東響ロビーコンサート 弦楽四重奏
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2017年12月3日(日)13:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール ホワイエ
 
Vn1:福留史紘、Vn2:水谷 晃、Va:大角 彩、Vc:伊藤文嗣
 

ヒンデミット:朝7時に湯治場で二流のオーケストラによって
        初見で演奏された「さまよえるオランダ人」序曲

ヴォルフ:イタリア風セレナーデ

シュルホフ:弦楽四重奏のための5つの小品
       T.ウィンナーワルツのように
       U.セレテナータのように
       V.チェコ風に
       W.タンゴ・ミロンガ風に
       X.タランテラ風に

(アンコール)
  ハイドン:ロシア四重奏曲第2番「冗談」 第4楽章
 

 東京交響楽団新潟定期演奏会の日に恒例の無料のロビーコンサートです。毎回趣向を凝らしたプログラムで楽しませてくれるほか、東響の団員と身近に接することのできる貴重な機会です。

 今日は朝は青空が広がって気分も晴れやかになりましたが、昼になる頃から雨雲が空を覆い始め、雨が降ったり風が吹いたりと、いつもの冬の天気になってしまいました。

 りゅーとぴあに着きますと、劇場での催しの開場待ちの列が長く伸びていて、ロビーは賑わいを見せていました。コンサートホールのホワイエではちょうどロビーコンサートが始まろうとしていて、奏者がちょうど入場しようとしているところでした。

 開場のざわめきの中、ヒンデミットのユーモラスな曲で開演しました。楽譜通りに弾くと下手な演奏に聴こえるようにできている曲で、ナチスドイツを皮肉ったり、下手なオケの演奏者を皮肉ったりしているといわれている曲だそうですが、有名なワーグナーのメロディをいかにも下手に弾くのが大変そうでした。下手に聴こえたというのは、いい演奏だった証拠です。楽しく聴かせていただきました。

 ここで福留さんによるメンバー紹介がありました。いつもは第2ヴァイオリンの福留さんが第1ヴァイオリンをやり、コンマスの水谷さんが第2ヴァイオリンというのが面白いですが、水谷さんは弦楽四重奏では第2ヴァイオリンを得意としているそうなんですね。
 なお、紅一点の大角さんは先日の大谷康子さんのコンサートにも参加されていて、2週連続の新潟遠征ご苦労様です。

 続いては普通の演奏ということで、ヴォルフの曲が演奏され、美しいアンサンブルにうっとりと聴き入りました。そして5曲からなるシュルホフの曲が演奏されました。前衛的な響きや不協和音などもありましたが、副題が付いた5曲がそれぞれの曲調で演奏され、曲の対比が面白かったです。

 アンコールは口直しということでハイドンが演奏されました。しかし、ただで終わるはずはなく、「冗談」という副題がついたこの曲を楽しませてくれました。演奏者もしめしめと思ったに違いありません。(聴いた人でないと分からないでしょうが・・)

 時間も40分を超えて、充実した内容で良かったです。無料で一流の演奏を聴けるお得なコンサートであり、たくさんの人に聴いてもらいたいですね。次回は1月14日、水谷晃さんと木村正貴さんによるヴァイオリン二重奏です。是非お聴きください。

 

(客席:正面後方、無料)