新潟の温泉を知るための参考書


新潟の温泉を知る上で参考になる書籍を紹介します。
 
新潟の地域情報
新潟温泉大図鑑2004-2005年版ニューズライン,2004.4, \1600 推薦 
新潟県内の温泉施設665湯が紹介されています。温泉めぐり必携の書と言えるでしょう。ただし、新潟の温泉が全て網羅されているわけではありません。
1998年に初版が出版され、2002年には改訂版が出て重宝していましたが、この度最新版が発売になりました。紹介施設の入れ替えがあり、旧版では690施設が紹介されていましたが、新版では665施設に減っています。本文のほか、郡司勇氏によるコラムも興味深く読めます。

現在は2008-2009年版(2008.2、\1600)になっています。紹介施設は560とさらに減りました。
新潟ぶらり日帰り立ち寄り湯(改訂4版):新潟日報事業社,2002.1, \1800 推薦
新潟県内のメジャーな日帰り入浴施設140ヶ所が紹介されています。改訂される毎に入れ替えがあり、消えていった施設が気になります。この本で見る限りは、どこもきれいですばらしく思えますが・・・・
いわゆるセンター系と呼ばれる日帰り施設が中心で、秘湯の味わいは乏しいところがほとんどです。
温泉巡りの入門書としては役立つでしょう。

最新版は改訂7版(2008.10、\1800+税)になっています。
新潟温泉風土記(島津光夫・著):野島出版,2001.6, \1429  推薦
新潟の温泉を科学する上で貴重な本が出版されました。
地質学者である著者が、新潟県の温泉の地質学的分析、歴史などについて詳しく記しています。主な温泉地の歴史、成り立ちがよく分かり、感激しました。なるほどと思う記載が数多くあります。巻末の新潟の温泉の歴史年表、温泉一覧表も参考になります。
ただし、温泉のガイドブックではありませんので、観光目的には役立ちません。
長野・新潟 日帰り温泉山と渓谷社,2000.9, \1400
長野・新潟両県の日帰り温泉施設と日帰り利用できる宿泊施設をコンパクトに紹介しています。
新潟県分として101施設の紹介があるほか、共同湯の紹介もあります。
温泉・宿ガイド 群馬・新潟山と渓谷社,2000.9, \1600
群馬県と新潟県にある温泉135か所とそこにある宿泊施設を紹介しています。
有名温泉地以外にも意外な温泉が同列に紹介されていたりして楽しいです。
観光案内としても役立ちます。旅館のHPアドレスも記載されていて便利です。
これは改訂版ですが、旧版と微妙に内容が異なっていて、読み比べもおもしろいです。
群馬・長野・新潟の日帰り温泉求人ジャーナル,2000.6, \1429
群馬、長野、新潟の日帰り温泉施設297軒を紹介しています。新潟県分としては95軒紹介されています。
大型の本なのですが、写真や空白が大きく、その割りに情報量は多くないのが残念ですが、雲母共同浴場とか湯咲花温泉とか、他のガイドブックにはあまり紹介されていない施設が混じっていたりしておもしろいです。
記者が訪ね歩いた 新潟の温泉宿求人ジャーナル,2000.4, \1200  推薦
新潟の温泉旅館383軒を紹介しています。コンパクトなサイズに情報が満載されており、旅館の立ち寄り湯にも大いに参考になります。
専門の記者が一軒一軒訪ね歩いて作ったといい、主な温泉旅館は網羅されています。温泉周辺の見所ガイドもあります。
また、同じ内容を
HPで閲覧可能です。
効能別 健康湯めぐり北国新聞社,2000.4, \1800
石川、富山、福井、岐阜、長野、新潟の効き目のある天然温泉を薬効別に解説しています。新潟の温泉も26か所紹介されています。
温泉療法医の手による解説であり、療養としての温泉利用の参考になります。
あじわいの湯宿 秘湯・名湯新潟日報事業社,1998.10, 1800
新潟を中心に、山形、福島、群馬、長野、富山、石川の隣接県も含めて、温泉旅館81軒を紹介しています。新潟県分は28軒紹介があります。
大型観光旅館ではない隠れた温泉旅館の紹介です。
ゆったり温泉・公共の宿 250選新潟日報事業社,1998.5 
近県を含めた公共の宿の紹介です。温泉の情報としては乏しいかもしれません。本屋で立ち読みしただけなので、写真はありません。
