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出雲学研究所への提言

出雲学研究所への提言(地域学創造会議@尾道)

地域学創造会議@尾道

「地域学創造会議@尾道」(2010年12月4日)に参加して各地域学の概要を知ったが、とりわけ出雲学については多少の感想を得た。

本来なら直接に出雲学研究所に連絡すればよいことだが、面倒であるし、ホームページのコンテンツを増やす意味もあり、提言という形でまとめてみることにした。

(この会議の詳細については、新聞記事を末尾に引用しているので、それを参照されたい。)


■ プレゼンテーションが上手くない

地方に特有のことなのかも知れないが、一般にプレゼンテーションの内容が貧弱で魅力を十分に伝えてないことが多いのだが、出雲学研究所も例に漏れず残念と言うしかなかった。

と言うのは、事前に『出雲学通信』に目を通していたためもあり、出雲学については可能性や将来性は洋々たるものであると感じていただけにギャップの大きさに逆に驚いてしまうようなことであった。

短時間のプレゼンテーションであるにもかかわらず、理事長の業績を延々と説明するのはどうかと思うし、もちろん島根県内においては有効な手法であるのだろうが、それよりも大方の関心は出雲あるいはそれにまつわる出雲学にあるわけだから、そこに集中して欲しかったと思う。

少なくとも、県内版と県外版の二つを用意すべきであるし、できれば首都圏版もあったほうがよいように思う。出雲に関係する神社が関東近辺に集中して存在しているらしいから、これらを含めることで関心は大いに高まるに違いない。

加えて、児童向けのプレゼンテーション資料があるに越したことはない。

プレゼンテーションでは、島根県と鳥取県の境界について盛んに気にするような説明があったが、残念ながら、どちらの県がどういう位置関係にあるのかを知っている人は多くないのが実情であると思う。

各種の事情があるにせよ、ここは思い切って無視し、出雲文化圏としてざっくり括ってしまうぐらいの強引さがあってもよいのではないかと思う。

■ PRが不足している感じがする

日本の古代史に大きな影響を及ぼしたと思われる出雲国のことが、案外に知られていないことには驚くばかりなのだが、これはやはり自分達の責任に帰したほうが自然なのだろうと思う。

知ろうとしない連中が悪いに決まってはいるが、知らせる努力を怠っていたり、知らせる努力が不足していたりすると思われる点については、それなりに自省して欲しいと思う。

大和中心の古代史観に立ち向かうには、あまりにも非力であるように思えるが、ここは一種の情報戦と考えて、戦術や戦略を十分に練って立ち向かうことが求められていると思う。

そうでもしないと、尼子氏に至るまで負け続ける出雲国が挽回するチャンスはなかなか来ないような気がする。土地は豊で美味しい米が収穫できる自然環境もあるのだと思うが、おっとりしすぎているのもかえって問題があるような気がすることがある。

文字どおりに出雲を一つの仮想的な国家と考えて、研究員は出雲国大使ぐらいの気概を持って欲しいと思う。

出雲には八雲と言う絶好のシンボルがあるわけで、これを活かしたグッズを考えてもよいし、八岐大蛇はすぐにエンブレム化できる。

尾道学のようなイベント&グッズ駆動型地域学のように、あまりえげつなくやって欲しくはないが、しかし上品にすぎるのもよくないような気がする。

大体が英文のホームページがないことが変だと思わなければならない。

■ 研究して欲しい領域

荒神谷博物館の指定管理者であるからかも知れないが、対象領域が古代出雲に偏っている印象を受けた。

出雲風土記などの基本文献が存在していることが原因であるかも知れないが、せめて尼子氏ぐらいまでは拡げて欲しいと思う。

また可能であれば、周辺地域との文化的な関わりについても、目を配って欲しいと思う。

世界遺産への登録もあって石見銀山やそれに繋がる銀山街道に注目が集まっているが、出雲の古代製鉄も無視できない重要な存在であると思う。

出雲の国譲りあるいは尼子氏と毛利氏との一大決戦などは、製鉄技術や製鉄によってもたらされる経済的利益の争奪戦であった可能性を否定できないし、そのような視点での歴史の読み解きについても期待したい。

山口県・広島県・岡山県の各北部に存在すると推測される製鉄関係の神社や遺跡の関係が明らかにされれば、これだけでも古代史を見直す大変な成果になるかも知れない。

■ 情報発信力を強化して欲しい

私の分野に引き換えて言えば、ホームページ(HP)を充実させて欲しいと思う。

まず出雲学研究所のHPが博物館のHPを間借りしているような現状は実によろしくない。役人の気分によって指定管理者から外されることもある訳であって、研究所独自のHPを開設して情報提供すべきであるように思う。

例えば、韓国との交流を見据えて韓国語版も作成して欲しいし、ひょっとするとこれは観光客誘致の一助になるかも知れない。

ブログやツイッターによる情報発信も心がけて欲しいと思う。自分達が思っている程には知られていないことを肝に銘じて頑張って欲しい。

単純なことではあるが、博物館のHPを「ウェブアクセシビリティチェックサイトHAREL」でチェックすると40点という情けない状況にある(2010年12月13日現在)。

もう少し何とかならないかと思うし、著作権の表記についても、いまだに「Copyright 2006」と言うのは企業では有り得ないことだし、こうした状態では、これからも出雲は負け続けるのでないかと心配してしまうぞ。

■ 地域学創造会議@尾道

地域の歴史や自然を研究する中国地方の4団体が集う「地域学創造会議@尾道」が4日、尾道市東御所町のしまなみ交流館であった。中国地方で地域学団体の交流が乏しいため、パソコンなどを通じたネットワークを築こうと、尾道学研究会が企画した。会議では各団体が活動を紹介し、情報交換をした。

尾道学研究会顧問の荒木正見さん(64)が基調講演。尾道で初めて郷土誌をまとめた江戸後期の豪商亀山士綱(しこう)を地域学の原点として例に挙げ、「地道な資料集め」「日本全体の中で地域の歴史を考察する」など、地域学のあり方を語りかけた。

活動報告では、尾道学研究会のほか、「岡山学」研究会(岡山市北区)、NPO法人出雲学研究所(松江市)、県立広島大宮島学センター(広島市南区)の計4団体が発表した。

「尾道学」に大学生たち若い世代の参加が多い点について、同研究会事務局の林良司さん(33)は「歴史だけでなくお祭りなど取っつきやすい対象が多いのではないか」と話した。

パネルディスカッションでは「資料を保存する場所をつくるなど行政の力添えが必要だ」「研究するだけでなく地域に還元する意識も高めたい」などの意見も出た。(中国新聞 - 2010年12月5日)

地域学4団体が情報を交換(中国新聞)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201012050034.html


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