1998年 片貝まつりを振り返って


打ち上げに失敗した3尺玉(1998.9.9 CASIO QV-770で撮影)


  ここ数年天候に恵まれなかった片貝まつりでしたが、今年はどうにか雨に降られずにすみました。そのため人出も大変だったようです。今年の片貝まつりは、不況のためかスターマインや3尺玉の数が減っていました。単発の尺玉の数は維持されていたようですが、スターマインの中身も若干玉数が減っているように思われました。
  さて、今年の話題は、2夜連続の4尺玉打ち上げ失敗です。打ち上げられたものの上空で開かなかったというものです。(黒玉というそうです。)これまで打ち上がらないまま炸裂という失敗は数回ありますが、上がって開かない失敗は初めてです。4尺玉作製時期の長雨のため導火線が湿っていたためと釈明されています。2発同時に作製しているため、同じような不都合が生じてしまったものです。これもエルニーニョの仕業でしょうか。また、3尺玉の打ち上げ失敗もあり、呼び物の大型花火の失敗で、がっかりされた人も多かったようです。特に県外からはるばる見に来た人たちには同情します。イメージダウンにならないことを祈ります。
  また、今年の呼び物は小千谷市によるインターネット生中継でした。小さな画面でありますが画期的な試みであったと思います。何より打ち上げ案内のアナウンスが明瞭に中継され、雰囲気を高めました。このアナウンスを聞くだけで、片貝まつりの魅力の一部は理解いただけたのではないかと思います。掲示板も開設され、リアルタイムの情報交換がなされ、楽しむことができました。大型花火の打ち上げ時間帯にはアクセスが集中してつながりにくいことがありましたが、来年は改善されるものと思います。

  さてさて、現在の日本の景気みたいに失敗が目立った年で、打ち上げ失敗に対して非難の声も多かったのですが、よく考えてみれば、部外者である観光客が非難するのは的はずれです。片貝まつりの基本は奉納花火であり、個人や団体が浅原神社に奉納し、花火を「あげる」というのがその姿です。われわれ部外者はそれを見せてもらっているのであって、感謝することはあっても非難することはできません。「あげる」のが主旨であり、花火がきれいに開くかどうかは二次的な問題です。雨が降っても雨雲の中で打ち上げる。雲の中で炸裂し、空が一瞬光るだけの4尺玉もありました。何年も積みたてて打ち上げた大スターマインが雲の中。それでも片貝の人たちは喜びでいっぱいなのです。そういう雰囲気が片貝まつりの神髄なのです。

  ということで、来年に期待しましょう。片貝煙火工業本田社長がんばれ!

 

QV-770による花火写真(1998.9.9)