嘉瀬誠次先生講演会開催

(1996年11月14日)


    筆者の勤務する国立療養所新潟病院にて、長岡の三尺玉の生みの親、
    日本を代表する花火師・嘉瀬誠次氏を迎え、「夜空に咲く大輪の花」
    と題する講演会が、筋ジス病棟OB自治会の主催にて、新潟病院療育
    棟ホールで開催された。
     シベリヤ抑留時代のこと、病気療養していたときのことなど、これ
    までの人生について、そして、打ち上げ花火、スターマイン、仕掛け
    花火などについての分かり易い説明、さらに、海外で打ち上げたとき
    のことなど、興味深いお話を聞くことができた。
     これまでに打ち上げた花火で思い出深いものとしては、終戦後初め
    て長岡で三尺玉を打ち上げたとき、ハバロフスクでシベリヤでの戦没
    者追悼のための花火、ブラジルのサンパウロで上げた花火などをあげ
    られていた。
     ちなみに、最近長岡以外でもけっこう三尺玉が打ち上げられるが、
    柏崎まつりで上がる三尺玉など、新潟県内外のほとんどの三尺玉は、
    嘉瀬氏の手によるものとのことであった。
     また、大曲や土浦の花火コンクールには参加していないとのこと。
    一発の花火のできで競うコンクールには興味なさそうであった。     

    嘉瀬氏の印象深い言葉、
    「花火を高い、もったいないと思う人がいるかもしれない。三尺玉一発
     百万円位かかる。でも何十万人という人がそれで楽しめるのである。
     それもただで。」

    ひとりごと
     花火好きに私にとっては、嘉瀬氏とお話しできるのは、またとない機会
     であり、心待ちにしていた。講演後ゆっくりとお話するともりでいたが
     他の会議の時間になってしまった。「いま大事な話をしているところだ
     から・・・。」「ちゃんとお礼しないと失礼だから・・・」と会議の開
     始の引き延ばしをはかっていたが、「いい加減にして下さい。」との職
     員の冷たい言葉。花火談義はできず、ツーショットの写真も撮れず。
     むむむ、残念。