場所:村松市街から加茂方面に国道290号線を進む。加茂市に入るすぐ手前の道路下にひっそりとたたずむ一軒宿である。国道の崖下のような場所にあるので、注意しないと通り過ぎてしまいそう。鉄筋の建物だが、かなり古ぼけた外観である。ここは鯉料理の宿として近郷近在では良く知られている。私も子供の頃鯉料理を食べたような記憶がある。 料金:入浴のみは500円、タオルなし。 浴室:大浴槽があるのみ。湯と水の蛇口があって、湯が注がれて掛け流しされている。洗い場は2ヶ所。シャワーはなく、温水・冷水をマニュアルに混合する今では珍しい水栓である。固形石鹸とシャンプーあり。窓は曇りガラスで外は見えないが、窓を開けても田んぼが見えるだけで、景色はよくない。 泉質:無色透明。ごくわずか白濁。微硫黄味・硫黄臭あり。冷鉱泉を沸かしているが、浴槽・洗い場の温水・冷水はすべて源泉を使用しており、洗い場の蛇口の湯も硫黄臭がするのは感動もの。浴槽も掛け流しされていて、気持ちよく入浴できる。効能書きの掲示は古いもので分かりにくいが、泉質は単純泉。主な成分は、塩化ナトリウム247.1mg/kg、硫酸ナトリウム185.1mg/kg、重炭酸ナトリウム99.7mg/kg、重炭酸カルシウム79.6mg/kg、メタ珪酸46.3mg/kgなど成分総計は738.88mg/kg。成分表の数字は別にして、実際の湯は肌に柔らかいいい湯である。 コメント:国道から眺めるとぱっとしないが、玄関先は落ち着いた雰囲気で、ばかにできない。泉質も意外に良く、お勧めできる湯である。浴室の設備が乏しいのが難点であるが、そこがまたレトロで風流というもの。一般の人は不満かも知れないが、温泉好きにはたまらない宿と言えよう。 (No.234 2001/11/11) |
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