咲花温泉 佐取館 (五泉市)   (泉質B、浴室A、設備C、眺めA)

五泉市佐取3008 TEL:0250-47-2211 営業時間:11:00-21:00(要確認) 定休日:なし
泉質:単純硫黄泉、44.3℃、露天のみ掛け流し
タオル:なし サウナ:なし 露天:あり 石鹸:あり シャンプー:あり 休憩所:なし(湯上がり処あり) 食堂:なし
http://www.satorikan.com/

場所:咲花温泉街の中程にある5階建ての旅館である。小規模旅館ばかりの咲花温泉にあっては、最も大きな旅館であり、改装されて高級感が漂う。玄関、フロント周りのデザインは秀逸である。建物は阿賀野川に接し、ロビーの下に遊覧船の船着き場も作られている。家族での宿泊のほか、以前仕事をかねて2泊3日過ごしたことがあり、その後も宴会・宿泊、立ち寄り湯等で何度か利用している。

料金:入浴は、大人1000円、小人500円、タオルなし。料金は高いが、3軒利用して1500円の湯めぐり手形利用可能なので、これを利用されるとよい。

浴室:ロビー奥のエレベーターで、最上階(5階)の浴室に向かう。男女展望大浴場(水鏡、花鏡)のほか貸し切り露天風呂が2つ(檜の湯、織部の湯)ある。まず「水鏡」を紹介する。浴室に入ると、2面ガラス張りで、阿賀野川の雄大な眺めに感動する。対岸には国道49号線、磐越道を行き交う車が見え、右手下には磐越西線が走り、時折列車が通過するのが見える。かつてはこの大浴槽のみであったが、2002年に右手に露天風呂が新設された。大浴槽は無色透明無味無臭の特徴のないお湯で、地下水が加熱循環されている。露天風呂は檜枠で、源泉100%掛け流しであり、薄いエメラルドグリーン(その日により湯色が変わることあり)の咲花の湯が満ちている。阿賀野川の眺望がすばらしいが、柵に立つと、外からは丸見えに違いない。これもまた風流。一方「花鏡」は阿賀野川に面していないので少し展望は良くないが、大浴槽のほか丸い露天風呂があり、源泉100%掛け流しを十分に楽しむことができる。
 洗い場にはボディソープ、シャンプー類あり。脱衣場洗面台には、ドライヤー、綿棒、整髪料、ブラシ、カミソリなど必要十分に揃っている。浴室前には湯上がり処があり、麦茶、冷水のサーバーがあって、自由に飲めてありがたい。

泉質:大浴槽は地下水の沸かし湯であるが、露天風呂は咲花の源泉100%である。源泉名は咲花温泉6号井。源泉温度44.3℃、湧出量450L/分、動力揚湯。泉質は単純硫黄温泉(弱アルカリ性低張性高温泉)。主な成分(mg/kg)は、Li 0.2、Na 195.5、K 4.7、NH4 0.2、Mg 0.8、Ca 49.9、Sr 1.2、F 1.6、Cl 238.2、Br 0.6、I 0.2、HS 12.7、S2O3 2.3、SO4 232.9、HCO3 43.1、CO3 0.2、メタ珪酸39.8、メタ硼酸4.0、遊離CO2 1.1、遊離H2S 2.3 などであり、ガス性除く成分総計は828.1mg/kgである。硫化水素臭、硫黄味があり、肌に優しい柔らかな湯である。掛け流しされており、景色の良さもあって気分は爽快である。肝心の大浴槽が加水循環されているのは残念であるが、限りある源泉を効果的に使用するという意味では、掛け流しの露天風呂を設けたことはすばらしい。

平成16年9月17日の分析では、泉質は、含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉、源泉温度50.2℃、主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.6、Na 296.0、K 10.1、Mg 1.0、Ca 87.4、Sr 1.3、F 1.8、Cl 358.4、Br 1.1、HS 9.6、S2O3 2.4、SO4 324.0、HCO3 43.6、CO3 0.2、メタケイ酸16.1、メタホウ酸4.9、遊離CO2 0.2、遊離HS 1.8 など、ガス性除く成分総計は1159mg/kgとなっている。以前は成分総計が1000mg/kg未満であったので、単純硫黄温泉に分類されていたが、この分析表では1000mg/kgを超えているので、含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉という泉質になっている。泉質が大きく変わったわけではない。

 さらに平成26年10月22日の分析では、泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。源泉温度48.3℃。主な成分(イオン濃度:mg/kg)は、Li 0.2、Na 233.1、K 7.0、NH4 0.8、Mg 0.8、Ca 75.7、Sr 1.2、Ba 0.0、Al 0.0、Mn 0.0、Fe 0.0、Cu 0.0、Zn 0.0、F 1.I 0.4、NO2 0.0、NO3 0.0、HS 20.5、HSO4 0.0、S2O3 7.6、SO4 281.7、HPO4 0.2、HCO3 45.2、CO3 0.0、メタケイ酸 55.5、メタホウ酸 3.4、遊離CO2 2.5、遊離H2S 3.7 など、ガス性除く成分総計は1022mg/kgであり、硫黄分が大きく増えている。源泉は加水なし、加温なし、循環・ろ過なし、入浴剤なし、塩素消毒なしであり、生の源泉をそのまま楽しめる。

コメント:咲花温泉の中では最もきれいで豪華。他の旅館とは一線を画す。泉質だけで評価すれば、他の小旅館の方が勝るが、展望の良さ、豪華さ、きれいさ、清潔感、備品の充実度、いずれをとっても咲花随一である。入浴料が若干高いが、設備、雰囲気を考えれば妥当とも言える。湯めぐり手形を利用すれば格安になるので、是非利用したい。温泉好きが喜ぶ他の旅館は決してきれいとは言えず、一般の方や女性は、こちらを利用された方がいいかもしれない。休日は時間帯によっては断られることもあるので、確認した方がよい。

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(No.328 2004/6/30、2005/2/13改訂、2006/2/18料金改定、2011/1/30追記、2014/4/22湯めぐり手形料金訂正、2016/12/3改訂・追記)

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