国立音楽大学新潟県同調会 第40回記念くにたちコンサート
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2018年6月10日(日) 14:00  新潟市音楽文化会館
 
ピアノ: 山下洋輔
ソプラノ: 本島阿佐子
 
第1部 山下洋輔

山下洋輔:ゆずり 葉の頃
山下洋輔:やわらぎ
山下洋輔:オンリー・ルック・アット・ユー
ラヴェル:ボレロ

(休憩15分)

第2部 本島阿佐子&山下洋輔
     歌とジャズピアノで物語る童謡

吉丸一昌/中田章:早春賦
武島羽衣/瀧廉太郎:花
加藤まさを/佐々木すぐる:月の沙漠
野口雨情/中山晋平:シャボン玉
中村雨紅/草川信:夕焼け小焼け
熊本地方民謡:五木の子守唄
北原白秋/中山晋平:砂山
作者不詳/文部省唱歌:雪
高野辰之/岡野貞一:故郷

(アンコール)
サマータイム
星に願いを
浜辺の歌

 梅雨入りはまだながら、曇り空でどんよりとした天候が続いています。気分もどんよりですが、良い音楽を聴いて気分転換を図りましょう。
 今日もたくさんのコンサートが同時刻に開催されて選択に困ってしまいます。どこに行こうか悩んでしまいますが、このコンサートを選びました。

 国立音楽大学の同窓生(同調会)による「くにたちコンサート」が毎年開催されており、私も以前聴かせてもらったことがありました。今回は第40回記念ということで、国立音大の出身で、日本を代表するジャズピアニストである山下洋輔さんと、国内外で活躍されているソプラノの本島阿佐子さんが出演されます。どんな演奏を聴かせてくれるのか期待を持ってコンサートに臨みました。

 ゆっくりと昼食を食べ、早めに白山公演駐車場に到着。少し時間がありましたので、信濃川べりを散策しました。川面を吹きわたる風が心地よく、大きく深呼吸してリフレッシュしました。

 まだ開場には早いかと思いながらホールに行きますと、すでに開場待ちの列ができていて、私もそこに並びました。ご妙齢のご婦人方が多くて圧倒されそうでした。

 時間となって入場し、前方に席を取りました。後方は席に余裕かありましたが、前方はかなり混み合っていました。
 開演時間となり、山下洋輔さんが登場。前半は山下さんのピアノ独奏です。基本は即興演奏であり、音楽の噴水が湧き出るがごとく、色彩感溢れる音の洪水に身を委ねました。演奏以外にも山下さんの楽しくも含蓄のあるお話もたっぷりとあって良かったです。圧巻はやはりボレロでしょう。参りましたというしかありません。

 休憩後の後半は本島さんと山下さんの共演です。本島さんは上が銀ラメ、下が赤のドレスで登場。日本の童謡をジャズピアノとともに歌おうという趣向です。
 歌のメロディはそのままに、山下さんの変幻自在なピアノが絡み合って、新たな音楽世界を作り出し、お馴染みの童謡からこれまでにない魅力を生み出していました。
 山下さんのピアノに応えて、本島さんもジャズシンガーの如く歌い上げ、さすがと唸らせました。なお、山下さんのお母さんは新潟出身とのことであり、私の席の後ろにおられました。

 アンコールを2曲歌い、最後は客席と「浜辺の歌」を合唱して終演となりました。本島さんの歌ももちろん良かったですが、今日の主役は山下さんです。自由に形を変えながら、生き生きした音楽を生み出すさまを目の当たりにして、心踊る時間を過ごしました。いい演奏でした。
 

(客席:7-9 ¥3500)