循環、ろ過、塩素消毒など、温浴施設の衛生管理が話題になることが多いので、実際にどのような規則になっているのかまとめてみました。 公衆浴場法(昭和23年7月12日、法律第139号)では、 第三条 営業者は、公衆浴場について、換気、採光、照明、保温及び清潔その他入浴者の衛生及び風紀に必要な措置を講じなければならない。 2 前項の措置の基準については、都道府県が条例で、これを定める。 (昭60法102・一部改正) とありますので、それに習って新潟県でも条例が定められています。 新潟県公衆浴場の設置場所の配置及び衛生措置の基準等に関する条例 (昭和51年7月15日 条例第34号)から抜き出します。気になる点を青字にしました。 (衛生及び風紀に必要な措置の基準) 第4条 一般公衆浴場の衛生及び風紀に必要な措置の基準は、次の各号に定めるとおりとする。 (1) 浴室の床及び床面から1メートルまでの壁は、耐水性の材料を用いること。 (2) 浴室には、入浴者数に応じた十分な数の湯栓及び水栓を設け、湯又は水であることを表示すること。 (3) 浴室には、くし及び石けん等をのせる設備があること。 (4) 浴室には、蒸気を排除する設備があること。 (5) 浴室には、入浴者数に応じた十分な数の洗いおけ及び腰掛けを備えること。 (6) 脱衣室及び浴室には、採光及び換気のための適当な窓又はこれに代わる設備があること。 (7) 脱衣室又は浴室には、飲料水を供給する設備を設け、その水が飲用に適することを表示すること。 (8) 脱衣室又は浴室には、くず箱及び使用済みのかみそり等を廃棄するための容器を備えること。 (9) 脱衣室及び浴室の床及び壁、便所並びに脱衣室及び浴室に備える器具で入浴者が直接利用するものは、1日に1回以上清掃し、1月に1回以上消毒すること。 (10) ねずみ、昆虫等について1月に1回以上点検し、随時これらを駆除すること。 (11) タオル、くし、かみそりその他これらに類するものを入浴者に貸与する場合は、新しいもの又は消毒したもの(かみそりにあつては新しいものに限る。)とすること。 (12) 原湯を貯留する貯湯槽を設置する場合は、規則で定めるところにより管理すること。 (13) 浴槽内の湯及び上り用湯は、適温に保つこと。 (14) 原水、原湯、上り用水及び上り用湯の水質は、規則で定める基準に適合するものであること。 (15) 浴槽水の水質は、規則で定めるところにより検査し、規則で定める基準に適合させること。 (16) 循環ろ過装置を使用していない浴槽水は、1日に1回以上完全に取り替えること。 (17) 循環ろ過装置を使用している浴槽水は、おおむね2週間に1回以上完全に取り替えるとともに、塩素による消毒その他の方法により消毒すること。 (18) 浴槽は、熱湯及び熱交換器が入浴者に直接接触しない構造であること。ただし、給湯栓等により熱湯を補給する構造の浴槽で、その付近の見やすい場所に熱湯に注意すべきことを表示したものにあつては、この限りでない。 (19) 循環ろ過装置を使用していない浴槽は、1日に1回以上清掃し、及び消毒すること。 (20) 循環ろ過装置を使用している浴槽は、おおむね2週間に1回以上清掃し、及び消毒すること。 (21) 循環ろ過装置を設置する場合は、浴槽の容量に応じた十分なろ過能力を有するものとすること。 (22) 循環ろ過装置を設置する場合は、循環経路内の毛髪その他これに類するものを取り除く装置(以下「集毛器」という。)を浴槽水が循環ろ過装置に入る前の位置に設置すること。 (23) 循環ろ過装置を設置する場合は、浴槽水を浴槽と循環ろ過装置との間で循環させるための配管をおおむね2週間に1回以上消毒し、かつ、1年に1回以上点検して生物膜等配管に付着した汚れを除去すること。 (24) 循環ろ過装置は、おおむね2週間に1回以上消毒し、汚れを排出すること。 (25) 集毛器は、1日に1回以上清掃すること。 (26) 第12号、第15号から第17号まで、第19号、第20号及び第23号から前号までの規定による措置の状況を記録し、3年間保管すること。 (27) あふれた浴槽水を回収し、再び浴用に供しない構造とすること。 (28) 打たせ湯及びシャワーは、原湯又は原水を用いる構造であること。 (29) 気泡発生装置、ジェット噴射装置等空気中に微細な粒子を発生させる設備を設置する場合は、空気取入口から土ぼこりが入らない構造とすること。 (30) 脱衣室には、乳幼児の脱衣用のための寝台等の設備があること。 (31) 禁忌症その他入浴上の注意事項並びに入浴料金及び営業時間を入浴者の見やすい場所に掲示すること。 (32) 入浴者のはきものを安全に保管する設備があること。 (33) 入浴者用の男女別の便所を設置し、換気のための適当な窓又はこれに代わる設備及び流水式手洗い設備を設けること。 (34) 脱衣室及び浴室等入浴者が直接利用する場所は、十分な照度を保ち、照明は、白色のものを用いること。 (35) 善良な風俗を乱すおそれのある絵画、広告、雑誌及び装飾等を置き、掲げ、又は設けないこと。 (36) 脱衣室及び浴室は、男女用に区別し、かつ、公衆浴場の外から見とおしができないような構造設備であること。 (37) 男女の脱衣室及び浴室の境界は、相互に見通しができないような構造の隔壁を設けること。 (38) 脱衣室には、入浴者の衣類その他の携帯品を安全に保管する設備があること。 (39) 熱気室、蒸し室等を設置する場合は、次の基準に適合すること。 ア 熱気室、蒸し室等及び入浴者用の休憩場所は、男女別とし、相互に、かつ、公衆浴場の外から見通しができないような構造設備であること。 イ 熱気室及び蒸し室には、換気口を適当な位置に設けること。 ウ 熱気室及び蒸し室には、室内を容易に見通すことができる窓を適当な位置に設け、必要に応じて非常用ブザー等を入浴者の利用しやすい場所に設けること。 エ 熱気室、蒸し室等には、入浴者の見やすい位置に、熱気等の温度を表示するための温度計を備え、必要に応じて湿度計を備えること。 また、新潟県公衆浴場法等施行細則 (平成4年3月31日 規則第43号)から書き写します。 (貯湯槽の管理) 第8条 条例第4条第1項第12号に規定する管理の方法は、次のとおりとする。 (1) 原湯を貯留する貯湯槽内を1年に1回以上清掃し、及び消毒すること。 (2) 原湯を貯留する貯湯槽内の原湯を摂氏60度以上に保つこと。ただし、これにより難い場合は、原湯を消毒すること。 (平15規則77・追加) (原水、原湯、上り用水及び上り用湯の水質の基準) 第9条 条例第4条第1項第14号に規定する原水、原湯、上り用水及び上り用湯の水質の基準は、次のとおりとする。 (1) 原水、原湯、上り用水及び上り用湯(次号に掲げるものを除く。)の基準 ア 濁度は、2度以下であること。 イ 色度は、5度以下であること。 ウ 水素イオン濃度は、pH値5.8以上8.6以下であること。 エ 過マンガン酸カリウム消費量は、1リットルにつき10ミリグラム以下であること。 オ 大腸菌群は、検出されないこと。 カ レジオネラ属菌は、検出されないこと。 (2) 温泉を利用する公衆浴場における原水、原湯、上り用水及び上り用湯の基準 前号オ及びカに掲げる基準 (平13規則49・平14規則87・一部改正、平15規則77・旧第8条繰下・一部改正) (浴槽水の水質の基準) 第10条 条例第4条第1項第15号に規定する浴槽水の水質の基準は、次のとおりとする。 (1) 浴槽水(次号に掲げるものを除く。)の基準 ア 濁度は、5度以下であること。 イ 過マンガン酸カリウム消費量は、1リットルにつき25ミリグラム以下であること。 ウ 大腸菌群は、1ミリリットルにつき1個以下であること。 エ レジオネラ属菌は、検出されないこと。 (2) 温泉を利用し、又は浴用剤等を使用する公衆浴場における浴槽水の基準 前号ウ及びエに掲げる基準 (平15規則77・追加) (水質検査) 第11条 条例第4条第1項第15号の規定による検査は、次により行うものとする。 (1) 1日に1回以上完全に取り替える浴槽水の水質は、1年に1回以上検査すること。 (2) 循環ろ過装置を使用している浴槽水であって24時間以上使用しているもの(以下「連日使用浴槽水」という。)(次号に掲げるものを除く。)の水質は、6月に1回以上検査すること。 (3) 連日使用浴槽水であって次に掲げるものの水質は、2月に1回以上検査すること。 ア 7日以上使用しているもの イ 気泡発生装置、ジェット噴射装置等空気中に微細な粒子を発生させる設備を使用しているもの (平15規則77・追加) |