新発田市民文化会館は、昨年開館35周年を迎え、その記念イベントとして山形交響楽団の特別公演が開催されましたが、今年も昨年に引き続いて山形交響楽団の公演が行われることになりました。前回同様に2000円という低料金であり、聴かせていただくことにしました。前回のメインはベト7でしたが、今回は「田園」です。
某所でひと休みし、早めに会場入りしました。開場待ちしていましたら、友人とばったり。しばし談笑して入場しました。低料金のお得なコンサートであり、賑わうかと思ったのですが、満席にはならなかったようです。
例によってこのホールの客席はS、A、B、C、D、Eという座席表示が分かりにくいです。チケットのクラス分けではなく、座席の場所というのが混乱を招きます。客席は扇型に広がり、ステージが見やすいのは良いのですが、背もたれが異常に低くい椅子は、座り心地が良くありません。
拍手の中団員が入場。全員揃うまで起立して待ち、最後にコンマスが登場して大きな拍手が贈られました。弦5部が8-6-5-4-3(目視)という小型の編成です。
山下さんが颯爽と登場し、最初は弦楽だけでモーツァルトのディヴェルティメントです。軽快に爽やかに演奏されました。アンサンブルはばっちりであり、演奏は素晴らしかったのですが、音響的には残響がほとんどないデッドなホールのため、弦の音には潤いがなく、乾燥した音に聴こえたのが残念です。
続いて、クラリネットの首席奏者である川上さんとのウェーバーのクラリネット協奏曲です。これもスピード感にあふれた生き生きした演奏でした。弾けるような演奏に会場も盛り上がりました。こんな奏者がオケの中にいるというのは素晴らしいですね。
、
休憩後は「田園」です。小編成のオケは、音の厚みに欠けていましたが、良く言えば贅肉がそぎ落とされた解像度の高い音とも言えます。しかし、残響が乏しいホールのために音に潤いが感じられませんした。この悪条件の中、オケの皆さんは情熱的に、力の限りの演奏で、躍動感にあふれる音楽を作り出していました。小編成ならではの機動力が発揮されていたと思います。
山下さんは暗譜で指揮し、速いテンポでグイグイとドライブしていました。軽自動車の車体に2000ccのエンジンを積んで、高速道路を疾走しているような感じでした。
アンコールは弦楽だけ(最後にティンパニが加わりましたが)で、シベリウスの小品が演奏され、コンサートを締めくくりました。
山響は新潟でもお馴染みの飯森さんが音楽監督を務め、長足の進歩を遂げたことは全国的にも注目されています。今日もその実力の高さを知らしめる演奏でしたが、できるなら、りゅーとぴあのような響きの良いホールで聴いてみたかったです。山形と新潟とは距離的にも近いですし、今後の来演を楽しみにしたいと思います。
(客席:A-11-19 、\2000) |