頼勝寺 第11回音楽会 ヴィヴァルディ「四季」
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2023年6月11日(日) 13:45 阿賀野市 頼勝寺
ヴァイオリン独奏:廣川抄子
第1ヴァイオリン:庄司 愛、第2ヴァイオリン:平山真紀子、ヴィオラ:佐々木友子、チェロ:渋谷陽子
チェンバロ:笠原恒則
 
銀河鉄道999
キャンディキャンディ
「魔女の宅急便」より 海の見える街
「耳をすませば」より カントリーロード
ルパン三世のテーマ
情熱大陸

(アンコール)
となりのトトロ

(休憩20分)

ヴィヴァルディ:「四季」全曲

(アンコール)
チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ

 本日新潟を含む北陸地方は梅雨入りし、小雨が降る生憎の日曜日になりました。今日はどうしようかと思案しましたが、関係者よりお誘いを受けていましたので、思いきってこの演奏会に出かけることにしました。

 阿賀野市の旧安田町の市街地にある頼勝寺では、本堂で定期的に新潟の演奏家による音楽会が開催されており、今回は11回目となります。これまでビデオを見せてもらったりしたことがあり、いつかは聴きに行こうと思っていましたが、なかなか行けず、今回初めて参加させていただきました。

 阿賀野市には私の職場がありますので、いつもの道を車を進めて、頼勝寺の近隣の某所に車を止めました。少し歩いて頼勝寺に到着しましたが、駐車場には車が隙間なく止められており、たくさんの人で賑わっていました。
 受付して中に入り、住職さんに挨拶しました。すでにたくさんの人でびっしりでしたが、関係者席に座らせていただきました。
 受付で配布されたプログラム冊子は、驚くほどに詳細かつ専門的で、その内容の濃さは資料としても貴重なものです。ご住職の音楽への造詣の深さと熱意が伝わってきました。

 開演時間となり、住職さんの挨拶と瞑想の時間を終えて、弦楽四重奏の4人(庄司愛さん、平山真紀子さん、佐々木友子さん、渋谷湯子さん)とチェンバロの笠原恒則さんが登場し、前半の演奏開始です。前半は親しみやすい曲が集められ、笠原さんのMCにより演奏が進められました。
 配布されたプログラムには、気軽に聴き流してしまいそうな曲にも関わらず、各曲の詳しい解説と文化的背景、歌詞に至るまで詳細に記載されており、読み応えがあります。
 弦楽四重奏とチェンバロにより、「銀河鉄道999」と「キャンディキャンディ」が演奏されましたが、新潟が誇るメンバーですので、演奏は素晴らしく、編曲の良さもあって聴き応えあるものでした。
 笠原さんが下がって、弦楽四重奏で「海の見える街」と「カントリーロード」が演奏され、楽しく聴かせていただきました。
 4人が下がって笠原さんのチェンバロ独奏で、お得意のレパートリーでもある「ルパン三世のテーマ」が軽やかに演奏され、チェンバロの新たな魅力を知らしめてくれました。
 弦楽四重奏の4人が戻って、5人で「情熱大陸」を熱く演奏し、拍手に応えて、アンコールに「となりのトトロ」を楽しく演奏して会場を和ませ、前半を終了しました。

 ここで、次回10月29日の第12回音楽会に出演される新潟楽所の代表者による挨拶と演奏会の内容についての説明があり、休憩時間に入りました。

 休憩時間に、プログラムに掲載されているヴィヴァルディの人物像とその生涯、「四季」の解説を読み始めましたが、内容が膨大かつ濃すぎて読みきれませんでした。アンコールで演奏予定のチャイコフスキーについての解説を含め、家に帰ってゆっくりと読みたいと思います。

 後半は、いよいよメインのヴィヴァルディの「四季」です。独奏の廣川抄子さんと弦楽四重奏の4人、チェンバロの笠原さんが登場し、笠原さんの挨拶の後に、「春」「夏」「秋」「冬」の全曲が続けて演奏されました。
 編成としては最少となりましょうが、濃密な本堂の空間であり、音量も熱量も十分でした。廣川さんの独奏ヴァイオリンの素晴らしさ、共鳴し、せめぎ合うバックの5人。新潟を代表するトップ奏者が参集していますので、悪かろうはずがありません。
 各季節が終わるごとにチューニングを挟めて演奏が進行しましたが、全12曲のいずれもが素晴らしいものであり、聴き飽きた感もあるこの曲の魅力を再認識させてくれて、その渾身の演奏にひれ伏すのみでした。特に夏の第3楽章の迫力には圧倒されました。
 あっという間の50分間が過ぎ、本堂を埋めた聴衆に音楽の素晴らしさを知らしめて、感動の渦とともに「四季」の演奏が終了し、大きな拍手が贈られました。

 アンコールに、ご住職からのリクエストというチャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」を演奏し、感動の演奏会は終演となりました。

 新潟の音楽好きなら、このメンバーを見て驚くことと思います。まさに現在の新潟のオールスターです。その素晴らしい演奏を、眼前数メートルで聴くことができて、この上なく幸せな時間を過ごしました。
 廣川さん、庄司さん、渋谷さんは、昨日の新潟A・フィルハーモニックの演奏会にも参加されており、連日の本番ご苦労様でした。

 素晴らしい時間をプレゼントしてくれた6人の奏者の皆さん、そしてこのような音楽会を企画してくれた頼勝寺関係者の皆さんに厚く感謝申し上げます。関係の皆様の益々のご発展を祈念し、小雨がぱらつく中に、頼勝寺を後にしました。
 

(客席: 右側、無料)