表面筋電図
( surface EMG )


  <目的>
    筋全体の活動を多数の筋より同時に連続記録することにより、不随意運動や筋緊
    張異常の性質や分布を検討し、客観的に記録として残す。

  <対象>
     Parkinsonism, chorea, myoclonus, dystonia などの不随意運動をきたす種々の
        疾患

    <方法>
       多チャンネル記録が必要になることが多いので通常は脳波計を用いる。

        1)脳波計の設定
          時定数は 0.003s と短くする。montage は電極入力箱の番号に従い、双極に
      指定、設定する。
     2)調べたい筋肉の筋腹に皿電極を2つ一組にして3cm 離してテープで固定する。
      原則として拮抗筋同志を一組とする。
           電極のコードは運動によって動かないように、皮膚上にテープで固定する。
         3)電極を電極箱に接続する。
      4)電極の番号に応じて脳波計の入力を設定する。(双極に設定。)
         5)運動させてみて gain を調整するとともに、入力が正しいか確認する。
      6)キャリブレーションを記録しておく。
      7)安静時あるいは運動時の記録を必要に応じて記録する。
       記録速度は普通は 3cm/s でよい。

         ※記録手順
            @安静時の記録
       A各筋の随意収縮時の記録
       B伸張反射の記録(他動的に動かして筋を伸張させる。)
       C不随意運動の記録(肢位、運動など増強因子を考えながら記録する。)

    <結果の解釈>
     各筋の放電パターンより筋緊張や不随意運動の病態を把握する。

       @安静時
        正常では筋放電はみられない。不随意運動があればそれに応じた筋放電が 
              記録される。
            A随意収縮
        正常では開始、終了が円滑で拮抗筋は抑制される。(相反性抑制)
       B伸張反射
        正常では記録されない。筋緊張亢進状態(痙縮、固縮)では筋伸張の速さ、
        量に応じて反射性収縮が誘発され記録される。
            C不随意運動
        各不随意運動に応じた筋放電が記録される。
              たとえば振戦では拮抗筋と相反性の群化放電が記録される。

    <注意>
    1)記録の目的を常に考えながら記録すること。
    2)記録部位、肢位、運動などよく考える。


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