湯治の宿新潟日報事業社,1998.4, 1800
安くて、効いて、風情がある湯治専門の旅館の紹介です。新潟を中心に、隣接する山形、福島、長野、富山の自炊、半自炊から食事付きまで、湯治の宿210軒を紹介しています。新潟県分としては58軒紹介されています。
観光旅館ではありませんので、念のため。
(現在改訂版が出ています。)
越後・佐渡 もてなしの宿百景新潟日報事業社,1997.10, \1800
大規模〜小規模とさまざまな旅館の紹介です。美味しそうな料理写真が載っており、旅館のパンフレットのような、いかにもと言った感じの旅館案内です。
料理を含めた旅館案内には役立ちますが、温泉の情報は乏しいです。
群馬・信州・佐渡・越後 ぐるっと温泉の旅新潟日報事業社,1996.4, \1000
古い本で内容も古いのですが、細かく読むと新鮮な情報もあります。
ムック型の大型本です。もう絶版でしょうねえ。
いい湯いい旅8・温泉とみどころガイド新潟創作舎,1995.6, \2000
新潟県の全市町村の見どころと温泉を詳細に紹介しています。温泉については152の温泉の源泉数、湧出量などを明らかにしています。絶版になって久しく、データが古くなっており、改訂版の再発行を期待しています。私は、手に入れることが出来ず、図書館で閲覧しました。
 
全国の温泉案内
全国温泉案内JTB,1998.1, \1460
ご存じ一番ポピュラーな案内本です。適宜改訂がされているようです。ひとつひとつの温泉の解説が乏しいのが難点で、実用性は乏しいように思います。
ちなみに、坂本衛氏によれば、ここに出ていないひなびた温泉を超秘湯と言うそうな。
全国温泉大事典(野口冬人著):旅行読売出版社,1997.12, \9524
全国の主な温泉が網羅されており、まさに大事典です。後半の温泉についての総論が大変参考になります。大冊で高額なのが難点です。
日本全国マル秘湯112選(郡司 勇・著):タツミムック,1999.9, \1500
ご存じ温泉チャンピオン・郡司さんの集大成。
その温泉を極めようという姿勢には頭が下がります。
日本の秘湯(日本秘湯を守る会・編):朝日旅行会,1998.7, \750
御存知の日本秘湯を守る会の会員施設の紹介です。これは11版なので古くなってしまいました。一般の書店では販売されていませんが、日本秘湯を守る会の施設で販売しています。
超秘湯!!(坂本 衛・著):山海堂,1997.10, \1700
浴槽もない未利用源泉、住民だけが知る共同湯、個人宅の温泉など、ガイドブックからこぼれた温泉「超秘湯」を紹介しています。
有名温泉に物足りなさを感じたら、これを読みましょう。目からウロコです。
これを読むと温泉の楽しみ方が変わります。B級温泉ファンのバイブル的な書です。
超秘湯に入ろう !(坂本 衛・著):ちくま文庫,2003.4.9, \780 
上記の「超秘湯!!」がついに文庫化されました。内容は古くなりましたが、バイブルとしての価値は失われません。文庫化に際しての加筆がなかったのは残念。
だれも行けない温泉 前人未湯(大原利男・著):小学館文庫,2004.1.1 \733
前著・「誰も行けない温泉・命からがら」は過激な内容すぎて紹介はしませんでしたが、今回は新潟県の温泉の紹介もありますので紹介します。今回は中部日本(長野、新潟、富山、石川、岐阜、静岡、番外)の、題名の如く一般人が簡単に行けないような、ガイドブックには載っていない温泉を紹介しています。新潟からは、南地獄谷、赤湯源湯、称明滝の湯、惣滝の湯、梶山元湯が紹介されています。
この温泉が好きだ!(日本秘湯に入る会・編):岩波書店,2004.11.26 \1500 推薦
私も会員となっている日本秘湯の会の手による温泉本です。「有名な秘湯」以外の「情報が出回っていない温泉」を紹介しています。すべて会員が選び取材した温泉であり、よくあるガイドブックとはひと味もふた味も違います。新潟県からは出湯温泉の「華報寺共同浴場」と「清廣館」、上下浜温泉の「ハマナスふれあいセンター」が選ばれています。
温泉にっぽん  :JAF出版,2004.11.26 \4571
全国1075湯、2788施設を紹介するA4704頁の大著で、値段も高いのが難点です。源泉や浴槽の使い方の情報が秀逸ですが、大きさの割りに中身は薄いようです。事典的な内容を期待したのですが、ただのガイドブックでした。
