな成人に比して、還暦は金色一色。人生のクライマックスを祝うにふさわしいものでしょう。今年もすばらしい花火を見せていただき、陰ながら還暦を祝わせていただきました。
 打ち上げが終わると雨粒が落ち始め、車に駆け込みました。4尺まで頑張ろうかと思いましたが、今日は家族で来ていたので、多数決で帰宅することになりました。駐車の場所、方向には気を遣っていましたから、帰りはスムーズでした。車列がとぎれたあたりに駐車し、しばし車窓から花火を見ていましたが、本格的な土砂降りとなり、退散しました。10時過ぎに大きな音が聞こえたので、4尺は成功したんだろうと想像しつつ越路橋を渡りました。

 今年は2日間で、4尺玉2発、3尺玉9発、2尺玉3発という豪華さでした。両日とも、8時30分、9時、9時15分、9時45分に3尺玉が、そして10時に4尺玉が上がりました。9日は他に2尺玉が3発上がり、10日の昼の2時に真昼の3尺玉というプログラム構成でした。人生の節目に上げる片貝中学校同期会の花火は、9日夜に33歳厄年満願と還暦の大スターマイン、10日昼に古希の3尺玉、夜に50歳、42歳厄年満願、そして成人の大スターマインが打ち上げられました。同期会が10日に集中した分、9日に2尺玉を配して、バランスをとったのでしょうか。そして、毎年楽しい花火を奉納してくださる麒麟倶楽部の皆さんの花火も10日でした。また今年の特徴としては、個人で3尺玉などの大型花火を奉納した人が複数いたということです。景気が上向いたということでしょうか。
 このように例年より大玉が多かったのですが、天候は味方してくれませんでした。都合により10日は見に行くことはできませんでしたが、地元に人に伺ったら、雨模様で大変だったとのことでした。もとより奉納が目的であって、花火を上げることに意義があるのであり、きれいに開くかは二次的問題とも言えるのが片貝の特徴ですから、これはこれでいいのでしょう。しかし、どうせなら好条件で見たかったですね。10日の新潟日報朝刊には9日夜の4尺玉の写真が掲載されていました。打ち上げが成功して何よりでした。来年は天候に恵まれることを祈らずにいられません。