問題点と今後の展望について考えたいと思います。
 まず第一に、通信環境による制約があります。現在大部分のユーザーが使用しているダイアルアップ接続は通信速度が遅く、大きな画像データなどを送るにはかなりの時間を要することがあります。しかし通信環境については、急速に改善しつつあり、近い将来音声やアニメーションを駆使したマルチメディアによる情報公開がインターネットで可能となれば、ますます情報公開手段としてインターネットの価値が増すものと思われます。
 次に公開すべき情報をどのように選択するかという問題があります。「あらゆる情報をすべて公開してしまうことによって、かえって混乱を期すのでは無いか」と危惧されているのも事実です。また、「法的に規制を加えるべきだ」と言う主張もあります。しかし、今までになかった「万人による自由な情報公開環境」という、インターネットの優れた長所を生かすためには安易な規制を行うよりも、多くの人々の参加による監視や自己規制、また価値ある情報を見分けるユーザーの選択眼を育て、その上で適正な情報が選択されるという環境が整うべきであると考えます。