温泉に関する啓蒙書
温泉学入門-温泉への誘い-(日本温泉科学会・編):コロナ社,2005.5.11 \1200  推薦
温泉の科学的解説のほか温泉と健康、温泉文化まで、平易に解説した良書です。白水先生の「温泉のはなし」につぐ一般向けに書かれた温泉総論の手頃な一冊です。
温泉の未来(甘露寺泰雄、大河内正一、阿岸祐幸、松田忠徳):むまざさ出版,2005.1.31 \1500 
塩素消毒の問題、酸化還元電位の紹介など興味深い内容が多いです。巻末の全国の条例に見る塩素消毒の実情は大いに参考になります。
ウソの温泉 ホントの温泉(鵜飼克郎・著):小学館,2005.1.20 \1143 
白骨温泉問題を最初にスクープした週刊ポストの記者による書。
温泉を専門としない記者が、取材によって温泉の問題と実情を明らかにしていく様は読んでいておもしろいです。
巻末に源泉100%掛け流しの宿200選が掲載されていますが、新潟県は貝掛温泉「貝掛温泉館」と六日町温泉「河原崎湯元館」のみです。
間違いだらけの温泉選び(松田忠徳・著):中経出版,2004.12.24 \1400 
またしてもおなじみ温泉教授・松田先生の新作です。半分はお勧め旅館の紹介です。新潟県からは栃尾又温泉の自在館のみしか紹介されていないのは残念です。
それにしても松田先生は出版社を変えて同じような本をたくさん出されますねえ・・。脱帽。
ホンモノの温泉は、ここにある(松田忠徳・著):光文社新書,2004.10.20 \700
毎度おなじみ温泉教授・松田先生の本です。前作以降に問題となった掛け流し温泉への塩素殺菌、温泉への入浴剤混入、水道水の温泉偽装などの問題について明解に論じられています。源泉至上主義的内容には多少問題も感じますが、温泉法の問題など、温泉にまつわる諸問題を整理するには良い本です。温泉評価法としての酸化還元電位(ORP)は興味深く感じました。巻末にホンモノの源泉掛け流し温泉130が紹介されていますが、新潟県からは関温泉・はつねや旅館、蓮華温泉・蓮華温泉ロッジ、栃尾又温泉・自在館の3つしか紹介されていないのは残念です。
温泉科学の最前線(西村進・編):ナカニシヤ出版,2004.4.30 \2000
日本温泉科学会の手による温泉科学の総説。温泉について専門的に勉強したい人向けです。
これは、温泉ではない(松田忠徳・著):光文社新書,2004.1.20 \700  推薦
「温泉教授の温泉ゼミナールII」という副題が示すように、前著・温泉教授の温泉ゼミナールの続編です。前著が出た当時は、内容が過激的すぎるように感じましたが、その後のレジオネラ集団感染事件で、指摘した問題点がいかに重要であったかが証明されました。レジオネラ対策が優先され、あらたな問題も生じるようになりました。一読をお勧めします。
温泉・法則(石田理夫・著):集英社新書,2003.11.19 \660  推薦
松田教授と並んで温泉に潜む問題点、危険性を指摘する論客。温泉の見極め方、選び方、楽しみ方をわかりやすく解説しています。
生きている温泉とは何か(大河内正一・著):くまざさ出版,2003.11.1 \1000 
温泉のエージング(老化)を測定する酸化還元電位についての解説や、炭酸泉についての解説が興味深く読めます。専門的に勉強したい人向きです。
とっておきの温泉危ない温泉(野口悦男・著):知恵の森文庫,2003.6.15 \648 
「温泉遺産」として残すべき源泉100%の100温泉を紹介。新潟県からは駒ノ湯温泉、六日町温泉(河原崎湯元館)、五十沢温泉、貝掛温泉、赤湯温泉、蓮華温泉、燕温泉が選ばれています。野口悦男氏独特の文体がちょっと気にかかります。
おとなの温泉旅行術(松田忠徳・著):PHP新書,2003.6.2 \720 
またかという感じの松田教授の温泉本です。本物の温泉の見分け方・入り方など、興味深く読めます。巻末の平成温泉番付が面白いのですが、新潟県の温泉は、前頭の末席に松之山温泉があるのみなのは寂しく残念に思います。ちなみに西の横綱は、湯布院と黒川温泉、東の横綱は草津と乳頭温泉となっています。
温泉必携 改訂第9版 (日本温泉協会・温泉研究会・編):日本温泉協会,2003.4.1, \4700
