東響ロビーコンサート
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2021年6月13日(日)13:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール・ホワイエ
ヴァイオリン1:中村楓子、ヴァイリン2:清水泰明、ヴィオラ:青木篤子、チェロ:川井由美
 
カプースチン:弦楽四重奏曲第1番 作品88

  第1楽章 アレグロ
  第2楽章 ラルゲット
  第3楽章 アレグレット
  第4楽章 フーガ:アニマート

(アンコール)
ピアソラ:ホルヘ・アディオス

 東響新潟定期の日恒例の東響ロビーコンサートです。今回は事前のチラシもなくて、どうしたのかと思っていましたが、りゅーとぴあのホームページには開催の案内がありました。

 今回は弦楽四重奏ですが、演目は何とカプースチン。最近ピアノ曲が話題となり、新潟でもときどき演奏されていますが、弦楽四重奏曲があるとは知らず、これは聴くしかないということで、聴きに出かけました。

 ゆっくりと昼食を摂り、りゅーとぴあへと向かいました。駐車場に車をとめ、中に入りますと、ホワイエには多くの客が集まり、開演を待っていました。受付で検温を受けてホワイエに入り、正面左後方に場所をとりました。

 時間となり、4人が入場しました。左から中村さん、清水さん、川井さん、青木さんという順番です。青木さんの挨拶と曲目紹介があり、いよいよ演奏開始です。

 第1楽章は、ヴィオラにチェロのピチカートで始まり、そこにヴァイオリンが加わって曲が進みました。ジャズの響きを漂わせ、都会的な格好良さが感じられました。弦楽四重奏の形を借りたジャズというべき音楽が心地良く、違和感なく楽しめました。

 第2楽章は、チェロのピチカートに始まり、ゆったりと歌わせて、穏やかな気分にさせました。第3楽章は、軽快ながらも激しさを感じさせるリズムで進み、ときどき立ち止まって歌い、早足に駆け抜けました。

 そして、第4楽章は、ヴァイオリンやヴィオラの胴を叩いたり、不協和音的な怪しげな響きとともに、激しくリズムを刻み、形を変えながら勢いを増して、フナーレへと駆け上がり、聴く者に高揚感をもたらし、大きな拍手が贈られました。

 ジャズとクラシックの融合した斬新な音楽は、馴染みにくい現代音楽とは違って、心地良く心に響いてきました。ピアノ以外でもカプースチンの魅力を知ることができて良かったです。

 アンコールはピアソラ。カプースチンでの興奮を鎮めるかのように、静かに、情感豊かに演奏し、上質なデザートをいただき、ロビーコンサートは終演となりました。

 珍しい曲を、素晴らしい演奏で聴かせていただき、貴重な機会となりました。新潟のような地方都市では、今度いつ聴けるかわかりません。

 響きの良いホワイエで聴く弦楽四重奏の響きは美しく、無料で聴けるロビーコンサートは贅沢な時間です。東響とりゅーとぴあ関係者に感謝したいと思います。
 

(客席:正面左後方、無料)