修理回収機構

一般的なご家庭のWindowsXPマシンの再生

20110428

古いマシンの相談が多い

 WindowsXPが出始めの頃は一般ユーザーに受けたのかマシンのスペックが上がったのか所有者が多い。しかしもうWindowsXPはSP3まで出て、当時256MBだったメモリではきつい状態。買い換えるのが一番だが、そんな余裕はない、出来るだけ安く済ませたい、優先度がそんなに高くない、そんな人々のためまとめてみる。情けは人のためならず。こういったページを作っておけばあとはここ見とけ、で済むのだ。
 買い替えの難点は、今まで使っていた古い資源(モデムなど)を捨てなければならないことだ。下取りするには時期を過ぎている。当時最高スペックの物を買っていない限り、中古で手に入る部品で性能向上が図れる。これ以上できなくなったら、そう、あきらめて買い替えだ。

ソフトのみでの最適化

 まずはフリーソフトだけで出来る最適化。これだけでも操作感が改善するかもしれない。古いマシンはいろんなソフトが積み重なってただでさえ遅いのがますます遅くなっているからだ。それぞれのソフト入手先は自分で調べること。
(1)まず、いらんソフトはコントロールパネルのソフトウエアの[プログラムの追加と削除]から選んで消してしまおう。
(2) NTREGOPT - WindowsXPのレジストリを整理してくれる。余計なソフトを入れたり消したりしたらレジストリが荒れてくるのでこれでデフラグのような操作をする。
(3)PuranDefrag - デフラグの強力なやつ。これをかけて一晩ほおっておけば良い。
(4)BootVis - デフラグした後に適用。起動時間を短くする。デフラグの結果、速くなってれば無理にする必要もない。詳しくはよっちゃんのチラ裏 Windows XPの起動をBootVisで高速化
 あとはキーリピートを速くしたりウィンドウの表示を簡略化したりなど見かけをいじることで体感速度は向上するが省略。

ハード交換での高速化

 抜本的な高速化は土台から替えること。

ハードディスク

 メーカー品のHDDは5400rpmのものとそれとは知らず遅い物が使われていたりするが、これを大容量、高速なものに交換する。PentiumIIIの頃はBigDriveの制限があって、実質120GBまでのHDDしか搭載できなかったが、160GBなどのモデルがあるパソコンでは最大2TBまでのHDDと交換できる。また回転数も7200rpmが主流だった。2TBの物は回転数が遅かったりするが、その代わりディスクキャッシュの容量が大きいので今使ってる40GBなどのHDDより速いだろう。現実的な問題として、当時のHDDインターフェースであるIDEのドライブは最大で500GB程度までしかない。それ以上はSATAという規格の物に変わっている。でも250GBや320GBもあれば充分でしょう。
 ディスクの載せ替えは、EASEUS DiskCopyとEASEUS Partition Managerがあれば簡単にできる。EASEUS DiskCopyはディスクをまるごとコピーしてくれる。CD-ROMに焼いて使う。このため、HDDドライブのマスターとスレーブにそれぞれHDDドライブのジャンパプラグを設定して取り付け、コピー元とコピー先の準備をしなければならない。このためにIDEケーブルが必要になる場合もある。
 EASEUS DiskCopyでヤドカリのように大容量のHDDにまるごとコピーできても、パーティションのサイズは変わらない。コピー先のHDDをパソコンに取り付け、以前と同じ様に起動し使えることを確認したら、EASEUS Partition Managerをインストールする。ここでパーティションのリサイズを選択すると、ディスク容量いっぱいまでパーティションを広げることが出来る。この操作が怖かったら、「ディスクの管理」から新しい作業領域のためのパーティションを作ってD:ドライブにでもすればいい。
 なお余ったHDDはどうせ容量もたいしたことないので無理に使わず、もしもの時の起動ディスクとしてどっかに保存しておこう。

メモリ

 当時256MBしかなかったものでも現在では最低512MB、快適に使いたければ1GBは欲しい。特にビデオ回路がメモリの一部を使うようなパソコンはその分目減りする。難しいのは、Pentium4でよく使われていたDDR-SDRAMが旬を過ぎてしまい入手困難になってきていることだ。最近ではDDR2-SDRAMがDDR3-SDRAMに取って変わられようとしており、その傾向がある。中古かオークションで探してみるか。
 メモリを買う前に、メモリの規格をよく調べておくこと。同じメモリでも動作速度の上限などが違う場合がある。一致していないと、起動しないことも。
 メモリを交換したら、メモリが正常かどうかを確認したほうがよい。memtest86 4.0(CD-ROMまたはUSBメモリ)で一晩流してみてエラーがなければOK。

CPU

 CPUの交換は大変だが効果は大きい。その前に交換しようとするCPUが今使ってるパソコンで使えるかどうか確認しなければならない。
 同じメーカーの上位モデルで使われているCPUだったらそれを選んだほうが無難。使えるのは間違いない。よくわからないときはチップセットを調べる。
 例としてNEC VALUESTAR Cシリーズを見てみよう。■VALUESTAR C 仕様一覧によると、チップセットはSiS651。FSBは400MHzだが、SiS651で調べてみると400MHz/533MHz対応とある。ここで手持ちのPentium4 2.80GHz/FSB533MHzが使えそうなことがわかる。が、メーカーのパソコンはBIOS側でチェックして受け付けないようにしていることもあるので注意。また、CPUの動作周波数はFSBの周波数のn倍なので、FSBの周波数も一致していないと本来の速度はでない。
 CPUの交換は面倒である。CPUファンが見える所まで分解し、ファンを外し、CPUを取り外す。CPUクーラー側のグリスを拭きとり、新たに取り付けたCPUにシリコングリスを塗る。セラミックグリスというのもあるようだ。そして元通りにするのだが案外力を込めて金具を押さえたりしないといけない。

終わりに

 これだけ読んで大変だと思ったり理解できなかったりしたら最新型を買いに行こう。散髪に行った後のように一日中爽快だぞ。



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