トリオ・ベルガルモ演奏会 名曲の扉
←前  次→
2014年4月12日(土) 14:00  新潟市民芸術文化会館 スタジオA
 
トリオ・ベルガルモ
Vn:庄司 愛、Vc::渋谷陽子、Pf:石井朋子
 


ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第4番 変ロ長調 Op.11 「街の歌」

ハーゲン:ピアノ三重奏曲 第3番 「Wayfaring Stranger」

(休憩15分)

メンデルスゾ−ン:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 Op.49

(アンコール)
パッヘルベル:カノン
 
 
 新潟の桜も本日満開となりました。朝から青空が広がり、絶好の行楽日和となりました。今日は久しぶりに土曜休みをいただき、ゆっくりと過ごさせていただきました。

 昼食を摂り、白山公園を散策しましたが、満開の桜の下で、花見を楽しむ方々で大賑わいでした。吹き渡る風も心地良く、まさに春爛漫です。鉛色の冬空から開放された喜びを感じます。

 しばし花見を楽しみ、スタジオAへと向かいました。今日は大ファンであるベルガルモのコンサートです。昼夜の2回公演ですが、夜を待ちきれず昼を選びました。
 開場とともに入場。私が1番でした。だからなんだと言われそうですが、ファンとしましては、1番乗りは自己満足できます。1列目に席を取り開演を待ちましたが、やや左寄りの席で、楽譜を見る渋谷さんの視線と合う絶好のポジションです。

 緑色のドレスの庄司さん、ブルーのドレスの渋谷さん、濃紺のドレスの石井さんが登場し、ベートーヴェンで開演です。
 名曲とはいえ、室内楽に疎い私にとっては、おそらくは初めて聴く曲でしたが、3人の息の合った演奏で、楽しむことができました。石井さんのピアノは抑え気味。渋谷さんのチェロは音量豊かに朗々と響き、その上に、ちょっと繊細な庄司さんのヴァイオリンが歌っていました。

 続いてのハーゲンは2006年の作品ですが、現代曲らしからぬ親しみやすい曲で、ダイレクトに心に響いて楽しめました。第2楽章、第4楽章などは、まるで映画音楽のようで、ジブリの映画に出てきそうでした。前後の楽章と対称的に激しい第3楽章は、現代音楽を感じさせて、いいスパイスになっていました。
 当然初めて聴く曲でしたが、こういう曲を知ることができたのは収穫でした。この曲を聴けただけで満足にすら思えました。「名曲の扉」と謳っていながら、ベートーヴェンとメンデルスゾーンの間に、こういう秘曲を忍ばせるなんて、さすがにベルガルモは一味違いますね。

 休憩後はメンデルスゾーン。前半で十分満足できましたので、ほどほどで良いと思っていたのですが、大いなる誤算でした。
 第1楽章から3人のせめぎ合いが繰り広げられ、石井さんのピアノも全開。三人三様の息詰まる演奏に、高揚感を感じました。燃え上がるような演奏に圧倒され、第1楽章でブラボーを叫びたいほどでした。その後の演奏も素晴らしく、これまで聴いたベルガルモの演奏の中でも、屈指の名演奏ではなかったでしょうか。

 アンコールにカノンを静かに演奏して終演となりましたが、大満足の演奏会でした。今夜もきっと素晴らしい演奏を聴かせてくれることでしょう。20日には長岡公演も予定されています。長岡の皆さんも是非お聴きください。

 トリオ・ベルガルモは今年結成10周年です。7月26日には、だいしホールで10周年記念のコンサートが開催されます。新潟が誇る3人のミューズたち。これからの益々の活躍を、陰ながら応援したいと思います。
 
  
   
(客席:1列目正面やや左、¥2000)