[9]管理人 本間 (honma@mub.biglobe.ne.jp) 2001/11/28 Wed 12:12:30
◎私の感想
 覆面作家としてデビューした北村薫なので、今「空飛ぶ馬」の鮎川哲也の
解説を読むと微笑ましい。鮎川哲也ですら見抜けなかった文体は、私も女性
かと思っていた。「私」の内面描写がそれだけ巧かった、という事だろうけ
ど、女性が読むと分かるのかな?
 「私」は、本好きで知が勝っている。性善説を信じていて、自分が大人に
なる事が不安。言葉遣いがとても丁寧。恋愛に強い幻想と恐れがある。大人
の男を感じさせない中性的な円紫さんが好き。まさに、本好きの男が理想と
する女性像。こんな子がいたら、本好きとしては、ぎゅっと抱きしめて、全
ての事から守りたくなってしまうな。世の中の下らない部分を知らずに、幻
想の中に生きているから、そう思うのかもしれないけど。
 小説としては、紹介編の「織部の霊」を経て、「砂糖合戦」「胡桃の中の
鳥」「赤頭巾」と人の悪意を感じさせるモチーフが続いた後での「空飛ぶ
馬」なので、余計「人間は捨てたものじゃない」というテーマが生きる。そ
の前の3つの短編で澱のようにたまっていた、私の心の何かが解ける。情景
が目に浮かぶようだし、ラストの雪が降る中での「私」は、本当に愛おし
い。北村薫は確かに、「私」としての人生を生きたのかもしれないな。

[8]管理人 本間 (honma@mub.biglobe.ne.jp) 2001/11/28 Wed 11:47:40
 さて、月代わりで作品を変えるので、「空飛ぶ馬」ももう少しです。返事
書いた後、自分でも書きますね。

◎みわぼーさんへ
 舞台が身近なところだと、親近感覚えますよね。
 言われる通り、ミステリーとしてのロジックは、本格大好きの北村さんら
しく、本格の醍醐味を感じさせますが、私の成長期としても楽しめますね。
一作ごとに一つ歳を取るのも、そういう趣向があるからでしょう。
 空飛ぶ馬のラスト、「それまでは、雪よ、私の髪を飾れ」。みわぼーさん
の馬は、大人になってみてどうですか?

◎犬丸さんへ
 ええ、卒論編の「六の宮」では私もついていくのが大変でした。あれは、
本読みとしての北村さん本領発揮編ですね。
 「砂糖合戦」「胡桃の中の鳥」「赤頭巾」と、ちょっと人の弱さがモチー
フのものが続いた後に「空飛ぶ馬」なので、あの配列も巧いですが、語り手
である「私」の純粋さとの比較も巧いです。
 あの純粋さが「スキップ」に、人の悪意というテーマが「盤上の敵」に繋
がっていくのでしょうが、その原点でもある「空飛ぶ馬」は、やはり何度読
んでもいいですよね。

◎NEOさんへ
 私がさぼっていたせいもありますが、ここの掲示板は真摯な意見ばかりで
嬉しいですね。書き込んでくれて、ありがとうございます。
 私も今回久しぶりに再読したのですが、良かったですよ。年末で慌ただし
いこの時期、ちょっと時間が空いた時に読んでみる事をおすすめします。
 高野文子は今調べてみたら、5作品が入手可能です。2作品注文しておき
ましたので、読むのを楽しみにしていますね。

◎アキさんへ
 そうですね、出てくる小説全部を読んでいる訳ではないのですが、あの本
好きさは、同じ本好きを惹きつけます。「赤頭巾」は、「いい悪いという事
は答えようがありません」という円紫さんの言葉、重いです。最後の一行も
効果的ですよね。
 「私」と円紫さんの恋愛感情は、見事に触れられずに進行してますね。で
も、確かにあの年代の頃に円紫さんのような人と出会っていたら、人生観変
わります。「私」の方は、恋に恋している感じでもどかしいですが。蔵王に
行った時の、旅館の様子を読んでいると、少し気恥ずかしくなりますね。

[7]管理人 本間 (honma@mub.biglobe.ne.jp) 2001/11/07 Wed 23:55:15
 こちらの掲示板になかなか書けずにごめんなさい。近日中には、再読して書き込
みます。

[6] みわぼー さん(miwaboh@mqb.biglobe.ne.jp) 2001/10/30 Tue 23:36:44
アキさん、「私」の円紫さんへの憧憬というか尊敬の念は、やっぱり恋愛感情もあ
りますよねぇ。きっと。
ただ、「私」のある種の潔癖さが、妻子もある円紫さんへの気持ちを認めることが
できないでいるんでしょうねぇ。
私も、円紫さんが、「私」をあんなに気に掛けてあげるのって、ちょっと罪だよな
と、思うことが時折あります。

