緊急報告 日常に潜む危機(1998.03.24)


 科学文明の発達した現代に暮らす我々は、その進歩した科学力ゆえに時として思いがけぬ落とし穴に陥ることがある。我々は便利さと引き換えに、常に予測不可能な危機と隣り合せに生きているのだ。


 本日の仕事を終え、その便利さの象徴であるコンビニエンスストアに寄った私は、レジのそばに並べてあった見慣れない物を見つけた。それは「磯部餅」。饅頭などの甘いものの中に並べてありながら甘くなさそうなそれは私の興味を引いた。よし食後のおやつにしよう。今になって冷静に考えると、夜も11時を過ぎてそんなことを考えるのはどうかとも思うが、その時の私はおやつ以外のことは全く眼中になかったのだ。
 食事を終え、落ち着いた私は、楽しみにとっておいた「磯部餅」を手に取った。平べったい俵の形に海苔を巻いてあるそれは、しかしコンビニエンスストアで見たとき程には魅力的ではなかった。やはり食事を済ませて空腹感が消えたせいだろうか。暖めればおいしくいただけるだろう。そう判断した私は「磯部餅」を電子レンジに入れ、スイッチを入れた。そして…


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