第21回武蔵野音楽大学同窓会新潟県支部演奏会
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2017年8月11日(金)13:30 だいしホール
 
 
ピアノ:富樫 萌
  チャイコフスキー:ドゥムカ 作品59

ソプラノ:佐藤晶子、田中里絵 ピアノ:永井典子
  チレア:歌劇「アドリアーナ・ルクヴルール」より
       私は創造の神の卑しい僕(佐藤)
       苦い喜び、甘い責め苦(田中)
       お返事がない・・・開けて下さい!(佐藤、田中)
       侘しい花(佐藤)

(休息15分)

フルート:齋藤佳菜子、ピアノ:熊木麻子
  尾高尚忠:フルート協奏曲 第1楽章、第3楽章

ソプラノ:佐合里佳、ピアノ:遠藤栄子
  レスピーギ:ストルネッロを歌う女
         対比
         舞踏会への誘い
  ベッリーニ:歌劇「海賊」より
         ああ、目の前にきる雲を〜無邪気な微笑み〜
 

 今日は山の日。せっかくの休日ですので、山登りでもすれば良いのでしょうが、行楽に出かける元気もなく、音楽に親しむことにしました。三越で「ねこ休み展」を見て、三吉で中華大盛りを食べ、本屋で時間調整して、おもむろにだいしホールへ向かいました。

 当日券を買って入場。客の入りとしましては、ほどほどで、ゆったりと聴くことができました。出演の皆様は、当然ながら武蔵野音楽大学を卒業され、新潟で活躍されている方々でいらっしゃいますが、失礼ながら、これまで存じ上げていませんでした。今日が初めてであり、どんな演奏を聴かせてくれるか楽しみでした。

 トップバッターは富樫さんです。クリーム色のドレスで登場。最初のためか緊張感が漂い、力が入りすぎかなと思いましたが、ダイナミックな演奏で壮大な音楽を聴かせてくれました。

 続いてはソプラノの佐藤さん、田中さんにより、チレアの歌劇の場面が演じられました。ピアノは永井さんです。まず、ピンクの花柄のドレスの佐藤さんが登場し、ホールいっぱいに響き渡る声量豊かでドラマチックな歌声で魅了しました。突き抜けるような歌声は存在感があり、風格を感じさせました。
 次は、黒地にピンクの模様の田中さんが登場。佐藤さんに比して声量は若干劣りますが、落ち着きのある歌声で魅了しました。
 続いては二人の競演です。オペラの場面が眼前に広がるような、迫力ある劇的な歌いぶりに感動しました。永井さんのピアノも素晴らしく、狂乱の場面を見事に演出していました。そして最後は佐藤さんのアリアで、切々と感情豊かに歌い、感動の涙を誘いました。
 二人とも堂々たる歌いぶりで、小さなだいしホールが、オペラ劇場に変貌したかのような錯覚を感じました。特に佐藤さんの存在感は抜群でした。

 休憩後は齋藤さんのフルートで、ピアノは熊木さんです。齋藤さんはブルーのドレスで登場。熊木さんのサポートを得て、軽快に、爽やかに飛ばしました。なかなか聴き応えのある演奏でした。

 最後を飾るのはソプラノの佐合さんです。ピアノは遠藤さんです。佐合さんはミントブルーのドレスで登場。レスピーギの歌曲を3曲歌った後、ベッリーニのオペラの劇的な場面を感情豊かに、鮮烈に歌いました。声量豊かで圧倒するような歌声には風格が漂い、円熟の歌声はコンサートのトリを飾るにふさわしく感じました。

 最後に何かあるかと思ったのですが、そのまま終演となりました。1時半の開演で、終演が2時47分。もう少しボリュームがあったらなお良かったかもしれません。でも、若手にベテランと、内容の濃い演奏で楽しませていただきました。
 

(客席:F-5、当日券:¥2000)