直腸脱

 直腸の粘膜が反転し、肛門外に脱出するものを直腸脱と呼んでいます。
 高齢者に多く、括約筋はゆるいのが特徴です。
 痔核の脱出(脱肛)と混同されがちですが、直腸脱の場合には、痔静脈叢が膨らんでいないことが特徴的です。


症状

 直腸の粘膜が全周性に『筒状』に脱出するのが特徴です。脱出する長さは数cmから20cmくらいに及ぶものもあります。
 痛みはなく、常時脱出する直腸粘膜のため、下着が粘液や少量の血液で汚れるのが特徴的です。


治療

 直腸脱を治療するには、手術が必要です。
 痔の手術の様に腰椎麻酔下で肛門から手術する(余剰の直腸粘膜をしばり、括約筋補強のために肛門周囲にリングを埋め込む)場合がほとんどです。
 肛門からの手術で治らない場合には、まれに全身麻酔下で開腹し、直腸をつり上げる手術を行うこともあります。


これが直腸脱だ!

長さ20cmの直腸脱


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