334 史佳、廣川抄子、庄司愛、佐々木友子、渋谷陽子、松井リカ
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2015年5月10日(日) 18:45  新潟市民芸術文化会館 能楽堂
 
三味線:史佳Fumiyoshi
ヴァイオリン:廣川抄子、庄司愛
ヴィオラ:佐々木友子
チェロ:渋谷陽子
パーカッション:松井リカ
 
パシオンの冒険〜三味線と弦楽四重奏


十三の砂山

津軽三下り

三善晃:星の星座 弦楽四重奏曲第V番

小林史佳:Roots〜tabibito〜

和田啓:ダブルスコープ〜津軽三味線とカルテットのための協奏曲〜

即興曲 improvisation

(アンコール)
津軽じょんから中節
 
 
 

 今年のLFJ新潟の最終公演は、劇場と能楽堂とで行われましたが、能楽堂でのこの公演を選択しました。劇場でのオリヴィエ・シャルリエさんが率いるフォル・ジュルネ・カメラータも魅力的でしたが、演目のブラームスの六重奏曲は昨年の最終公演でも演奏されていて聴いていますので、今回はこちらを選びました。

 チケット完売であり、能楽堂は満席となりました。史佳さん目当ての客が多数を占めているようであり、開演前から何となく盛り上がった空気が漂っていました。

 この公演の主役は人気三味線奏者である史佳さんなのでしょうが、私の目当てはバックを支える廣川さん、庄司さん、佐々木さん、渋谷さんのカルテットです。
 いずれも新潟を代表する女性奏者であり、私が大ファンであることは過去の記事をご覧になればお分かりのことと思います。
 なお、当初はクレジットされていませんでしたが、パーカッションの松井さんが加わりました。

 弦楽四重奏とパーカションをバックに、スーツ姿の史佳さんの演奏が進められました。和と洋が融合した不思議な音世界を創造していました。
 史佳さんの三味線はいうまでもなく、バックを支える弦楽四重奏が素晴らしく、パーカッションの松井さんも良かったです。松井さんがいなかったら、味気ない演奏になっていたかもしれず、絶妙のスパイスとなっていました。

 史佳さんと松井さんが一時退席し、弦楽四重奏の演奏がありましたが、4人の実力を知るにふさわしい演奏でした。三善晃の曲は馴染みにくかったですが、4人のアンサンブルが抜群であり、弦楽四重奏団としての今後の活動が期待されました。

 紋付袴に着替えた史佳さんが再登場して、オリジナル曲が演奏されました。正統的津軽三味線とは違って戸惑う面もありましたが、見事な撥さばきに聴きほれました。

 アンコールに本来の津軽三味線を演奏して、興奮と感動の中に終演となりました。LFJ新潟の最後を飾るにふさわしい盛り上がったステージになりました。

 ただし、会場には史佳さんのファンクラブの方々が多数を占め、ちょっと場違いなところに来たようにも感じました。でも、演奏そのものは素晴らしく、史佳さんの魅力を知るには良かったです。もちろんバックの弦楽四重奏も良くて、是非このメンバーでの活動を期待したいです。
   

(客席:正面2−10、¥2000)