2000年1月1日:弥彦温泉・みのや


 Y2K問題もあって、年末はずっと職場に泊まり込みであった。元旦の午後、ようやくフリーになったので、疲れをとりに宿泊である。年末にいくつか温泉を当たってみたが、たまたまここが空いていた。この宿は10年振りの宿泊になる。今回の料金は大人18000円。某旅行社の仲介による。正月としては格安である。
 早めに行ってゆっくりしたかったが、弥彦といえば新潟一の初詣客のあるところ。三が日だけで毎年30万人もの人が来る。ということで、渋滞に巻き込まれ、チェックインは5時過ぎとなった。旅館は門前の一等地にある。弥彦神社は歩いてすぐである。旅館前には土産物店が立ち並び、参拝客がごった返していた。

 旅館に着くと、玄関先に出迎えがあり、応対も良い。部屋は3階。町中なので景色は良くないが、きれいに管理された部屋である。仲居さん(美人であった)の挨拶、説明とも適切で、好感が持てた。トイレはヒーター付きのウォッシュレット。テーブルの上にはお菓子の他漬け物が用意されていた。
 夕食前にさっそく入浴。浴室は8階である。展望エレベーターで上がる。上へ昇るにつれ、新潟平野の眺望が開ける。浴室前には椅子が置かれ、ロビーからの展望はすばらしい。脱衣場は程良い広さ。入浴前に効能書きを確認する。源泉名は弥彦温泉。含硫黄ナトリウム塩化物泉。成分表が大変小さく、老眼の始まりかけた私には読みにくい。成分表から大体の臭気・味を想像する。浴室は三角形の大浴槽があり、球型の石からお湯が注がれている。他にサウナあり。洗い場の数は十分。浴室窓からの眺めに期待したいところだが、残念ながら目張りがあって、景色は見えない。大浴槽の湯は少し熱め。あれっ? 味がしないぞ! 成分表によれば、4g/kg程度の成分があるので、塩味がしていいはずなのだが・・。源泉でないようだ。少しがっかり。気持ちを取り直して露天風呂に出る。やはり目張りがあって、眺望はそれほど良くないが、弥彦山頂を臨むことができる。ここは源泉のようで、しっかり塩味がする。しかし、硫黄臭はしない。まあ、やっと温泉に入ったという気分である。露天風呂はちょっとぬるめであり、温まりがいまいちなので、大浴槽に入り直した。入浴後浴室前ロビーで景色を見ながら家族が出てくるのを待つ。梅茶のサービスがあるが、肝腎のお湯が切れていた。がっかりしていた客が多数いた。

 さて、夕食は新築された宴会棟の7階。各部屋毎のテーブルの椅子席であった。部屋食といきたいが、この料金なら仕方ないか。入り口で升酒のサービスがあり、グイッと空けたら早くもほろ酔い気分。料理は豪華ではないが、値段を考えればそれ相応の満足できる内容であろう。鯛シャブがメインかな。子供用のお子さまランチも必要十分。子供にはラーメンが付いたが、これが美味しかった。テーブル席でのんびりとはいかなかったのが残念。落ち着かないで早めに夕食が終わってしまった。さて下へ降りようと思ったが、帰りのエレベーターが故障して、1階まで階段で降りていい運動になった。子供と1階の売店を見ていると今度は非常ベルが鳴る。誤報だったが、消防署員が駆けつける騒ぎだった。再び入浴後、夕食の子供用ラーメンの味が忘れられず、家族全員1階の食べ処で夜食に食べた。1杯800円であった。細麺・縮れ麺で、さっぱり味で、酒の後にはちょうど良い味付けである。量はちょっと少ないかな。カラオケコーナーはたいそう盛り上がっているようだったが、子連れの当方は大人しく部屋に戻って就寝。

 翌朝は7時半頃に目覚める。朝風呂を浴びて、夕食と同じ会場でバイキングの朝食。昨夜は夜間で気付かなかったが、窓からの眺望が実にすばらしい。暖冬で雪がうっすらとしかない弥彦山が一望される。眼下には弥彦神社の杜、そして門前町の人並みが見える。駐車場は既に満杯で、順番待ちの車の列が見える。
 さて、朝食のメニューは標準的。どこでもお決まりの朝食メニューが並ぶ。正月なので、餅や雑煮が用意されていた。日頃食欲がなく朝食を食べられない私だが、こういう旅先では食べられる。特にバイキングだとよく食べると家内はバカにする。まさに転地効果であろう。気分の問題というのは大事ですね。

 チェックアウト後、ホテルにそのまま車を置かせてもらって、弥彦神社に初詣に行った。けっこうな賑わいである。おみくじを引いたら悪いことだらけ。家内の方はいいことずくめ。今年が思いやられる。最近私に冷たい家内は何をお願いしたことやら・・・。竹の枝に付けられたスルメを焚かれていた火(何て言うんでしたっけ?)であぶって食べて、無病息災を念じた。スルメは、境内では1000円で売っていたが、門前の土産物店では500円であった。
 さて、旅館に戻って家路につく。総じて料金を考えれば満足の宿であった。そして女性従業員が若くて美人揃いなのは良かった。車を駐車場まで駆け足で取りに行ってくれたのは大したもの。お勧めできる宿であろう。

 今回利用することはできなかったが、宿泊客は、観音寺温泉の上州苑も含めて、弥彦温泉の組合に加入している旅館の風呂が自由に利用できるという特典がある。もちろん入浴料無料である。家族連れでなく、私ひとりだったら数件の梯子をするところなんだけど、家族サービスということでがまんした。ちょっと悔やんでいる。