村上春樹さんと会った話のページ
96年12月21日午前10時30分。私がニフティーで開いている村上春樹 ホームパーティのオフに出るため、集合場所の銀座の伊東屋前にいました。オフの集合前に、少し買い物をしようと早めに銀座に着いて、夫の靴を買い、子 どもの鳴り物(次の日のクリスマス会用に鈴が欲しかった)を買おうと山野楽器 に入りました。打楽器売場は4階で、鈴の近くにおもちゃのマラカスもあったの で、それもついでに買い、そろそろ伊東屋へ行かなくては、と下りのエレベータ を待っていたら、開いたドアの右側に村上さんが乗っていました。眼鏡をかけて いて、思ったより背は低かったのですが、この人は村上春樹以外の何者でもある まい、という確信があり、1階に着くまで心臓はドキドキ、声をかけてみたい、 でも声をかけられるといやがるだろうなーと葛藤しつつ、ふらふらと後をついて いくと、山野楽器を出て、左折するではありませんか。まさか、あしか堂のオフ に? 本間さんにメールか何か来ていて、実は本間さんがみんなに内緒にしてい るだけ?、などと思いつつ歩いていると、松屋の脇で信号をわたり、ますます伊 東屋へ近づいてきました。
と思ったら、突然、松屋の伊東屋に近い方の入り口で、中に入ってしまいました。 違ったのかー、としくしくしつつ伊東屋の前に行って、本間さんと合流、 今、村上さん見ちゃったんですよーーーー、と騒いでいたら、なんと、村上さん が女の人と連れだって、こちらの方へ歩いてきたのです。すーっと通り過ぎてし まったので、今の村上さんだよー、と本間さんをけしかけて顔を見にいかせたの です。本間さんたちが後を追っていって、しばらくして「本人だったよー」 と戻ってきました。えーっ、声をかけたのかー、わたしも行けばよかったよー、 とちょっと悔しかったのですが、本人であることが確認出来ただけでも嬉しかっ たです。
次の日になって、やっぱり何かお話ししたかったなーとか、鞄の中に入っていた 『羊男のクリスマス』にサイン貰いたかったな、とかくよくよしていたのですが、 本人に声なんてかけてもあがってしまって、まともなことは何も言えなかったで しょう。本間さんでさえ、何を言えばいいのか、わからなくなってしまったそう ですから。
気分としては、「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うこと について」という感じかな。