毎年夏に開催されている新潟県音楽コンクールは、今回で第58回という長い歴史を誇ります。今年は121人が出場した予選会を勝抜いた41人が、7月30日にりゅーとぴあで開催された本選会に進みました。その本選会で栄冠に輝いた受賞者5人が一堂に会して演奏を披露するのが今日の受賞者コンサートです。
受賞者コンサートは、毎年秋にだいしホール(現・だいしほくえつホール)で開催されており、新潟県内外で音楽を学ぶフレッシュな音楽家の演奏を聴くことができて、新潟の音楽レベルを知る貴重な機会でもあります。ピアノ、弦楽、管楽器、声楽と、多彩な部門の受賞者の演奏をまとめて聴けるというのも魅力です。
これまでもときどき聴かせていただいてきましたが、2020年度はコロナ禍で中止され、2021年度は会場を音楽文化会館に変更して開催され、チケットを買っていたのですが、他のコンサートとかぶってしまって行けませんでした。2022年度は年を越して2023年1月に、だいしほくえつホールで開催されましたが参加できませんでしたので、今回は2019年度以来4年ぶりの参加になります。
今年の出演者は、大賞の刈谷 優さん(ピアノ)、県知事賞の近藤由都さん(ピアノ)、大島みなみさん(ヴァイオリン)、最優秀賞の富井香名さん(ソプラノ)、宮田佳乃さん(フルート)の5人です。
雨が降る悪天候の中、だいほくえつホールに向かいました。コインパーキングに車をとめて、所用を済ませて古町通りを歩きましたら、古町芸妓の皆さんが練り歩くイベントをやっていて、写真撮影の時間が取られていましたので、私も1枚撮影させていただきました。何はともあれ、古町が賑わってくれるのは良いですね。
14時開場でしたので、10分前にだいしほくえつホールに行きますと、既に開場されていました。そうとわかれば、暇つぶししないでホールに行ったのですけれど。
ともあれ、このホールの定席である左の通路沿いの中ほどに席を取りました。前売りチケットは完売ということで客の入りは良く、どんどんと席は埋まって満席の大盛況になりました。
開演時間となり、BSNの近藤里咲アナの司会進行で演奏が進められ、演奏終了後は、花束贈呈の後に演奏者へのインタビューが行われました。毎年このコンサートの司会はBSNの新人アナが担当しており、初々しい女子アナを拝見するのも密かな楽しみです。
最初は、県知事賞のピアノの近藤由都さんです。黒シャツで登場。今日の出演者の中で唯一の男性です。まだ中学3年生ということですが、パワーに溢れる力強い演奏でした。ちょっと力が入りすぎて、乱暴にさえ感じる場面もありましたが、若き力のほとばしりとでもいいましょうか、力でねじ伏せられたかのようでした。今後の成長が楽しみですね。
続いては、最優秀賞のソプラノの富井香名さんです。まだ高校3年生ということで、初々しさ、瑞々しさが感じられ、透明感のある歌声は可憐であり、うっとりと聴き入りました。容姿端麗でアイドルとしても十分に通用するように思います。
これから声が成熟していくものと思いますが、華があり素晴らしいソプラノ歌手に成長されるに違いないことを確信しました。今後に期待したいと思います。
3番目は、最優秀賞のフルートの宮田佳乃さんです。大学3年生ということですが、テクニックの凄さに圧倒され、演奏家としての素養の高さが伝わってきました。ピアノ伴奏も素晴らしく、聴き応えある曲に、心地良い疲労感を感じました。
休憩後の後半最初は、県知事賞のヴァイオリンの大島みなみさんです。小学生だった第49回で優秀賞を受賞され、その名前は存じ上げていましたが、現在大学3年生とのことです。第56回で最優秀賞を受賞されており、今回は県知事賞を受賞されました。ピアノ伴奏が小林浩子さんというのも良かったです。
音量豊かに朗々と響き渡るヴァイオリンの音色が美しく、うっとりと聴き入りました。ヴァイオリン協奏曲は、小林さんのピアノとともに熱く燃え上がり、胸の高鳴りを感じました。
そして最後は、大賞を受賞されたピアノの刈谷 優さんです。これまで何度もこのコンクールに出場され、第48回、51回、52回、57回と優秀賞を受賞されましたが、大学4年生になられ、ついに大賞を受賞されました。
演奏は、さすがに大賞に相応しいものであり、パワフルでダイナミックな演奏でありながらも、荒っぽく感じることはなく、ベーゼンドルファーを鳴らしきって、熱い音楽が聴く者の心に迫ってきました。曲の魅力を十分に表現しており、その演奏に圧倒されました。これからどのような活動をしていかれるのか注目したいと思います。
司会の近藤さんの挨拶があって終演となりましたが、近藤アナの今後の成長も見守りたいと思います。内容たっぷりなコンサートに、大きな満足感をいただいてホールを後にしました。
(客席:H-6、¥800) |