佐渡 裕指揮 シエナ・ウインド・オーケストラ演奏会
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2009年8月18日(火) 19:00  長岡市立劇場 大ホール
 
指揮:佐渡 裕
ゲスト:池上英樹(パーカッション)
 
 
チャイコフスキー(木村吉宏・編):スラブ行進曲

音楽のおもちゃ箱 (ゲスト:池上英樹)
  1.パーカッション・ソロ (池上英樹)
  2.4羽の白鳥の踊り
  3.マンボNo.5
  4.カホン4重奏 (池上英樹、シエナ・メンバー)
  5.カルメン・ファンタジー (マリンバ:池上英樹)
    (アンコール)星に願いを 

(休憩20分)

チャイコフスキー(福田洋介・編):弦楽のためのセレナード ハ長調 作品48 より
                       (1、3、4楽章)

ヨハン・デ=メイ:エクストリーム・メイクオーヴァー

(アンコール)
チャイコフスキー:アンダンテ・カンタービレ
星条旗よ永遠なれ
 
 

 シエナのコンサートは今年の3月以来4回目となります。毎回楽しませていただいており、今回も早々にチケットをゲットしました。平日に長岡まで繰り出すのは本来なら困難なのですが、たまたま柏崎に出張の日であり、帰りに寄ることができました。チケット完売の人気公演であり、満員の客席は壮観です。今回の公演はチャイコフスキーのプログラムがメインであり、チラシには「ブラスの最強コンビ佐渡Xシエナの十八番!」とありました。

 拍手の中楽員が入場。全員揃うまで起立して待っていました。佐渡が登場し、1曲目はスラブ行進曲です。フル編成のオケによる演奏は迫力があり、聴き応え満点でした。
 次は、恒例の「音楽のおもちゃ箱」です。ゲストの池上英樹を迎えての楽しい演奏でした。池上の素晴らしいパーカッションの演奏は感嘆ものでした。佐渡らの踊りによるによる「4羽の白鳥の踊り」で会場を和ませ、観客も参加のお馴染みの「マンボNo.5」で盛り上げました。この辺の演出は佐渡&シエナならではでしょう。その後カホンの合奏に息を呑み、最後に池上のマリンバによる「カルメンファンタジー」が演奏されました。マリンバを引き立たせるためかシエナは音量控え気味であり、迫力に欠けたのが残念でした。池上のアンコールの「星に願いを」のマリンバの柔らかな音色は心地よかったです。

 後半の最初は「弦楽セレナード」です。木管(+コントラバス)のアンサンブルの演奏で、弱音の美しさを堪能させてくれました。迫力あるブラスの響きとは対極の繊細な演奏であり、芸術性の高さを感じさせましたが、この曲はやはり弦楽で演奏されるべきだろうなと感じました。
 最後の「エクストリーム・メイクオーバー」はチャイコフスキーの曲をモチーフにした曲であり、迫力あるブラスサウンドで沸かせてくれました。空き瓶を吹いたりなど、音響的にも楽しませてくれました。私個人としましては、このようなスカッとするブラスの演奏が好きです。

 アンコールは「アンダンテ・カンタービレ」が静かに演奏されました。演奏としては良かったのですが、アンコールの曲にしてはしんみりしすぎたように思います。最後の最後はお決まりの「星条旗よ永遠なれ」で盛り上がってスタンディングオベーションとなりました。
 いつもより「音楽のおもちゃ箱」は盛り上がりに欠け、「弦楽セレナード」の木管アンサンブルの演奏は演奏の質としては素晴らしかったですが、原曲以上の感動はなく、ブラスの爆発を期待した私としましては、欲求不満を感じたのも事実です。クラシックの名曲を吹奏楽で演奏するのも良いのですが、プラスアルファがないとやった意義がないように思います。「エクストリーム・メイクオーヴァー」のような吹奏楽ならではの名曲もあるわけですので、そのような曲目を演奏してほしかったです。
 しかし、純粋に音楽芸術という点で考えてみますと、不完全燃焼はありましたが、吹奏楽の楽しさ、奥深さを感じさせる素晴らしい演奏だったと思います。来年もまた来てくれるかなあ・・・。
 

(客席:24−27、S席:6000円)