修理回収機構

COMPAQ DESKPRO 5/60M

改版 20020701
20010421

 1999年夏のこと。パソコンについて相談を受けた。同僚が自宅で使っているパソコンが動かなくなって困っている、とのこと。メモリチェックでエラーが出るらしい。ふ〜ん、メモリを交換してあげたら?しかし古い機種でよくわからないらしい。もっとよく聞いてみると、困っているのは年上のお姉さま。年上の女性の依頼は断ってはいけないとの家訓を今作ってそれを思い起こし、直接頼まれた訳でもないのに引き受けることにした。

現象確認

 お姉さまにマシンを持ち込んでもらい、簡単に動作確認を行う。メモリは8MB-SIMMが4枚で32MB、OSはWIndows95。初代Pentium搭載で、EISA機だった。エラーメッセージは以下の通り。
BOOT NG
  24576 KB OK

01840000 00 SIMM Memory Expansion
 201-Memory Error-(Run Test)
     Insert Diagnostic diskette in Drive A:

01840000 FE SIMM Memory Expansion
 203-Memory Address Error-(Run Test)
     Insert Diagnostic diskette in Drive A:
...
 メモリ32MBのうち24MB、3枚分しか認識していない。メッセージから推測すると、1840000番地でエラーとなっている。これは18MB+ちょっとの所。このPC、4枚一組でないとメモリを交換できないという所から考えると、メモリをインターリーブで使用しているようだ。そうなると、3枚目のSIMMでエラーとは言い切れないかもしれない。
SIMM CPU
  1. 現象はメモリについてまわるか?
    4枚の8MB-SIMMを入れ替えながら起動し、エラー箇所が変わるか確認。現象は変わらず。→メモリの個別故障ではない。
  2. 別の4MBメモリではどうか?
    4枚の4MB-SIMMで動作確認。16MBを認識し、OK。
 ここに何かの差がある。確認のため、8MB×4枚のSIMMを持ち帰り、動作確認することに。

次の週

 COMPAQの会社データによると、DESKPRO 5/60Mは1993年5月に発表されている。SIMMは4枚一組で交換するので、(当時)入手しやすいSIMMで考えると、4MB×4=16MB,8MB×4=32MB,16MB×4=64MB,32MB×4=128MBとなる。また、預かってきた8MBのSIMMは、4枚とも良品だった。
 ここで、4MB-SIMMと8MB-SIMMの差を考えてみる。8MB-SIMMは、4MB-SIMM×2枚が一緒になったような2バンク構成になっている。SIMM単体には異常がないため、DESKPRO本体のメモリスロットのうち、2バンク目をアクセスする箇所(RAS信号)が接触不良を起こしているのではないかとクリーニングしてみたが、変化なし。
 結局、メールぐらいにしか使わないので、4MB×4=16MBで構わないということで手持ちの4MBと8MBのSIMMをまるごと交換した。
16MB-OK OK

結論

・動けばヨシ、という場合もある。
・「わらしべ長者」という話を思い出した。

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