しかし、「私」が、本当に心底、理性が感情に負けるような恋愛に出会う時の相手
って、誰なのかなぁ?
ま、まさか、やはり円紫さん?…うーむ、俗でスンマセン。(^^ゞ

[5] アキ さん(aki-room@mvc.biglobe.ne.jp) 2001/10/30 Tue 00:48:39
こんばんは。
<本好きをくすぐる小説>というのが時々ありますが、これも間違いなくその1つ
ですね。と同時に、全く同じ理屈で本好きが身につまされる小説でもあるよなぁと
思います。えぇモチロン『赤頭巾』なんですけどね。イテテ。 本間さんが以前、
「私」みたいな娘がいたら、みたいな事を書いてみえましたが、私も19才のときに
円紫さんみたいな人がいてくれたら良かったのになぁとつくづく思います。ちぇ。
で、みんな思ってると思うんですが、円紫さんには「私」に対する恋愛的な気持ちは
全然ないんでしょうか? 「私」には少しあると思うんですよ。時々そう見える。
円紫さんはどーなんでしょう?どーなんですか? あれだけ散々魅力を振りまいて
全く対象外にされてるんなら「私」は切ないですよ。まぁそういうじれったい感じも
表紙ともども人気の一因なんでしょうけど。
全ての謎が人の間で起こってるという世界観はイイなぁと思いつつ、そういう所も
気になる私は、やっぱりミステリ系ではないですね。失敬失敬(笑)。では。


[4]NEO さん(PXF04304@nifty.ne.jp) 2001/10/29 Mon 10:18:59
ご無沙汰してます。最近忙しくてあんまり掲示板も読めてないんですが...大好きな
「私」シリーズの掲示板、閑古鳥が鳴いていてさみしいので、にぎやかしに書きに
きました。
北村薫さんの存在を知ったのは朝日新聞の書評欄に『空飛ぶ馬』『夜の蝉』がセッ
トで紹介されていた時でした(評者は俵万智だったかな)。
早速手に入れて楽しく読んでいたのですが、職場のおじさんも同時期にやはり朝日
の書評をきっかけに手に入れて、2人でもうどこまで読んだ?、と張り合いながら読
んだのが懐かしい思い出です。
あれ以来読み返していないので(砂糖合戦の話が印象に強く残っている)、本の内
容はおいといて、表紙の話。
「私」シリーズは一貫して高野文子さんの絵が表紙に使われているのですが(覆面
作家シリーズも高野さんですね)、わたしはこの高野文子という漫画家が大好きで
、高野さんの表紙だというだけで、また評価が1ランク上がってます。文庫に落ちて
も高野さんの表紙が使われていて嬉しいです。
高野文子の漫画は比較的手に入れにくいですが、昔「Hanako」に連載していた『る
きさん』は、ちくま文庫になっているので、これが一番手に入れやすいかなー。
と、話をそらしましたが、また何かあったら書きます。
ではでは。


[3] 犬丸 さん(inumaru1@fine.ocn.ne.jp) 2001/10/20 Sat 00:42:17
わたしがはじめて読んだ、そしていちばん好きな北村作品です。

シリーズが進むにしたがって、「私」の優等生ぶりが少し嫌味にも思えてくるのです
が(それはわたしの僻みです、ええ)、この作品には人の心のどろどろした部分も出
てくるので、上手いバランスだ、という印象があります。
「赤頭巾」がとくに心に残っています。
「私」の視点が真摯なものであることが、恐ろしいまでの効果を上げています。理性
ある語り口から、なにか立ちのぼってくる匂いがあります。大人の女性の、ひとの
心を惑わせるような匂いが。
ミステリーだけど、それだけじゃない。そんなところが魅力なのだと思います。

[2] みわぼー さん(miwaboh@mqb.biglobe.ne.jp) 2001/10/18 Thu 20:27:08
はじめまして、こんばんは。
みわぼーと申します。
村上春樹さんの作品も大好きですが(小説もエッセイも)、北村薫さんの「円紫さ
んと私」シリーズも大好きです。

個人的な思い入れですが、恐らく「私」は、今現在私が住んでいる市の隣り町に住
んでいるようだし、私が大学時代にテリトリーとしていた神田神保町や、御茶ノ水
近辺も舞台になっているようので、初めて文庫本を手にとって立ち読みした時に
「コレは買いだ!」と衝動的に購入した一冊なのです。

 私も、「私」の年頃だった時に、感情よりも理性を重んじようとしていた傾向が
強かったなぁ…とか、でも彼女ほどの読書家でもなかったなぁ…とか、自分と彼女
を比較したりして。
 これは、ミステリーだし、円紫さんの思いも寄らぬような名推理にも舌を巻くの
だけれど、私個人としては、謎解きものというよりは、「私」の成長と、彼女が正
ちゃんや江美ちゃん、円紫さんと歩く街の風情なんかを楽しめる作品だと捉えてま
す。…ミステリファンからすれば、邪道な読み方ですね(^^ゞ



[1]管理人 本間 (honma@mub.biglobe.ne.jp) 2001/10/14 Sun 14:56:06
 こちらの掲示板1回目は、北村薫の「空飛ぶ馬」です。

 「私」シリーズの1作目、主人公についてでも、円紫さんについてでも、何でも
お書き下さい。「私」の魅力について、私もその内書きますね。