新潟交響楽団 第81回定期演奏会
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2007年11月25日(日)14:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:船橋洋介
 
デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」

ドビュッシー(ビュッセル編曲):「小組曲」
             (小舟にて、行列、メヌエット、バレエ)

(休憩15分)

サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調 op.78「オルガン付き」

(アンコール)
ラヴェル:ボレロ

 
 

 昨日の大荒れの天気がうそのように晴れ渡った穏やかな日曜日です。これから鉛色の空が続く新潟の冬。太陽の光を精一杯浴びようと早めに家を出ました。日頃行けない大型書店やCDショップに行ったり、高層ビルの展望台から市内を眺めたりと有意義な時間が過ごせました。
 1時過ぎにりゅーとぴあに着くとすでに開場待ちの行列ができており、私もその列に加わりました。少し早めに開場が始まりましたが、2階Cブロックは指定席になっており、私は3階Iブロック最前列のお気に入りの場所を確保しました。だいたい7割ほどの入りでしょうか。本日の演目はオールフランス物です。

 拍手の中楽員が入場して1曲目はデュカスの「魔法使いの弟子」。最初は弦のざらつきが気になりましたが、その後は安定し、ダイナミックないい演奏だったと思います。
 2曲目はドビュッシーの「小組曲」。管楽器が頑張ってくれて優しく爽やかな演奏でした。良かったです。

 休憩後の後半はサン=サーンスの「オルガン付き」です。9年前のりゅーとぴあ開館記念コンサートでも演奏された曲であり、りゅーとぴあの誇るパイプオルガンの魅力を知るに最適な曲です。演奏は破綻もなく、劇的に盛り上げてくれました。第1楽章第2部でのオルガンの出だしは何度聴いてもジーンとしてしまいます。オルガンの重低音と弦がからみ合いながら奏でる甘い旋律は数ある交響曲の中でも屈指のアダージョ楽章じゃないでしょうか。そして最大音量のオルガンの和音で始まる第2楽章第2部の興奮。ホールとオルガンとオーケストラが一体となって、音の大伽藍を形作ります。潟響の演奏のすばらしさに驚嘆しました。ブラボーの声が上がりましたが、最近の潟響の演奏の中でも最高の演奏じゃなかったかと思います。
 アンコールにボレロが演奏されましたが、これはなかった方が良かったかも知れません。挑戦した気概には賞賛を送りたいですが、アンコールで演奏するには難曲過ぎたかと思います。もっと演奏しやすく盛り上がるアンコールピースはたくさんあるのに、と不平を言うのは贅沢すぎますね。それだけ本プロの演奏がすばらしかったということです。

 潟響は船橋先生を迎えて一皮むけて、オケとしての音色に色が付き、魅力的になったように思います。残念なことに船橋先生との契約は今年限りとのことです。全身を使ったエネルギッシュな指揮ぶりと、そこから作り出される生き生きとした音楽は忘れられません。もっと長期に指導してもらえたらいいのにと部外者なのに勝手に嘆いています。
 来年の指揮者は松沼俊彦氏とのことです。調べてみたらハンガリー・ブダペスト国際指揮者コンクールにて第1位受賞するなど、国内外のオケに客演を重ねられており、期待が持てそうです。来年どのように潟響が変身するか楽しみにしましょう。

(客席:3階 I 1-9、自由席:1000円)