場所:咲花温泉街の中程にある5階建ての旅館である。小規模旅館ばかりの咲花温泉にあっては、最も大きな旅館であり、改装されて高級感が漂う。玄関、フロント周りのデザインは秀逸である。建物は阿賀野川に接し、ロビーの下に遊覧船の船着き場も作られている。家族での宿泊のほか、以前仕事をかねて2泊3日過ごしたことがあり、その後も宴会・宿泊、立ち寄り湯等で何度か利用している。 料金:入浴は、大人1000円、小人500円、タオルなし。料金は高いが、3軒利用して1500円の湯めぐり手形利用可能なので、これを利用されるとよい。 浴室:ロビー奥のエレベーターで、最上階(5階)の浴室に向かう。男女展望大浴場(水鏡、花鏡)のほか貸し切り露天風呂が2つ(檜の湯、織部の湯)ある。まず「水鏡」を紹介する。浴室に入ると、2面ガラス張りで、阿賀野川の雄大な眺めに感動する。対岸には国道49号線、磐越道を行き交う車が見え、右手下には磐越西線が走り、時折列車が通過するのが見える。かつてはこの大浴槽のみであったが、2002年に右手に露天風呂が新設された。大浴槽は無色透明無味無臭の特徴のないお湯で、地下水が加熱循環されている。露天風呂は檜枠で、源泉100%掛け流しであり、薄いエメラルドグリーン(その日により湯色が変わることあり)の咲花の湯が満ちている。阿賀野川の眺望がすばらしいが、柵に立つと、外からは丸見えに違いない。これもまた風流。一方「花鏡」は阿賀野川に面していないので少し展望は良くないが、大浴槽のほか丸い露天風呂があり、源泉100%掛け流しを十分に楽しむことができる。 泉質:大浴槽は地下水の沸かし湯であるが、露天風呂は咲花の源泉100%である。源泉名は咲花温泉6号井。源泉温度44.3℃、湧出量450L/分、動力揚湯。泉質は単純硫黄温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)。主な成分(mg/kg)は、Li
0.2、Na 195.5、K 4.7、NH4 0.2、Mg 0.8、Ca 49.9、Sr
1.2、F 1.6、Cl 238.2、Br 0.6、I 0.2、HS 12.7、S2O3 2.3、SO4 232.9、HCO3 43.1、CO3 0.2、メタ珪酸39.8、メタ硼酸4.0、遊離CO2 1.1、遊離H2S 2.3 などであり、ガス性除く成分総計は828.1mg/kgである。硫化水素臭、硫黄味があり、肌に優しい柔らかな湯である。掛け流しされており、景色の良さもあって気分は爽快である。肝心の大浴槽が加水循環されているのは残念であるが、限りある源泉を効果的に使用するという意味では、掛け流しの露天風呂を設けたことはすばらしい。 コメント:咲花温泉の中では最もきれいで豪華。他の旅館とは一線を画す。泉質だけで評価すれば、他の小旅館の方が勝るが、展望の良さ、豪華さ、きれいさ、清潔感、備品の充実度、いずれをとっても咲花随一である。入浴料が若干高いが、設備、雰囲気を考えれば妥当とも言える。湯めぐり手形を利用すれば格安になるので、是非利用したい。温泉好きが喜ぶ他の旅館は決してきれいとは言えず、一般の方や女性は、こちらを利用された方がいいかもしれない。休日は時間帯によっては断られることもあるので、確認した方がよい。 (No.328 2004/6/30、2005/2/13改訂、2006/2/18料金改定、2011/1/30追記、2014/4/22湯めぐり手形料金訂正、2016/12/3改訂・追記) |
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