1.準備は怠りなく
さて、V200M7の武装化は完了した。K6-2 400MHzに SDRAM 96MBだぞ! これなら文句はあるまい。とひとりでニヤニヤ。いよいよ
Windows 98 を入れてやるぞ!
Windows 98のアップグレード版とついでに PLUS! 98 を購入する。Windows 95の時と同じような値段設定である。後で気づいたが、NECの優待販売を利用すればキャッシュバックがあり、サポートキットも送付してもらえたのであった。案内のダイレクトメールは届いていたのだが、様子を伺ってからと思っていたら忘れていた。気づいたときには期限切れという私にとってよくあるパターン。サポートキットは必須らしいので、NECに行ってサポートキットとガイドブックをもらう。NECのカスタマーセンターは住宅街の中にあって、なかなか分かり難かった。
雑誌記事ではインストールにまつわるトラブルが多数報告されているので、インストールは万全の体制で臨みたかった。そこで、エーアイ・ソフトの
Winstart 98 を使用することにした。Disk X Tools Ver.5 のバージョンアップ版に付いているというので、その到着をじっと待っていた。そしてついに到着。準備万端、よーし!
2.インストール開始
Winstart 98 を起動する。スムーズに作業は進む。Windows 95 のシステムをそのままコピーし、ここにWindows
98 を上書きインストールするのである。つまり、Windows 95 のシステムを2つ作り、一方はそのままいじらず、もう一方にWindows
98 をインストールするというもの。これなら安全そうである。95と98をいつでも切り替えられるというのがミソである。
さて、ファイルのコピーが終わり、コピーした方から Windows 95 を起動する。何事もなく進行。いよいよWindows
98 のインストールである。おっと NECのサポートキットの使用も怠りないぞ。Windows 98 のインストールも何事もなく進行する。ところが起動ディスクの作成が終わったところで突然ハングアップ。こういうことは予想のうち。よくあること。もう一度やり直せば、修復セットアップが始まるはず。とやり直し。順調にセットアップが再開される。ところが、ファイルコピーが終わり、再起動のところでまたもやハングアップ。今度は全く反応なくリセットも利かない。万事休す。仕方なく電源を落とす。Winstart
98 の起動からやり直してみる。順調に作業は進むが、Windows 98 のインストールの途中やはりハングアップ。今度は Windows
95 まで起動しないではないか。何やら意味不明のメッセージがいろいろ表示され、セーフモードの起動すらできない。何ということ。起動ディスクを使っていろいろ試みるも効なし。乏しくなったMS-DOS
の知識を動員するが回復せず。
3.仕方ない再インストール
どうしようもなくなり、こういうときは悩むより再セットアップである。Value Starの場合、購入時と同じ状態に戻すためのバックアップCD-ROM
が付いている。逆に言えば、同じ状態にしか戻せず、システムだけ入れるということができない。よけいなソフトまで全部インストールすることになる。あーあ、システムのバックアップを取っておけばよかったと思っても後の祭り。データはしっかりバックアップとっていたけど・・。
セットアップディスクで起動して、領域解放、領域確保、属性変更、フォーマットと一からのスタートである。6300ほどのファイルコピーが始まる。1000ほどのファイルがコピーされたところで、急にハングアップ。ちょったしたトラブルかと思ってやり直す。今度はうまくいくかと思ったが、5000を過ぎた頃にやっぱりハングアップ。絶望的気分である。
4.K6-2が怪しい
購入時とどこが違うのかよーく考えてみた。そうだ。ふと K6-2 が思いつく。DOSには対応していたんだっけ? セットアップディスクがどういうシステムで動いているのか知らないが、ここに問題がありそうである。そこで、K6-2をはずして、MMX
Pentium に付け替える。CPUの付け替えはたやすいが、冷却ファンの付けはずしがなかなかやりにくい。隣のコンデンサーがぐにゃっと曲がりヒヤリとする。
再起動。今度はセットアップは何事もなかったかのように進む。ファイルコピーが始まる。今度は大丈夫そう。どきどきしながら画面を見続けていた。6300余のファイルがコピーされ、購入時そのままのシステムが復活した。しかし、ソフトは古いし、おまけが多すぎるし、ということで、ソフトの削除とインストールを繰り返しもとの状態に戻す。一太郎9に
Office 97 に・・・、これまた結構な作業である。ボード類の IRQ調整したりと、かなりの労力を費やす。この甲斐あり、よけいなファイルが整理されたためか、けっこう起動も速くなった。
再び Winstart 98 を起動してインストール開始。今度は Windows 98 もスムーズにインストールされる。数回の再起動の後、無事
Windows 98 のシステムが完成。やはり K6-2 に原因があったのか。速すぎる CPUが原因とは、因果なものである。
さて、Windows 98 であるが、一見どこが変わったかわからない。起動画面が白けたような色になり、起動音がステレオになりかっこよくなった程度。有り難みがわからない。しかし、ひとまず安心。
5.Windows 98 はインストールできたが
Winstart 98 は確かに便利だったものと思う。CPU 交換騒ぎはあったが、それさえなければ問題はなかった。何の苦労もなくシステムを移行できた。スタートメニューに
Windows95 と 98 の切り替えボタンがあり、メニュー上から切り替えられる。これは便利そうだ。
しかし、ソフト的に切り替える訳であるので、切り替えにはファイルの書き換えが必要らしく、ハードディスクのアクセス音がしばらく続いてからようやく再起動される。速く切り替わるものと期待していたのが間違いだったらしい。これならハードディスクのブートメニューから再起動した方がずっと速いかもしれない。それに、アプリケーションは
