フィンランド放送交響楽団長岡特別演奏会 (中止)
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2020年5月30日(日) 15:00  長岡市立劇場 大ホール
指揮:ハンヌ・リントゥ
ピアノ:仲道郁代
 




シベリウス:交響詩「エン・サガ」

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」変ホ長調 作品73

(休憩20分)

シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 作品82

 ヘルシンキ・フィルとともに、フィンランドを代表するオーケストラであるフィンランド放送交響楽団の演奏会です。5月23日から30日まで、全7公演開催され、その最終公演が長岡になります。

 他の公演は、23日が大阪のザ・シンフォニーホール、24日がミューザ川崎シンフォニーホール、25日が東京文化会館、27日、28日がサントリーホール、29日が愛知県芸術劇場コンサートホール で、地方公演は長岡だけです。

 なぜ長岡なのかが気になりますが、長岡市出身の小山裕幾さんがフルートの首席奏者として活躍しておられ、そのつながりということは容易に想像できます。

 今回は海外で錦を飾り、ふるさと長岡での記念すべき凱旋コンサートになります。この公演に先立って、4月11日には長岡リリックホールで、フィンランド放送交響楽団の同僚であるハープ首席奏者のシヴァン・マゲン氏とともに、「小山裕幾&シヴァン・マゲン デュオコンサート」が開催される予定であり、この公演にかける熱意が伝わりました。
 今回共演するソリストが大ファンである仲道郁代さんということもあって、チケット発売早々に長岡まで買いに行って楽しみにしていました。

 小山さんは、1999年に全日本学生音楽コンクール中学校の部第1位、2002年に同高校生の部第1位、2004年に日本音楽コンクール第1位、2005年に神戸国際フルートコンクール第1位と、行くところ敵なしという素晴らしい経歴を誇っています。音大でなく、慶応大学理工学部卒業というのも驚きです。
 日本各地でのリサイタルのほか、数多くのオケとの共演も重ね、2014年からフィンランド放送交響楽団の首席奏者に就任しています。

 私が小山さんの演奏を初めて聴いたのは、2007年9月15日の「小山裕幾フルートリサイタル」で、ホールにこだまする多彩なフルートの音色に驚嘆したことが思い出されます。
 その翌年の2008年3月9日に県民会館で開催された「フェニックスコンサート」では、真摯に演奏に臨む姿勢に感嘆しました。
 そして、2013年3月16日の「NHK交響楽団新潟公演」では、尾高忠明さんの指揮で、山宮るり子さんとモーツァルトのフルートとハープのための協奏曲を演奏し、新潟が誇る二人の演奏に魅了されたことが記憶に新しいです。

 あれから7年が過ぎ、今度はフィンランド放送交響楽団の首席フルート奏者としての来演です。オケの一員としての演奏ではありますが、記念すべき長岡のコンサートですので、応援しないわけにはいきません。

 フィンランドいえばシベリウスであり、そのシベリウの交響詩「エン・サガ」と交響曲第5番がプログラミングされています。仲道郁代さんが共演する「皇帝」も楽しみです。


 と、期待を抱きながら待ち焦がれていたコンサートでしたが、新型コロナウイルス感染の拡大により、オケの来日が困難となり、4月11日の長岡リリックホールでの小山さんのコンサートとともに、中止になってしまいました。

 何とも残念ではありますが、仕方ありません。またの機会を待ちたいと思います。

 

(客席:29-24、A席:¥9000)