水野紗希&小黒亜紀 Duo Concert
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2013年8月24日(土) 14:00  だいしホール
 
ヴァイオリン:水野紗希
ピアノ:小黒亜紀
 
第一部

ショパン:ノクターン 変ホ長調 op.9-2
ショパン:ノクターン 嬰ハ短調 遺作

ショパン:バラード第1番 ト短調 op.23 (ピアノソロ)
ショパン:幻想即興曲 嬰ハ短調 op.66 (ピアノソロ)
ショパン:エチュード イ短調 op.25-11 「木枯らし」 (ピアノソロ)
ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調 op.53 「英雄」 (ピアノソロ)

ドビュッシー:月の光

(休憩15分)

第二部

ファリャ:スペイン舞曲
浜辺の歌
夏の思い出

J.S.バッハ(ブゾーニ編):シャコンヌ (ピアノソロ)

水野紗希:Ave Maria
水野紗希:零度
ポンセ:エストレリータ
クライスラー:プレリュードとアレグロ

(アンコール)
水野紗希:Wings
 
 
 

 新潟の若手ピアニストでは最も活躍し、輝いている小黒さん。12人のヴァイオリニストで活躍されている水野さん。どういうつながりなのかは分かりませんが、若い美女二人のコンサートは魅力的です。
 実は、4月にあった小黒さんのリサイタルが、LFJ新潟と重なっていて行けず、と言うよりは、LFJ新潟を蹴ってでも行くべきだったと悔やんでいましたので、このコンサートの開催を知り、是非にと駆けつけたしだいです。

 開場時間に会場入りしましたが、なかなか開場されず、5分ほど遅れての開場となりました。ホールに入ると、中央の前3列は着席できないようになっていましたので、4列目に席を取りました。

 5分ほど遅れて開演。水野さんは黄色、小黒さんは白いドレスで登場。期待通りの美しさです。小黒さんのキュートさはいつもの通り。水野さんは髪を下ろしていて、チラシの写真よりずっときれいです。

 トークを交えながら演奏が進められました。最初の2曲は、ショパンのピアノ曲をヴァイオリンで弾くという趣向。ピアノとヴァイオリンが見事に癒合し、気持ちよい演奏で、ゆったりと聴き入りました。
 続いての4曲は、小黒さんのピアノ独奏で、小さな体からは想像できなくらいの、パワフルな、情熱あふれる演奏に驚嘆しました。さすがに小黒さん、選曲もピッタリで期待を裏切りません。
 前半最後は、再び水野さんが登場して、月の光でしっとりと締めくくりました。小黒さんの伴奏もきれいで、輝きを感じました。

 後半は、水野さんは水色、小黒さんはピンクのドレスに衣裳替え。水野さんは髪を後ろに束ねての登場です。最初は、水野さんが情熱的なファリャを演奏し、日本の歌で口直しとなりました。

 その後、再び小黒さんの独奏でシャコンヌ。これは凄かったです。4月のリサイタルで聴けなかった伝説の名演を、ヴァージョンアップして聴くことができてラッキーでした。こんな凄い演奏を、新潟の地元の演奏家で聴けるなんて、驚くべきことです。魂を揺さぶるような、パワフルな演奏を、ピンクのドレスのかわいらしい女性が演奏しているというのは、信じられない光景でした。
 
 続いては、水野さんの自作の曲。聴きやすい美しい曲でした。特に零度はなかなかいい曲でした。その後、エストレリータをしっとりと演奏し、クライスラーで力強く締め、アンコールに再び自作曲を演奏して終演となりました。

 振り返って、水野さんの演奏は癒されるようなもので、美しかったですが、イージーリスニング的な曲ばかりで、実力を知らしめるような、本格的なヴァイオリン曲があまりなかったのは少し残念でした。小黒さんが演奏したシャコンヌをヴァイオリンで演奏してくれたら面白かったように思います。
 小黒さんは、独奏に伴奏に、終始出ずっぱりでご苦労様でした。繊細さとパワフルさを併せ持ち、聴く者の心に訴えかける情熱あふれる演奏は、文才のない私にはとても表現しきれません。凄いとしか言いようがありません。

 終演後お二人はロビーに出てきて、挨拶してくれました。今日は水野さんのCDが出来上がってきたそうなのですが、だいしホールは物品の販売禁止なので、販売ができず、コンチェルトさんでCD販売とサイン会をされるとのことでした。私も駆けつけたかったですが、所用があって行けませんでした。だいしホール主催公演ではCD販売しているのに、一般公演では禁止というのもかわいそうですね。

 美しい水野さんの美しい演奏に酔いしれ、小黒さんの情熱あふれる演奏にノックアウト。非常に内容の濃いコンサートで、大満足でした。
  

(客席:D−6、¥3000)