2003年 片貝まつりを振り返って


 今年も片貝まつりがやってきました。今年はNHKの連続テレビ小説「こころ」で、片貝まつりが紹介され、全国的にもこれまで以上に注目されているものと思いますが、世相を反映して玉数が減っているのが残念です。(→花火番附) 大玉は、4尺玉2発、3尺玉3発、2尺玉1発と例年になく寂しく残念でなりません。しかし、奉納もしない部外者が不平を言うのも失礼な話ですね。

 さて、今年は公私ともにいろいろあり、また健康状態もイマイチで、労力のいる番附掲載もやめようかと思いましたが、待ってくれている方がいると知り、急遽元気を振り絞って掲載しました。最近は「にいがた夜物語」など片貝まつりに関するメジャーなホームページもできて、このホームページの出る幕もなくなったかに思っておりましたが、期待されてうれしく思いました。

 さてさて、いよいよ片貝まつり。ところが6日から8日までが糸魚川に出張しての仕事。ちょっと疲れがたまっているのに、9日職場に出ると仕事が山積み。諸会議をこなし、一段落すると時刻は6時をとっくに回っていました。疲労困憊、今日はゆっくり休もうと職場を出ると、やぱり片貝のことが気になります。昨年お世話になった花火@片貝さん、かずひろさん、牧さんたちのお顔も思い浮かびます。気持ちは高鳴り、いつしか小千谷への峠道を車を飛ばしていました。
 片貝に着くとちょうど花火の打上開始です。胸は高鳴り、職場で疲労困憊していたことなどウソのようです。早足で町中に向かい、郵便局前の打上筒のモニュメントを見た後、いよいよ雑踏へ。打上アナウンス、笛・太鼓の音、そして尺玉の豪快な開発音。これが片貝まつりです。


 神社前の通りは露天が軒を並べて、相当な人出です。露天を覗いて回り、臨時の土産物店を眺めます。せんべい、あられ、羊羹、藍染め製品など、花火にちなんだお土産が多数並んでいます。売り子の姉ちゃんが「NHKこころ公認のお土産ですよ」と叫んでいたのがほほえましかったです。商売繁盛しますように。店の前には4尺玉の模型が置かれ、記念撮影する方々もおられましたが、あまりの混みようで、ポーズをとるのも大変な様子でした。

 浅原神社に行くと、ちょうど33歳厄年の鳳凰会の皆さんが練り歩いていました。元気に跳びはね回る会員の皆さん。山車の上で気勢を上げるきれいなお姉さん方がひときわ目立っていました。

 この賑わい、この熱気、この雑踏、賑やかなお囃子、ホイッスルの音、そしておなじみのアナウンス嬢の声、これぞ片貝、これが片貝まつりなんだと実感します。「あ〜来て良かった」と思いました。浅原神社に充満するエネルギーから元気をもらったように思いました。

 お腹もすいたので、露天で仕入れた串焼きをほおばり腹ごしらえ。上空を見上げれば、木立の間から花火が大きく花開いています。一発一発に込められた奉納者の思いを考えると胸が引き締められます。
 神社に家内安全と健康を祈願し振り返ると、ちょうど還暦「陽光会」の皆様方が神社へと来るところでした。毎年私が主張していることですが、還暦の花火こそが片貝まつりの神髄ではないかと思います。金色一色。人生のクライマックスを飾る金冠尺玉の数々。私の片貝狂いはこの還暦の花火に出会ってからです。実は4尺玉はどうでもいいとすら思っています。還暦の花火を見ずして片貝を語れないでしょう。
すばらしい奉納花火になりますように心の中で念じながら、「陽光会」の皆様を見送りました。

 露天で焼きそばと焼き鳥を仕入れ、雑踏から逃れました。少しはなれた路地端に腰をかけ、食事しながら花火見物に切り替えました。球数こそ多くはありませんが、結構バラエティーに富んでいて飽きさせません。千輪菊や小割り浮き模様付きの金冠などが私好みですが、片貝名物の大柳火、「こころ」で話題の八重芯などいい花火が上がっています。
 数少ない大玉の3尺玉もきれいに開花し、七色の小割り浮き模様が新鮮でした。今年の長岡の3尺よりずっといいできだったかと思います。浅原の杜に降り注ぐ光の雨。やっぱ3尺はこうでなければね。

 33歳「鳳凰会」の皆様のスターマインは若々しく、新鮮な花火でした。尺玉50連打もすばらしかったですが、柏崎の300連発を見ているので、打上方の演出もほしかったかなと思いました。

 そして、9時40分、「陽光会」の還暦の花火。おきまりの金冠の競宴です。番附の文句は「世界にひびけ 片貝魂陽光会の意気 祝・還暦 先掛十号雷 天の友よ共に見てくれ今宵の華を 物故同級生追善供養 会員各位の健康祈願 天空をうめる 金冠の競宴 陽光会の華 超ワイド ベスビアス特大スターマイン」
 まさにこの言葉通りこれでもかと上がる金冠の数々。もう終わりかなと思う頃に尾を引きながら次から次へと上がる金冠尺玉。この究極のワンパターンこそ還暦の花火です。かつての古き良き時代に比べれば球数は減っているように思いますが、込められた思いを思い起こしながら見ると感慨はひとしおです。

 さて、これから車へとダッシュ。駆け足でときどき振り返りながら車へと向かいます。5分ほどで車に到着。エンジンをかけ、車を走らせます。見通しの良いところに停車し、10時を待ちます。
 4尺玉は無事打ち上がり、光の雨を降らせていました。しかし、毎年見慣れた開き方。今年も縦長の楕円形に開き、ひいき目に見てもきれいではありません。やはり、きれいさからは3尺が限界なのかもしれません。直径800mという宣伝文句もむなしく響きます。遠くの4尺より近くの尺玉の方が迫力がありますね。上がればいい、開けばいい、大きければいいというのはやめにして、開き方のきれいさに期待したいところです。頑張れ本田社長!

 おっと、10日もありました。でも日本−セネガル戦があるしな。仕事もたまってるしねえ。どうしようか悩みましたが、10日はおとなしくしていました。
 片貝まつりが終わればもう稲刈りの季節。秋本番です。今年は冷夏、米のできはどうだったのか少し心配です。
来年はどうなりますか。また見に来れるよう頑張らねば。

 今年は時間的余裕がなく、昨年お世話になった皆様方に挨拶もせずに片貝を後にしました。失礼の段お詫び申し上げます。来年もどうなるか分かりませんが、片貝まつりは続きます。ともに楽しみましょう。

*デジカメの調子が悪くスイッチが効きません。削除や露出切り替えなど不能。なかなか思うような写真が撮れませんでした。(柏崎の時からですが) 温泉巡りで酷使して、浴室に持ち込んだりしていたのが悪かったのでしょう。おまけに三脚なしで手ぶれが甚だしい始末。見苦しい写真で申し訳ありません。