筆者の勤務する国立療養所新潟病院にて、長岡の三尺玉の生みの親、 日本を代表する花火師・嘉瀬誠次氏を迎え、「夜空に咲く大輪の花」 と題する講演会が、筋ジス病棟OB自治会の主催にて、新潟病院療育 棟ホールで開催された。 シベリヤ抑留時代のこと、病気療養していたときのことなど、これ までの人生について、そして、打ち上げ花火、スターマイン、仕掛け 花火などについての分かり易い説明、さらに、海外で打ち上げたとき のことなど、興味深いお話を聞くことができた。 これまでに打ち上げた花火で思い出深いものとしては、終戦後初め て長岡で三尺玉を打ち上げたとき、ハバロフスクでシベリヤでの戦没 者追悼のための花火、ブラジルのサンパウロで上げた花火などをあげ られていた。 ちなみに、最近長岡以外でもけっこう三尺玉が打ち上げられるが、 柏崎まつりで上がる三尺玉など、新潟県内外のほとんどの三尺玉は、 嘉瀬氏の手によるものとのことであった。 また、大曲や土浦の花火コンクールには参加していないとのこと。 一発の花火のできで競うコンクールには興味なさそうであった。
嘉瀬氏の印象深い言葉、 「花火を高い、もったいないと思う人がいるかもしれない。三尺玉一発 百万円位かかる。でも何十万人という人がそれで楽しめるのである。 それもただで。」 ひとりごと 花火好きに私にとっては、嘉瀬氏とお話しできるのは、またとない機会 であり、心待ちにしていた。講演後ゆっくりとお話するともりでいたが 他の会議の時間になってしまった。「いま大事な話をしているところだ から・・・。」「ちゃんとお礼しないと失礼だから・・・」と会議の開 始の引き延ばしをはかっていたが、「いい加減にして下さい。」との職 員の冷たい言葉。花火談義はできず、ツーショットの写真も撮れず。 むむむ、残念。