東京交響楽団 第5回新潟定期演奏会
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2000年1月29日(土)18:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:飯森範親
チェロ:アンリ・ドゥマルケット
 
ドヴォルザーク:序曲「フス教徒」作品67

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調 作品104 (Vc:アンリ・ドゥマルケット)

(休憩20分)

ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14

(アンコール)
モーツ
ルト:レ・プティ・リヤン

 
 
 
 寒波が去り、雪に埋もれた車を掘り出し新潟市に来ましたら、雪は消えていました。久しぶりに穏やかな土曜の午後です。
 今回は、公開リハーサルに参加する機会を得て、2時過ぎに会場に向かいました。新年を迎え、行きたいコンサートがいろいろあったのですが、仕事の都合が付かず、これが今年最初のコンサートです。

 2時半からいわゆるゲネプロが開始されました。1曲目のフス教徒は、一気に演奏し、2-3の問題を確認しあっていました。奏者の方が指揮者に注文をつけたりもしていておもしろかったです。初めて聴く曲でしたが、なかなかきれいな旋律で、本番が期待されました。
 次は、チェロ協奏曲。ポイントを確認しながら、全曲通しました。力強いというより優しい演奏です。次は、幻想交響曲。これは部分部分の演奏。クラリネットを二階席に配置し、演奏場所を確認。終楽章の舞台袖からの鐘の響き方を客席から確認していました。最後にアンコール曲をさっと演奏しゲネプロは終了しました。時計は既に4時半。指揮者と楽員が議論しながらの和やかなリハーサル風景でした。

 さて、6時から本番開始。フス教徒は、やはりなかなか美しい曲です。流麗な演奏で重くない爽やかな音楽が流れていました。
 2曲目はチェロ協奏曲。ゲネプロでも感じましたが、荒々しくない上品な、優しく美しい演奏です。心を穏やかにさせてくれました。この曲に、ボヘミアの香りとか、祖国を思う郷愁とか、いろいろ期待する向きもありましょうが、聴いていて心地よいというのが何よりです。好感の持てる演奏でした。

 休憩の後に幻想交響曲。ダイナミックな飯森さんの指揮ぶりにオケが答えています。長髪を揺らしながらのカッコイイ指揮ぶりです。第二楽章のワルツもゲネプロでは今ひとつ流れていないかと思いましたが、本番では音楽が流れていました。怪しげだった管も本番では決めてくれました。エンディングも思いっきり加速して、しっかりと盛り上げてくれました。スカッと爽やかな演奏でした。
 音楽を娯楽として聴く私は、芸術性がどうのと議論するつもりはありません。ちょっとグロテスクなこの曲は、思いっきり騒いで鳴らして欲しいです。そういう点ではもっと大音響で大暴れしても良かったのですが、わかりやすい演奏で、まずまずストレス解消になりました。

 カーテンコールに答えて飯森さんが一言挨拶し、アンコールをサービス。食後のデザートという感じの小品でいい選曲でした。満足して会場を後にしました。

 今回は、ゲネプロから半日聴きっぱなしでした。ちょっと疲労感もあり、本番での新鮮味も欠けたかも知れません。本番だけ聴いていたらもっと感動していたのかも知れないです。定期としてはわかりやすい名曲で、素人にはありがたかったです。

 次の新潟定期は、4月1日、メン・コンとマーラー「巨人」です。何とか予定を調整しなければ・・。


(客席:2階C5-35、S席定期会員)