TOKI 弦楽アンサンブル
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2007年8月3日(金) 19:00  新潟市音楽文化会館
 
TOKI弦楽四重奏団+2
  ヴァイオリン:サイモン・ブレンディス、平山真紀子
  ヴィオラ:鈴木康浩、小熊佐絵子
  チェロ:上森祥平、横坂 源
 
シルコフ:弦楽四重奏曲第1番より 第1楽章

R.シュトラウス:歌劇「カプリッチョ」作品85より 弦楽六重奏曲

ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番 ハ短調 作品18の4

(休憩15分)

チャイコフスキー:弦楽六重奏曲 ニ短調 作品70「フィレンツェの思い出」

(アンコール)
成田為三:浜辺の歌
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番

 
 

 今日は新潟まつりの大民謡流し。こんな日にコンサートを開催するというのも風流ですね。新潟甚句や佐渡おけさを踊るより、音楽を聴いているほうが私には合ってます。仕事を早めに切り上げて会場に向かいました。祭りで混雑しているかと思ったのですが、駐車場は意外にも空いていました。
 さて、今日のコンサートは、新潟に縁のある演奏家で結成されたTOKI弦楽四重奏団に、新潟出身の小熊、横坂が加わっての6人によるコンサートです。地縁・血縁のある方々が多数集まっているらしく、挨拶しあっている姿が目につきました。出演者のお父様の新潟県の前知事も受付前で来場者に挨拶されていました。ということで、私がよく行くコンサートの客層とは明らかに異なります。平均年齢は相当に高そうです。客の入りは良くて、8割くらいは入っているようでした。

 ホールの照明が落とされ、真っ暗の中、四重奏団員が客席左前のドアから入ってきて、車椅子席のあたりに椅子を置き、プログラムにない曲の演奏を始めました。客は不意打ちを食わされたようでポカーンと聴き入っていました。音楽を身近に楽しんでもらいたいという演出だったそうです。客席の中での演奏とはいいアイデアです。作曲者も全く知らない曲でしたが、緊迫感のある演奏で、楽しませてくれました。

 その後にいよいよ本来のプログラムですが、曲順が変更されて、R.シュトラウスからになりました。並びは、左からブレンディス、平山、小黒、鈴木、上森、横坂の順。期待に反して、いや期待以上にすばらしいアンサンブルに驚きました。各奏者とも実力者揃いですから当然かもしてませんが、音楽を楽しませてくれました。
 2曲目は4人でベートーヴェンの弦楽四重奏。これまたすばらしい。日頃弦楽四重奏は聴く機会が少ないので、演奏を論じることなどできませんが、素人の私を飽きさせずに聴かせたということはいい演奏だったんだろうと思います。

 休憩ののち、チャイコフスキーです。有名な割りには生で聴くのは全くの初めてです。奏者の並びが変わって、左からブレンディス、平山、鈴木、小黒、横坂、上森の順になっていました。演奏はやっぱりすばらしいアンサンブルで、緩徐部では大いに歌い、フィナーレ部ではスピード、迫力に息を呑みました。アンコールは2曲。しっとりと浜辺の歌を演奏し、叙情的な演奏にうっとりしたのですが、歌を口ずさむ人がいて興ざめ。最後はハンガリー舞曲で盛り上げてコンサートは終了しました。

 オーケストラ好きで、室内楽は敬遠している私ですが、室内楽の魅力を再認識しました。実はこれほどの演奏を聴かせてくれるとは期待していなかったので、満足感を感じました。客層の問題なのでしょうが、皆さん楽章間に一生懸命拍手されていました。間違えて拍手しているというのではなく、拍手するものだという信念でされているようでしたから、嫌みには感じませんでした。

 さて、TOKI弦楽四重奏団としては今回が4回目のコンサートです。明日、あさってと十日町市、妙高市で公演をした後、来週の火曜日には東京文化会館での公演が予定されています。音楽都市東京でどう評価されるのかも気になります。来年のコンサートは9月10日に予定しているとのことです。曲目、出演者は未定とのことですが、楽しみですね。

 ホールから駐車場への帰り道、人気はなくて新潟まつりの真っ最中だとは思えない静けさ。白山神社の方から浴衣姿のギャルたちが歩いてきて、やっと祭りを実感しました。ちょっと元気のない新潟を感じちゃいました。
  

(客席:17-14、全席自由:2500円)