新潟交響楽団第101回定期演奏会
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2018年6月24日(日) 14:00  新潟県民会館 大ホール
 
指揮:伊藤 翔
クラリネット:日比野裕幸
 



ヒンデミット:ウェーバーの主題による交響的変容

ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番 へ短調

 (ソリストアンコール) 荒城の月


(休憩15分)

ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」

 (アンコール) ブラームス:ハンガリー舞曲第10番
 

 昨年秋に記念すべき第100回定期演奏会を開催した新潟交響楽団ですが、今回は101回目ということで新たな歴史の始まりです。
 今回のメインは「英雄」ですが、ウェーバーのクラリネット協奏曲がプログラムされ、大学生以下のクラリネット経験者は無料招待というのも注目されます。夏の公演ということで、例年通りに県民会館での開催です。今回も出演されるK先生よりチケットをいただきました。ありがとうございました。

 梅雨とは思えない好天の日曜日。日差しが強く、日向は暑いですが、日陰は涼しい風が吹き、清々しさを感じました。このまま気温が上がらなければ良かったのですが、次第に暑さが厳しく感じられました。

 雑務を片付け、いつものように上古町の楼蘭で冷やし中華大盛りを食べ、ゆっくりと県民会館に赴きました。開場30分前でしたが、ちょうど開場待ちの列ができはじめたところで、私もその列に並びました。
 市民オーケストラとして親しまれ、日本有数の長い歴史を誇る新潟交響楽団は、毎回老若男女で賑わい、その人気のほどがうかがえます。列は次第に長くなり、開場時間が若干早められました。開場とともに入場し、自由席の場合の私の定席である2階最前列正面に席を取りました。

 開演時間となり、団員が入場。1曲目はヒンデミットの「ウェーバーの主題による交響的変容」です。前半のメインであるウェーバーにちなんで、ウェーバーの名が冠されたこの曲が選ばれたのでしょうか。
 この作曲家は好きでもなく、曲を聴く機会もほとんどありません。この曲を聴くのは2000年11月の東京交響楽団第9回新潟定期演奏会で、パーヴォ・ヤルヴィの指揮で聴いて以来となりますが、当時の記憶はありません。今日の演奏は性格の異なる各楽章の対比が面白く、ダイナミックな演奏と相まって、オーケストラの良さを味わえて聴き応え十分でした。

 2曲目は編成が小さくなり、ウェーバーのクラリネット協奏曲です。ソリストは日比野さん。私は存じ上げませんでしたが、仙台フィルに長く所属され、演奏に、指導に活躍されているそうです。
 クラリネット協奏曲はあまりありませんが、モーツァルトとならんで、ウェーバー作曲の3曲の協奏曲はよく演奏されるとのことです。とはいうものの、私はこれまで実演を聴いたことがありませんでした。
 調性の変化が聴き所なんだそうですが、音楽の素養のない私にはよく分かりませんでした。日比野さんの演奏の素晴らしさもあって、楽しく聴かせていただきました。超絶技巧のアンコールもすごかったです。

 後半はベートーヴェンの「英雄」です。最初の一音がこの演奏のすべて物語っていたと思います。第一印象は明るい音。重々しくなく、軽さも感じる明るい音でした。この印象が一貫して貫かれ、流れるように爽やかな演奏でした。第2楽章の葬送行進曲も重々しくなく、さらりとした感じでした。第3、第4楽章は軽快に飛ばし、渓流下りをしているような感じを受けました。雄大な大河の流れではなく、やはり渓流。もっとスピード感のある流れというのが私の感想です。
 第3楽章のホルンや第4楽章冒頭のピチカートなど、聴かせどころはばっちりと決めていい演奏でした。アンコールにブラームスのハンガリー舞曲を演奏して終演となりましたが、10番というのは渋かったですね。

 私の席は県民会館の2階最前列でしたが、いつもこの場所で聴く音とは若干違って聴こえ、遠くで鳴っているような、ちょっと薄味のサウンドに感じました。オケの編成が12-12-8-8-6と小型だったせいもありましょうか。演奏そのものは素晴らしかったです。

 次回の定期演奏会は11月18日(日)14時、りゅーとぴあで開催されます。指揮は伊藤さん。ワーグナーの「ジークフリート牧歌」、ドビュッシーの「海」、メンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」がプログラミングされています。楽しみですね。
 また、9月9日(日)には合唱団にいがたの結成25周年記念コンサートに協力出演し、ベートーヴェンの合唱幻想曲、フォーレのレクイエム他が演奏されま。これも注目されます。


  

(客席:2階1-18、 ¥1000)