温泉に関連する法令集。温泉の現状が法的にどうなっているのか考える上でまさに「必携」の書です。
日本人は温泉のことを何も知らない (美しい日本の常識を再発見する会・編):学研,2003.4.4, \950                            
参考文献として、ここで紹介している他の書籍がずらりと上がっているのは壮観。逆に言えば、こういう一般書ばかりで、専門文献の引用はありません。つまり、これまで評判になった各書のエッセンスをまとめた書です。どこかで読んだ記載ばかりで、独自の記載がないのは残念です。しかし、さらりと30分位で読める本なので、温泉の問題点を簡単に知るには好都合な本ではあります。
安全な温泉あぶない温泉(中澤克之・著):草思社,2003.3,24 \1300 推薦
レジオネラの問題を実際に現場で関わる温泉衛生コンサルタントの視点で指摘した良書です。
こんな温泉が体の疲れを癒してくれる(井上毅一・著):青春出版,2003.3, \870 推薦
温泉療法医である著者が本物の温泉のチェックポイントについて解説しています。
温泉の活用の仕方を医学的に平易に解説しており、読みやすい書です。
循環湯の危険性や本物の温泉とニセモノの温泉の見分け方など、医者の視点から温泉の問題点について指摘しています。
温泉力(松田忠徳・著):集英社インターナショナル,2002.11, \1400
同じ著者による「温泉教授の温泉ゼミナール」の続編的内容です。
本物の温泉とはなにかを解き明かしています。
温泉達人になる虎の巻(野口悦男・著):マイクロマガジン社,2002.9, \980
温泉宿の裏側、よい温泉宿の選び方など、豊富な経験からの裏情報がたっぷりあります。
読んで楽しい辛口エッセイです。
温泉で健康になる(飯島裕一・著):岩波アクティブ新書,2002.4, \700 推薦
温泉について総論的にまとめた入門書です。
別記の同じ著者による「温泉の医学」を平易にした感じで、読みやすくなっています。
温泉と日本人・増補版(八岩まどか・著):青弓社,2002.1, \1600 推薦
縄文時代から今日に至るまで、日本人と温泉の関係を詳細に歴史的に考察した良書です。なかなか読み応えがあります。
温泉教授の温泉ゼミナール(松田忠徳・著):光文社新書,2001.12, \680  推薦
温泉に潜む問題点をセンセーショナルに指摘した話題の書です。
医者がすすめる驚異の温泉(白倉卓夫・監修):小学館文庫,2001.11, \476
療養としての温泉、正しい入浴の仕方を平易に解説しています。
環境省選定の「国民保養温泉地」を中心とした体に良く効く温泉ガイド付きです。
温泉で、なぜ人は気持ちよくなるのか(石田理夫・著):講談社α新書,2001.4, \800
温泉の歴史、問題点などを分かりやすく解説しています。
名湯の条件、歴史を動かす温泉地の人と事件など、読み応えある良書です。
温泉療法 改訂2版(大塚吉則・著):南山堂,2001.3, \900
温泉医学の専門医が書いた温泉療法の解説書です。
医学書専門の出版社から出ていますが、一般の方にも分かりやすく書かれています。
別冊宝島532・本物の温泉ここが一番!:宝島社,2000.9, \933
石田理夫氏の編・著によるもので、最近の温泉施設の問題点、循環湯の問題、ホンモノの温泉選びのポイント、徹底的に「お湯」にこだわった温泉ベストセレクションなど内容豊富です。その後文庫化されています。
温泉の医学(飯島裕一・著):講談社現代新書,1998.10, \660
温泉の効能について、科学的に詳しくまとめた良書ですが、内容は詳細であり、一般の方には若干難解で読みにくいかも知れません。
温泉のはなし(白水晴雄・著):技報堂出版,1994.8, \1800 推薦
温泉の総説の一般書としては最も優れた良書と言えるでしょう。
温泉に関する地球科学を中心に、温泉の楽しみ、温泉療法など幅広い内容です。
入浴健康法(植田理彦・著):大創産業, \100 推薦
百円ショップ「ダイソー」にあった掘り出し物です。
入浴法について医学的見地から解説されており、充実した内容です。
著者は温泉医学の専門家であり、これで100円とは驚きです。