2001年 片貝まつりを振り返って


 今年も片貝まつりが終わり、いよいよ秋本番です。片貝の田んぼには米がたわわに実っていました。祭りが終わると一斉に稲刈りが行われることでしょう。
 昨年は2日間とも天候に恵まれず残念でしたが、今年は台風襲来はありましたが、祭りには影響なく幸いでした。本年の目玉は、四尺玉は別にして、三尺玉が10発と例年より多く上がり、三尺玉の3連発が行われるということでしょうか。プログラムを見ると、9日は、同期会の奉納花火は、20時45分に33歳厄年、21時に50歳、そして21時30分に目玉の還暦の花火の打ち上げです。大型花火は、20時30分に三尺玉、20時40分に二尺玉、21時15分に三尺玉、21時45分に三尺玉3連発、そして22時に四尺玉となっています。10日は、同期会の奉納花火は、14時に恒例の古希の真昼の三尺玉、21時15分に42歳厄年、21時45分に成人が上がります。大型花火は、20時30分、45分に三尺玉、21時に尺玉・二尺玉・三尺玉の3連発、21時30分に三尺玉、22時に四尺玉という構成です。9日が日曜日ということもあって、9日に重点が置かれたように感じます。
 
 さて、万難を排して花火見物と行きたいところでしたが、今年はスケジュール調整が都合つかず、大事な9日の花火を見ることができませんでした。毎年還暦の花火を楽しみにし、片貝花火の神髄は四尺玉ではなくて還暦の花火だと繰り返し主張し、この花火を見ることが生きがいにもなっている私としては残念でなりません。また、このホームページをご覧になった地元の方から、ありがたくも桟敷の特等席まで用意して戴いていたので、そのご厚意にも応えられず申し訳なく思いました。
 9日は、台風のフェーン現象で気温は高いもののカラッと晴れた上々の天気、まさに花火日和で、片貝はたいそう賑わったことでしょう。プログラムを見つつ、溜息をつくばかりでした。花火の方は、最初の三尺玉が失敗だったものの、三尺玉3連発、四尺玉は見事に花開いたとの情報を伝え聞きました。後日の新潟日報紙上では当日の四尺玉のカラー写真が掲載されていました。金色の千輪菊の花火だったようですね。還暦の花火はどうだったでしょうか。後日ローカル局で祭りのテレビ番組が放送されるはずなので、テレビで雰囲気だけ垣間見るのが今の楽しみです。
 
 さて、10日となりました。午後は会議の連続。2つの会議に同時に参加したりという離れ業をしたりして、我に返るともう6時を過ぎていました。このところ3週連続終末が仕事で休みなしできていた私は、夏バテもあって疲労困憊し、これから片貝に行くべきか一瞬躊躇しましたが、9日に片貝に行った人からのメールが入っていて、一気に血が騒ぎ出しました。
 台風15号は東海・関東地方に接近し、間もなく上陸。関東方面はかなりの大雨とのニュースでしたが、当地は嵐の前の静けさ。雲は多いものの、風はありません。片貝は大丈夫かなと心配しながら、小千谷への峠道を進みました。雨が降ろうが風が吹こうが決行するのが片貝。雲の中で開花し、音しか聞こえない三尺、四尺というのも何度も目にしています。あくまで奉納が目的の片貝花火の真骨頂です。
 
 7時半頃片貝に着きましたが、例年の混雑がありません。いつもなら路上駐車で混雑する道路も全く空いています。いつもの農道に駐車し、浅原神社に歩いていこうかと思いましたが、ちょっと疲れ気味で気分悪く、また、早めに帰らねばならない用事もあったので、今日は雑踏は避けて、離れて見物することにしました。
 花火の打ち上げが進みますが、今年はいつになく間延びした感じがします。時間指定された番外花火は、数的にはそれほど減っていないようですが、間を埋める単発の奉納花火の数が少ないように思います。桟敷でアナウンスの名調子を聴きながら見ていると感じにくいかも知れませんが、遠くで見ていると花火の間隔が空きすぎると興ざめです。これも不況の影でしょうか。
 天候は、小雨がぱらついたりはありましたが、大降りにはならず、雲がじゃまになることもありません。昨年は雨雲の中だった三尺玉もきれいに上空高く打ち上がりました。20時30分、45分の三尺玉はあっけないくらいに開花、21時の銀山錦の尺・二尺・三尺3連発も大成功。ただし、21時30分の三尺は、残念ながら筒割れして失敗でした。そして、22時の四尺玉も見事に上がりました。今日は金冠しだれ柳で小割り浮き模様付きでした。千輪菊より花火の大きさが実感されて、今日の花火の方が私は好きです。火の粉が山に降り注ぐ様は、四尺玉ならではの醍醐味です。
 
 花火のきれいさは別にして、大型花火の音は尺玉の比ではなく、肌に感じる震動はその場で体験した人にしか分からないでしょう。ただ、毎年見ている者としては、花火の美しさという点では今後に期待する点も多いように思います。いまだに丸く開いた四尺玉は見たことがありません。楕円形になるのは技術的に仕方ないのでしょうか。尺玉であの開き方なら失敗作です。さらに、三尺玉も玉石混淆。単なる大きさでなく中身に期待したいものです。四尺玉は上がることに意義があり、大きさだけで勝負できますが、三尺玉は美しさを競いたいですね。
 
 さて、片貝はあくまで奉納花火ですから、奉納もしない部外者があれこれ言うのは全くの筋違い。自分で上げた花火は格別でしょう。ただし、不況と共に、年々球数が減っていることは間違いなく、寂しく思っているのは私だけではないでしょう。大型花火の数で面目は保たれてはいますが、スターマインの数、それぞれのスターマインの球数は少なくなっています。また、間を埋める単発花火もまばらです。
 とはいえ、あくまで個人が奉納する花火大会ですから、商業的な都市型花火大会とは無縁の世界です。浅原神社の熱気、片貝町の賑わいを目にし、肌で感じると、球数がどうの、玉質がどうのと議論するのはむなしいことに気付きます。あれこれ言う前に、来年はみんなで奉納しましょう。それが無理でも浅原神社に行きましょう。町内にこだまする木遣り、太鼓の音、跳びはね回る若者達。この地に生まれた人たちを羨やみ、虜になること間違いありません。

 片貝まつりが終わっていよいよ秋。夏バテだのと言ってられません。来年の片貝まつりを目標に仕事を頑張りましょう。

 この原稿をテレビを見ながら書いていますが、アメリカでは史上まれに見る連続テロがありました。テレビでは崩れ落ちる世界貿易センタービルの姿を繰り返し放送しています。そろそろ寝なければと思いますが、興奮して眠れそうにありません。世の中暗くなるばかり。来年はどうなっているんでしょうか。 (2001.9.11〜12にかけて記す)