プラハ室内歌劇場 「魔笛」
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2008年9月13日(土) 19:00  長岡市立劇場大ホール
 
 

モーツァルト:「魔笛」 全2幕   

   指揮:マルティン・マージク
   演奏:プラハ室内歌劇場管弦楽団、合唱団

    ザラストロ:イヴァイロ・グベロフ
    夜の女王:エレナ・ガズディーコヴァー
    タミーノ:ローバート・レメセルニーク
    パミーナ:イヴェタ・イルジーコヴァー
    パパゲーノ:ヴラディミール・フメロ
    パパゲーナ:リブシュ・ミリャースカー  ほか

  序曲・・第1幕・・・・(休憩20分)・・・・第2幕

 
 

 今年の新潟県内のプロのオペラ公演は、長岡市のこの公演と、11月末に新潟市で開催されるワルシャワ室内歌劇場の「フィガロの結婚」の2公演しかありません。何ともさびしいですが、地方はこんなものです。演目も新鮮味がありませんが贅沢を言うことはできません。ワルシャワ室内歌劇場は過去に何度か観ていますし、潟響定期と重なっていますのでパスすることとしました。この公演もどうしようかと思いましたが、プラハ室内歌劇場は初めてですし、何と言っても低料金でしたので、はるばる長岡まで遠征しました。

 仕事を終えた後、4時過ぎに長岡に出発、腹ごしらえをしてホールに向かいました。着くとほどなく開場となりました。ロビーに集まっていた客を、開場直前にわざわざ整列させた意味はよく理解できず、係員に不平を言っている人もいました。満席ではありませんが、結構な入りのように思います。長岡市立劇場は何度か来ていますが、ワンフロアで、横幅があるものの奥行きが狭く、ステージが見やすいように思います。私の席からもステージが間近に感じられました。オケピットは客席を取り払っただけですから、客席と一体に感じられ、指揮者も楽員もよく見えていいなあと思いましたが、逆に前方の席の人は指揮者が視界のじゃまになるかも知れません。

 序曲で演奏開始。オケがなかなかいい音で響いてきました。緞帳が上がり、おとぎ話の始まりです。簡素なセットでしたが、必要十分に思われました。2階になっていて、立体感を生んでいました。見ない人にはわからないでしょうが、衣裳がセットにもなるという趣向も面白かったです。出演者は、パパゲーノは声もよく通り、いい味を出していましたが、タミーノは始めは声が出ず、音程も不安定でした。話が進むに連れ、だんだん声が出るようになりましたが、音量不足に感じました。夜の女王も声が細く、声量が他の出演者に比して明らかに劣っていました。あの有名な夜の女王のアリアは、単独で聴けばすばらしいできだと思いますが、流れの中で聴くと、ひ弱さが感じられ、女王の貫禄は感じられませんでした。ザラストロはいい声で、存在感がありました。侍女役の3人もいい声で、コミカルな演技が光っていました。しかし、最も良かったのはパミーナでした。容姿も美しく、声がよく通り、すばらしいできだったと思います。今後の発展が期待される歌手だと思います。
 終演は21:40。あっという間のひとときでした。娯楽として十二分に楽しませてくれました。演奏も、歌も、演技も大変優れていました。室内歌劇場というと普通の歌劇場のワンランク下じゃないかという先入観を持ってしまいがちですが、そんなことはなく、なかなかすばらしいオペラ団体です。実際、プラハ国立歌劇場、プラハ国立劇場、チェコ・フィルなどの中心メンバーから構成されているとのことです。

 今日の公演は長岡市芸術文化振興財団主催ということで、低料金に抑えられており、外来のオペラをこの値段で観ることができたのはお得だったと思います。公演の質も高く、大いに満足させていただきました。客席も盛り上がり、最後はスタンディング・オベーションとなりました。舞台も観やすく、音響も良かったと思います。PAを使用していたように思いますが、若干の違和感を感じる場所があったものの嫌みがなく、効果音も効果的でした。新潟県民会館より観やすく、いい音がしました。はるばる新潟から遠征してきた甲斐はありました。

 さて、プラハ室内歌劇場の公演ツアーは、「魔笛」、「フィガロの結婚」、「セビリアの理髪師」の3演目で、9月12日から10月5日まで、全国で全18公演行われ、長岡公演は2日目に当たります。これから過密スケジュールが続きますが、各地ですばらしい演奏を聴かせてくれるものと思います。
 

(客席:19−15、S席:8000円)