肛門周囲膿瘍
肛門と直腸の境目(約1.5cm奥)である歯状線部分に開口する肛門小窩から、細菌が侵入し感染を生じ膿をためたものを、肛門周囲膿瘍と言います。
症状
肛門部の鈍痛から始まり、数日のうちに膿瘍が大きくなると痛みがひどくなります。
皮膚に近い部分で膿瘍ができると、比較的なだらかな腫れとしてあらわれ、触ると皮膚の下に膿がたまっている事がわかります。
深い部分に膿をためると、外見上の腫れははっきりしませんが、押すと強く痛むしこりとして触れられます。時に直腸に沿った深い部分に膿がたまると、肛門の奥が痛み、指を直腸内に入れて診察しないとわかりません。
膿が多くたまっている場合には、発熱を伴うこともあります。
放置していると皮膚や肛門内の粘膜が破れ、膿が大量に出て、痛みや発熱は軽減しますが、その後大半が痔瘻となります。
治療
感染の初期の場合には抗生物質で治癒する事もありますが、大部分は膿瘍が大きくなります。
膿がたまっている状態であれば、麻酔で痛みを取ってから切開排膿を行います。
これが肛門周囲膿瘍だ!