95と 98 で共用することになるので、整合性が取りにくいようだ。98 でアプリケーションの設定をいじったりすると 95 で動かなくなってしまったりする。こういう点は少々がっかりである。
今考えれば、ここで止めておくべきであった。Winstart 98 は便利なようだが上記のような問題点もある。どうせなら、こんな姑息的手段など使わず、全く別のドライブに別のシステムを作って、ブートメニューを使って起動ドライブを変えてやるべきだ。NEC
PC-98 のメリットはここにあるんだから。と考え出したらやめられないのが悪い癖。
ということで、せっかくインストールした 98はアンインストールしてしまった。
6.どうやって 98を入れようか
また元の状態に戻ってしまった。この状態なら K6-2が使える。せっかくのものがもったいない。また悪い虫が騒ぐ。そんなわけで、CPUの付け替えである。やはり冷却ファンの付け替えが難しい。再起動。K6-2はやっぱりうるさい。
さて、98をどうインストールすればいいか。CD-ROMのドライバを組み込んだフロッピーから起動して、98をクリーンインストールする方法があるらしい。通はこれを推奨しているようだ。これをしようかと思ったが、Value
Star には NEC独自のドライバがいろいろあり、その組み込みがうまく行くか不安もある。そこで、Value Star がちゃんと動作する
95のシステムをもう一つ作って上書きインストールしてみることにした。Winstart 98 と基本は同じであるが、ファイルの共用のない全く別のシステムにしてしまうというのが大きな違いである。
NECのセットアップディスクはシステムをAドライブにしかインストールできない仕様になっている。違法コピーを防ぐ手段なのだろう。同じマシンの中でコピーするのだから、違法ということはあるまい。別ドライブにコピーする裏技があり、インストールの設定ファイルを書き換えてしまうという手がある。雑誌の記事で読んだやり方である。特に難しいわけでなく、セットアップ
CD-ROM の \windows\option\cabs の内容をハードディスクにコピーし、その中の msbatch.inf
を書き換え可能にして、エディタで編集。A: となっているところをすべて希望のドライブ名に書き換えればよい。setup.exe
を起動して、難なく別ドライブに 95をインストールできた。
NEC用のドライバも入っているはずだから、うまく行くはずと思っていたのだが、ハードをうまく認識してくれない。オリジナルの状態でも
SCSIボード、モデム、サウンド、などいろいろボードがささっている。これらをちゃんと認識してくれないのである。オリジナルとは違ったハードウエア名になり、ドライバも違ったものが設定されている。システムとしては動くのだ今後が不安である。バックアップディスクをコピーしたのだからうまくいくかと思ったのが間違いであった。クリーンインストールするにしても、きっと同じことであろう。ハードウエア、ドライバをオリジナル通り設定するのはきっと大変に違いない。やっぱり素人には
Winstart 98 がいいのかなと反省する。
7.またおかしいぞ
このままやめておけばいいのに、この状態を何とかしようといじっていたら、またまた起動しなくなってしまった。もともとのAドライブまでおかしい。こりゃだめだ・・。泥沼に入り込み、見たこともない警告が表示される。赤文字の警告メッセージを初めてみた。致命的な不具合が生じたらしい。
またまたシステムの入れ直しを始めた。おっと、K6-2を付けたままだった。例によって途中でハングアップ。やめればいいのに、もしかしてとやり直してみたら今度はうまくいった。もう
98はやめようと、その時は心に誓っていた。95をまた元の状態にすべく、削除とインストールを繰り返す。試行錯誤の末再びもとに戻す。書けば大したことはないが半日がかりである。95
は K6-2 の上で快適に動作していた。
8.やっぱり 98
ここで頭を冷やすべきだが、翌日98のパッケージを見るとやっぱりインストールしたくなる。悪い虫が騒ぎ出す。せっかくあるのに使わないというのは何ともったいないことか!今度はしっかりシステムのバックアップを取る。K6-2は取り外す。そして、Winstart
98の起動である。スムーズにインストールは終了である。ただし、全くうまく行ったということではない。音が出なくなり、ビデオボードが使えなくなったなどということは、今の私にとっては些細なことでしかない。ここまで10日を要しているのである。この苦労の日々は何だったのか。K6-2
への乗せ変えさえしなければこんな苦労はなかったはず。こんな時、メルコから手紙が・・・。製造上のミスで、不具合が出ることがある・・・。ちくしょう! K6-2で苦労したんだぞ!メルコの言う不具合には当たらないのかもしれないが、動作が不安定になる危険が高いということは十分認識する必要がある。
9.そして
Windows 98 を使ってみて、今の私の用途では、98である必要性は全くないということに気づきました。むしろ、これまでのソフトで動かないものもあるのです。ここまで苦労しただけのメリットはなにもないという結論に至りました。ここまでの費用、労力で、最新のマシンが組めてしまうし、はやりの
iMac だって買えたのに・・。ということを考えるとむなしい気分です。でも、FDISKの通になれたし、ハードディスクのフォーマットを何度もやれたし、インストールには詳しくなったし、ひとつ大人になったということであきらめるしかありません。
今 Windows 95 は快適に動いています。98 も使える状態にあります。K6-2は使うまいと今は考えています。でも使わないというのももったいないし・・・。今の環境なら問題ないはず。という心を抑えきれるか自信はありません。
よし、これから K6-2 に載せ換えよう。
(1999.4.18)