東響ロビーコンサート チェロ八重奏
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2019年5月26日(日) 13:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール・ホワイエ
 
Vc:伊藤文嗣、西谷牧人、川井真由美、黄原亮司、謝名元民、大宮理人、樋口泰世、蟹江慶行
 


フンク:組曲 より サラバンド

ソッリマ:チェロよ、歌え!

ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第1番より
         1.序奏(エンボラーダ)

(アンコール)
西谷牧人:15 for 8 cellos

 今日は東京交響楽団新潟定期演奏会の日。昼に恒例のロビーコンサートが開催されました。今日のプログラムは、東響のチェロセクション全員参加によるチェロ八重奏です。長いロビコンの歴史の中で初めての試みです。

 5月とは思えない猛暑の中、暑さにうんざりしながらりゅーとぴあに到着しました。行ってびっくり。ロビーは人で溢れ、これまでのロビコンでも最高の集客ではないでしょうか。通常の3倍はいるんじゃないでしょうか。

 8人が登場し、美しき川井さんのMCで、曲毎に並びを変えながら演奏が進められました。新入団の蟹江さんは今日が初参加で、大宮さんは今日を最後に退団だそうです。それぞれ入団と退団の挨拶がありました。特に大宮さんは、今日付けでの退団であり、思い出深いものとなったものと思います。

 さて、フンクの「サラバンド」で開演しましたが、美しいアンサンブルにうっとりと聴き入るのみでした。ふくよかなチェロの音色がホワイエに響き、幽玄なサウンドで聴く者の心に染み渡り、疲れた心を癒すようでした。

 2曲目は西谷さんと大宮さんがソリストとなり、バックの6人と呼応しながら静かに演奏を開始。このまま静かに終わるのかと思いましたが、後半の聴かせどころでは二人は抜群のテクニックで駆け抜けて弾けました。その後再び静かな中に曲を終えました。「チェロよ、歌え!」というより「走れ!」という感じの曲でした。

 最後はブラジル風バッハ。これは極上の赤ワインを飲むかのよう。8人が絡み合い、濃厚で豊潤なサウンドを作り上げ、奥深い音楽が奏でられました。

 アンコールは西谷さんのオリジナル曲です。先回のロビーコンサートでヴァイオリンとチェロの二重奏で演奏された曲をチェロ八重奏に編曲したものです。
 これは躍動感に満ちたカッコいい曲で、チェロを知り尽くした西谷さんならではの曲と思います。叩いたりこすったり、チェロから多彩なサウンドを引き出し、演奏効果を上げていました。耳に残るリズムが心地良く、高揚感を引き出してくれました。

 感動の演奏に、聴衆からは溢れんばかりの拍手が贈られました。8人の奏者がそれぞれ見せ場があって、主席奏者、フォアシュピーラー、トゥッティ奏者と分かれはしますが、どの奏者も甲乙付けがたく、見事な演奏でした。こんな魅力ある奏者の集団が東響であることを思い起こし、東響の底力を再認識しました。

 

(客席:左側後方、無料)